生きていくことは、自分の発想ややり方を貫いていくことでもある
林家木久扇 バカの遺言
笑点は子供の頃よく見ていて好きだったので、当時の木久蔵さんのことも他のメンバーのことも毎週のように見ていました。本にも書いてあるように、元気なままで引退というのは少ないので、笑点の裏話を楽しく聞かせてもらえることに興味があったのと、バカを認めて力を抜いて楽しく生きる姿に力をもらえそうだと感じて、読んでみました。
本を読んで感じたのは、木久扇さんは「バカ」という強い武器を持っていてそれを誰よりも使いこなしているということ。使いこなしている本人はバカではなく、土台はとてもしっかりした人です。戦争を経験した世代ならではの生きることに対する情熱やしたたかさを感じます。「戦争を経験した私たちは、政府の言うことを鵜呑みになんかできません」というのは、半分ギャグで書いていますが、かなり含蓄のある記述です。タイトルのように、社会のレールに乗って生きることが全てではなく、自分で道を切り開いていくことが生きることだ、という内容も、私が子供の頃には当たり前でしたが、いつの間にかそういう気持ちを忘れてしまったなあと思いました。