『 県庁所在地 』考 | 大局観

『 県庁所在地 』考

下図は、県と県庁所在地
名前が、異なっている県は、オレンジ色。

1.県と県庁所在地の名前が違うところ:18
  県   県庁所在地
 北海道 :札幌市
 岩手県 :盛岡市
 宮城県 :仙台市
 茨城県 :水戸市
 栃木県 :宇都宮市
 群馬県 :前橋市
 埼玉県 :浦和市 (2001年合併し、さいたま市に改称)
 神奈川県:横浜市
 山梨県 :甲府市
 石川県 :金沢市
 愛知県 :名古屋市
 三重県 :津市
 滋賀県 :大津市
 兵庫県 :神戸市
 島根県 :松江市
 香川県 :高松市
 愛媛県 :松山市
 沖縄県 :那覇市

2.名前が異なる、理由
明治新政府に抵抗した藩の、名は県名にしない
 仙台藩 ⇒宮城県
 盛岡藩 ⇒岩手県
 加賀藩 ⇒石川県
 高松藩 ⇒香川県
 松山藩 ⇒愛媛県

明治新政府の気に入らない名前は変えさせた
 江戸(旧幕府) ⇒東京
 尾張(御三家) ⇒名古屋市

明治新政府が気に入らない市には、県庁を置かない
<滋賀県>
江戸時代、政治や経済の中心は彦根だった。彦根は幕府ゆかりの地。滋賀県には7つの藩があったが、県庁は、彦根から最も遠い大津に置かれた。
<福島県>
福島では、会津藩は最大であったが、戊辰戦争で政府軍と対立した。県庁は、はるかに小さかった福島藩に置かれた。
<三重県>
三重県は三重郡に由来。三重郡の桑名藩の藩主は、松平定敬で、兄は会津藩主の松平容保。県庁は早々に政府軍に味方した藩に置かれた。

④一方、明治新政府に貢献したところは、そのまま県名にし県庁もそこに置いた。
<山口県 山口市> 長州藩の正式名称は山口藩
<鹿児島県 鹿児島市> 薩摩藩の正式名称は鹿児島藩
<高知県 高知市> 土佐藩の正式名称は高知藩
<佐賀県 佐賀市>佐賀

⑤その他
<栃木県>
元々、栃木市にあった県庁を宇都宮市へ移転した(明治17年)。
<神奈川県>区の名を県名にした
神奈川県横浜市神奈川区
<兵庫県>区の名を県名にした
兵庫県神戸市兵庫区


3.
名前はともかく、県庁所在地を小さな市に置いた場合は、その後の県政に少なからぬ影響を与えている、と思われる。

経済発展時は、あまり問題とはならないが、経済下降・人口減少時には、県庁と大きな街が離れていることによる負担は、増してくる。




以 上