得意なテーマを一つ持つことに挑戦する「世界探求プロジェクト」がいよいよスタートしました!初回の投稿では、当日に使用した資料を紹介しながら、子どもたちが練習したテーマの見つけ方と深め方の目的についてお伝えいたします。

 

 

最初に実施した「テーマの見つけ方」のワークでは、子どもたちに「好きなこと」「身近なもの」「最近見たこと、聞いたこと」の三つを可能な限り多く書き出してもらいました。(下記画像を参照。 ファシリテーターが小学生だったときの例を掲載)

 

 

 

このワークの狙いは、

①子どもが一人でテーマを設定できるようになる

②量が質につながることを知る

 の2つです。

 

 

自力でテーマを設定するのはなかなか難しいことですが、「好きなこと」「身近なもの」「最近見たこと、聞いたこと」の三つを書き出していくと、案外、日常生活の中に子どもの興味の種が隠れていることがわかります。この日は、一つの項目に対して7つの候補を挙げていた人もいました!

 

 

加えて、子どもたちには、アイデアの量が質の高さにつながる体験もしてもらいました。テストや入試では一発で正解を答えられないと評価されないので、私たちはすぐに正解に辿りつこうとする傾向があります。このように一つの正解に絞ろうとする考え方を収束思考と言います。一方で、アイデアを複数考え、自由に発想する発散思考という考え方も存在しており、特に大人になるにつれてこれが苦手な人が多いように感じます。

 

 

答えが一つしかない問題を解くには収束思考だけで十分ですが、正解がたくさんある複雑な問題、例えば、「どんな商品を開発すればヒットするのか?」「どうすれば環境問題を解決できるのか?」などは複数のアイデアの候補を挙げたうえで、それらを比較しながらベストの答えを考えていく必要があります。子どもたちがこれから生きていく社会における問題はますます複雑化し、発散思考と収束思考の両方が大切になりますので、その両方をバランス良く磨き上げてほしいですね。

 

 

次に、「テーマの深め方」のワークについてご紹介します。

ここでは、「テーマの見つけ方」のワークの中から自分が最も興味を持ったテーマを一つ選び、それに対する質問を考えてもらいました。(下記画像を参照。テーマのオリンピックに対して質問を考えた例)

 

 

 

手順は、

①テーマについて自分が知っていることを書き出す

②知っていることに対して「なぜ?」「どのように?」といった言葉を投げかけ、質問を作成する

③知っていること以外にも疑問に感じることを質問リストに加える

の三つです。

 

 

このワークの狙いは、生涯学び続けるために必要な好奇心と質問力を育むことです。好奇心は学ぶことのエンジンとなる力であり、それが強い子どもたちは命令をされなくても、学ぶことに没頭するようになります。では、その好奇心をどう育めばいいかと言いますと、質問力がポイントになります。

 

 

例えば、私たちはオリンピックが4年に1回開催されていることを知っています。ところが、なぜ4年に1回開催されるのか、という理由までを知っている人はそう多くありません。その理由を知ることでオリンピックに対する理解がさらに深まりますし、好奇心が満たされる喜びも得られます。つまり、学ぶことが楽しくなります。

 

 

知識を暗記することも大切ですが、それだけを経験し続けると、オリンピックが4年に1回開催されることは覚えられても、その先の「なぜ?」が気になる好奇心はなかなか育ちません。だからこそ、世界探求プロジェクトでは、子どもたちに知識を教えるというよりは、「なぜそうなの?」「昔はどうだったの?」「他の国ではどうなの?」といった質問を子どもたちにたくさん問いかけて、彼らの好奇心を刺激するように心掛けています。

 

 

余談ですが、人間の好奇心について考察した「子どもは40000回質問する」(イアン・レズリー著、光文社出版)という本では、好奇心が強い子どもは普段大人たちからたくさんの質問をされているというエピソードが紹介されています。

 

 

好奇心に満ちた子どもたちの姿を見ていると、こちらもワクワクしてきますよね。2回目のプロジェクトでもどんな新しい質問が飛び出すか、今からとても楽しみです!