わたしを偉大な自由なあたらしい家族のひとりとして忘れないでくれ
黒川祐次 物語 ウクライナの歴史
本著を読んでわかったことは、ウクライナという国とロシアあるいはソ連という枠組みは切り離せないものであり、ソ連が崩壊して約30年経った今でも、その枠組みにおいて解決していない問題がたくさんあるということです。そういう意味では、今起こっている戦争も、予想外の異常な状況ではなく、良いか悪いかは別として起こるべくして起こったものと考えられます。そして、根深い問題であるからこそ武力による本質的な解決はできず、時間がかかっても議論を重ねることが必要だと思いました。
タイトルは、タラス・シェフチェンコというウクライナの文学者の「遺言」という作品からの引用です。彼にとっての未来に訪れるはずのウクライナの独立に対する強い想いを綴った言葉に、日本人であることが当たり前と思っていた自分の価値観を大きく揺さぶられました。