厚労省は因果関係認めず 


子宮頸(けい)がん予防ワクチンの接種を受けた2日後に女子中学生(14)が死亡していたことがこのほど分かった。12日の厚生労働省の検討会で報告、審議された。

 検討会は、接種から時間が経過していたこと、少女に不整脈の一種「心室頻拍」の重い持病があったことから、「接種と死亡との明確な因果関係は認められない」と判断した。

 ワクチンは英グラクソ・スミスクラインが製造した「サーバリックス」で、わが国での接種で死亡例が報告されたのは初めて。同ワクチン接種後の死亡例は、因果関係は立証されていないものの、欧米ですでに数件指摘されている。同ワクチンは、国内で2009年12月に販売され、推計238万人が接種を受けたとされる。

 副作用に関する長期的調査が不十分な中で、完全公費負担による接種が全国的に進められていることに懸念を示す声も少なくなかった。

 厚労省によると、少女は7月28日にワクチンを接種し、同30日朝に死亡した状態で発見された。

 検討会では、委員から「他の予防接種に比べて失神などの副作用報告が目立つ」「基礎疾患がある子供は、急いで接種する必要がない」などの意見が出された。