フランクル 『夜と霧』 1 | 大局観

フランクル 『夜と霧』 1

現在、NHK『100分で名著』で放送しています。

夜と霧』は、第2次世界大戦の際、ナチスのユダヤ人強制収容所に収容された精神科医 ビクトール・E・フランクルが、みずから味わった過酷な経験を綴った本です。
フランクルは、「生きる意味とは何か」を追い求めて精神科医になった人です。
そして、収容所で自ら生き地獄を体験し、同時に極限状態におかれた人間たちを目の当たりにしました。

1.フランクルの思想のエッセンス
①「どんな時も、人生には意味がある。
あなたを待っている"誰か”がいて、あなたを待っている"何か”がある。そしてその"何か”や"誰か”のためにあなたにもできることがある
。」


だから、たとえ今がどんなに苦しくても、あなたはすべてを投げ出す必要はない。
あなたがすべてを投げ出しさえしなければ、いつの日か、人生に「良かった」と言うことのできる日が必ずやってくる。いや、たとえあなたが人生に「良かった」と言えなくても、人生のほうからあなたに「良かった」と光を差し込んでくる日が、いつか必ずやってくる。

人間は、人生から問いかけられている
「人生の意味」は、そもそもこちらから問うことのできるものではない。「人生の意味」は、私たちがそれを問い求める前にすでに人生のほうから送り届けられている。
私たち人間がなすべきことは、生きる意味はあるのかと「人生を問う」ことではなくて、人生のさまざまな状況に直面しながら、その都度「人生から問われていること」に全力で応えていくこと、ただそれだけ。


2.コメント
人間は「人生から問われている者」である。これがフランクルの基本テーゼです。そしてこの観点に立つならば、人がみずからの主観で人生に意味があるかないかを決められるとして、人生の意味を問う心構えそのものが、間違っているということです。
私中心の人生観」から「生きる意味と使命中心の人生観」へ180度転回する考え方。

心理学では、多くの場合「心の内面」を覗こうとします。
 しかし、フランクルは
「あなたの心の内側に何かを探し求めないでください」と言います。
その代わり、次のことを問います。
「この人生で、あなたに与えられている意味、使命は何でしょうか?」
「あなたを必要としている誰かや何かのために、あなたにできることは何があるのでしょうか?」

人生は、欲求や願望を実現する舞台ではない」とまで言います。自分の人生に与えられた固有の使命(ミッション)をまっとうしていくという人間本来のあり方へ立ち戻ることで、人は初めて慢性的な不満状態から解放されていく。「悩みが解決する」のではなく、「悩む必要がなくなる」。

フランクルの言っていることは、一般に言われていることとは違い、逆説的です。
理解するのに苦労しますが、そこには深~い意味がありそうです。

次の記事で、私の考えを記します。

以 上