「おはよー」
「おはよー蒼」
ふふふ…4組にもようやく慣れてきた!
私は数人とあいさつを交わして、自分の席に着いた。隣を見ると男の子が突っ伏して寝ている。
内之宮隆貴(うちのみやたかき)か…。隣になって初めて知った存在の人←失礼…
私には今、悩みがあるの…。それは最近、うち(内之宮)のこと…気になって…好きなのかも…。いやいやいやいや!だめだよね!普通に考えたらだめだよ。私、ふーちゃんのことが好きなはずなんだから。私って結構好きな人とクラス変わっちゃうと好きな人も変わっちゃうんだよね。
こんな性格直したい。多分いま、心が揺れている。
うちがゆっくり起き上がり、こっちに目を向ける。
「あ、滝沢。おはよ。」
「お、おはよ!」
そういうとうちは仲のいい男子のところに行ってしまった。…うちは優しいんだよなあ。でも今はそれだけなわけで…、やっぱり分かんないなあ。
私はこんな悩みを打ち明けられる人などいなくて、一人頭を抱えたまま、その日の授業を受けた。
もう夏も近くなって、宿泊学習がもうすぐある。今日の総合の時間では班割とか班決めをするみたい。生活班は女子の中でかなりテキトーに決まっていってる。私は魅莱と同じ班ならなんでもよかったからね!同じ班にはなれた…次が大切なんだ!班の役割決め!私はもちろん班長になりたいわけで。
「私班長やりたい!」
そう言った。だけど…
「私も~。」
そういったのは姫川亜由(ひめかわあゆ)。姫って呼んでる。
こ、こうなったらジャンケンになるのかな?私、苦手なのに…。
「最初はグー」
急に姫が言い出すもだから私は急いで立ち上がり構えた。
「ジャンケンポイ!」
私はもう直感で“チョキ”を出した。私は、姫の方をゆっくり見る。姫は…“グー”!?
ま、負けた…。でももうしょうがない気がする。
姫は班の役割シートjの班長欄に自分の名前を書いた。私はその様子を羨ましげに見た。魅莱に肩をたたかれ、「しょうがないよ」と言われてしまう。
しょうがないけど、やりたかったもんはやりたかったもんなあ。でもジャンケンで負けてしまったからには違う役割を決めなきゃ。
私は他の役割を見た。生活係と保健係と食事係。どれかって言うと生活係かなあ。大変そう。で選んでるもので!
私と小夏愛(こなつあい)と一緒に生活係になった。魅莱は保健係。なんか似合ってる!
次に活動班を決める。これは女子オンリーじゃなくて男子と女子混合の班になる。
誰でもいいけど…もしいいなら、うちと同じ班になりたいな。なんて、そんな夢を見て、現実ってさ、そんなに簡単にかなわないものだよね…。
私と魅莱がうろちょろ迷ってると
「まだ、班作ってないなら、一緒に班にならない?」
と、戸田秀作(とだしゅうさく)、増田廉(ますだれん)、小原友也(おはらともや)の3人組に声をかけられた。
「どうする?」
私は魅莱に聞いた。魅莱は
「いいんじゃない?」
私はちょっと心惜しかったけれど、別にそこまでうちと同じ班になりたいと思ったわけじゃないから…。返事はオーケーした。
これで後は宿泊学習当日を待つばかり…。
でも、やっぱり気になる。君のこと。