バスの窓に写る自分の顔色が蒼白なことに気付きだした頃、
ようやくバスはプンタ・アレーナスの街に到着した。
この街にはすごくいい宿はあると教えてもらっていたので、
当初はそこに向かうつもりだったが、
おなかが痛かったので、その宿をじっくりと探す気にもなれず、
バス停で客引きをしていたオバチャンの車にあっさり乗り込む。
もう、予算内の宿で、休めるならどこでもいい・・・と、思いつつも、
車が、奇妙ならくがきをしたホステルの前に停車した時は、
「こんなヘンテコなところはいやだ」と文句を言いそうになった。
けれど、私のホステルはそこではなく、
普通の所だった。
ほっ・・・
BLUE HOUSE HOSTEL
客引きのオバチャンに連れて行ってもらった宿。
ツアー会社併設で、ペンギンツアーや、プエルト・ナタレスなどへのバスも
ホステル内で申し込めるようだった。
6ベッド男女混合ドミトリー1泊 5000ペソ(約850円)
WIFIフリー、朝食付き(もちろん食べれず・・・)
私は二段ベッドの上段を使うよう言われたのだが・・・
ただでさえ足が短い上に、おなかが痛かったので、
ベッドに上がることが、ものすごく億劫だった・・・
どうにかベッドに上って、近い天井を見つめ、考える。
さて。どうする。
どうやら、これは本当の腹痛だ。
何かに緊張して、とか、バス酔いして、ってわけでもなく、
純粋におなかが痛くなってしまったらしい。
薬を飲むべきか・・・
薬は、とにかくたくさん持っている。(心配性とらべりぃ)
けど、すぐに薬を飲むのって、あんまり良くないんだよね・・・
とりあえず、今日はこのまま寝れるわけだし、
明日も早く起きなくていいんだから、
薬は飲まずにおこう。
寝れば治るさ~
・・・・と思って、薬を飲まずに寝たのが失敗だった。
翌朝
無駄に早い時間に気持ち悪くて起きる。
即座にトイレとお友達状態に。
ああああ・・・・薬飲んどけば良かったぁ・・・・・
と後悔したところで昨夜に時間は戻せない。
焦る。
今日の17時のフライト・・・
大丈夫だろうか・・・
もう、四の五の言ってられないので、薬を飲む。
寝ようとする。
気持ち悪くて眠れない。
でも、少し眠る。
でも、起きる・・・
あぁ・・・エンドレス。
まもなく午前10時・・・
チェックアウトの時間だ。
チェックアウトしても、共有スペースは無料で使っていいらしいので、
とりあえず、チェックアウトしてソファーで休・・・・・・
あぁ、いや、無理!
横になって寝てたい!!
「ペルドォン・・・もう1泊分払うから、フライトの時間までベッドで寝てていい・・・?」
「おぉ、勿論だよ!大丈夫かい?!」
愛想のいいフロントのお兄ちゃんに一声かけて、再びベッドに潜り込む。
本当なら5000ペソでいいところを、10000ペソ払うのは悲しいが、
無理して飛行機に乗れないなんて事態になったら大事だ。
背に腹は代えられない。
幸いにも、同じ部屋の人が全員チェックアウトをしたので、
6人部屋には私1人・・・
落ち着いて寝ることができた。
時折、フロントのお兄ちゃんが様子を見に来てくれた。
色々気遣ってくれて、しかも、新しいお客さんが来ても、
私のいる部屋には入室しないようにしてくれた。
とても有難かった。
14時を過ぎた頃、薬が効いたのか、だいぶ調子が良くなってきた。
ほっとして、空港までの送迎バスを頼むが、残念ながら予約がいっぱいで手配できず・・・
街を少し歩いて別のバスを当たろうかと思ったけど、
大事をとってタクシーで行くことに・・・
空港に到着する頃には、ちょっと胃が荒れている感じがするものの、
大分調子を取り戻していた。
はぁ、良かった・・・
ありがとう。正露丸。