指導者用のライセンス取得には


サッカー協会の講習を受けなければなりません。


B級以上は、これを受けるために所定の受講条件を満たすほか、


理事会への推薦文が必要となります。


もしくは大きなコネクションが必要です。



また、「チームが今こういう悪い状況で、あなたならどう建て直す?」などの


状況に合わせた指導を勉強するわけですが、


これは結局その時々のサッカー協会流指導を学ぶこととなります。


サッカー協会の方向性に合わせなければ、ライセンス取得は出来ない仕組みです。



勿論、現場では想定外の不定形な事象が常に発生し、


その対処法もまた不定形であることは協会側も理解していますが、


未だ効果的な指導者育成フローを確立できていないのが正直なところです。



現代社会は爆発的に情報量が増え、留学するコーチも多く、


PTPなど小手先の論理・戦術に拘り、情報に踊らされる傾向が顕著です。


その年代、その地域、そのレベルの子供たちに何を教えるべきなのか、


そもそも日本の子供たちに何から教えるべきなのか、


多くの指導者が考えられていないのが実情です。



しかし、サッカー協会も少しづつ進歩しています。


自分たちのやり方を根本から変えて、そして今後も変えつづけて、


何とか世界に追いつこうと努力している人はいっぱいいます。


S級ライセンスも、以前は代表経験者ならすぐに取得できるような仕組みでしたが、


今はその特例もなくしました。


本当に指導できる人材を育成しようという意思の表れです。


(あるドーハ経験者が講習でクソ過ぎたという裏話はこの際置いといて・・・。)




私個人の見解としては、日本人に教えるべきは2点。



1点目は「ゴールなんて簡単だ」ということ。


きれいなシュート、激しいヘディングなんて必要無い。


ただゴール前で落ち着いて、空いているコースに軽く蹴ればいいだけのこと。


足でも頭でも、胸でも腿でも、尻でも背中でも踵でもいいわけです。


ゴールに近づくことに全力を挙げるスポーツなのだから、


ゴール前まで行けば落ち着くだけ!そこを体と心に叩きこむことが肝要です。


だって技術も規律もあるのだから。



2点目は「ぶつかり合いを恐れるな」ということ。


今のサッカー選手はサッカーでのぶつかり合いしか経験がありません。


しかし裕福な日本人が、生活を賭けて本気でガツガツやる訳もなく、


結局当たりの弱さが伝統となっているわけです。


であれば、違う競技で訓練すればいい。


ラグビー、アメフト、武道、格闘技、ほかにも色々あります。


どうせならば色々な競技を経験させて、色々な身のこなし方を覚えるといい。


日本人は体格が小さくとも、元々根性のある民族。その遺伝子を覚醒させるだけのこと。



子供~高校生までの年代に戦術を教えて、組織だったサッカーすることは反対です。


結局最先端の戦術を駆使しても、あくまでユースレベルで会得することとなり、


上のレベルに進んだときに対応できなくなるだけです。


「このポジショニングで守りきれていたのに、攻めも大丈夫だったのに、全く通用しない。


 一体どうすればいいのか?何を修正すればいいのか・・・?」


成長過程の子供が戦術に頼ると、結局はこうなります。


それよりは世界で通用する武器=個の力を身につけさせてあげることが指導者の仕事だと考えます。




サッカー協会さん、いい指導者の育成に向けた環境整備を今後もヨロシクお願いします。