この世界に花束を -5ページ目

ご無沙汰しております・・・!!!

(前回の投稿って、いつ・・・?汗)

 

なんというか、いろいろあったりなかったり(どっち)

少なくとも、数年前の暗黒期間ほどではなく、

メンタルの面でも体調の面でも

あの頃に比べれば、明らかに良くなってはきているのですが。

 

なんでしょうねえ。

齢のせいですかねえ。

ちょっとなかなかダメージが取れなくて。

へにょりんこ。

さすがに家の階段を昇って息切れすることはなくなりましたが

根っこのところで、きっついなあ、と

心身ともに、へにょりんこ。

という、何この出だしからネガティブ全開で申し訳ありませぬ。

 

ここ数年、エネルギーの枯渇がひどく。

いろんな意味で枯れっ枯れモード。

ある分野においてはあれだけ煩悩情熱にまみれていたのに

そっちの方も枯れまくり。

相変わらずアニメはがっつり観てますが

以前のような、熱がない。

生まれても、さほど続かず、あるラインを越えることがない。

気持ちが、心が、そこまで大きく動かない。

動くだけの、気力がない。

こんなふうに、文字にすることすら、できなくて。

できなかったのだなと、今、書いていて、気がつきました。

 

生きて、動いて、生活して。

仕事して、職場の人とかと、笑って、話して、いましたが。

どこか虚ろでからっぽで。

抱えている現状に疲れ果て。

あとどれくらい、こんなふうに生きるんだろうと。

例えるならば、何を食べても砂を噛んでいるような、

世界がすべて、白黒で、

汚泥の中にいるように体が重く、息苦しい、

そんな数年間でした。

 

なので、ブログも書けず。

というか、書く以前の、遥かそれ以前の状態

だったのです。

 

ですが。

 

なのですが。

 

これだけは、

書かねばと、

これを書かないで

どうするんだと、

 

なんでしょう、

これは。

この、久しぶりの、感覚は。

 

体温が上がり

鼓動が早まり

胸が高鳴る。

 

いやもう、前振りはよいのです。

字数がもったいないのです。

 

これです。

 

 

インド映画、『RRR』

 

 

映画は良く観に行くのです。

一人になれるから、ってめっちゃネガティブな理由ですが。

そんななか、こちらの『RRR』は、

予告は観たものの、

正直なところ、観るつもりはなかったのです。

 

これは・・・個人的な趣味嗜好なので・・・ごめんなさいですが、

お髭とか、

筋肉むきむき、とか、

その、

私の性癖とは、ちょっと、その、

予告のアクションシーンもすごいなとは思ったんですが、

うーん、

アクションかあ・・・、

嫌いじゃないけど・・・

お髭さんかあ・・・・・・・・・・

と。

 

今になって思います。

ええ。思いますよ。

あの過去の自分を、完徹で説教したい!と。

 

 

今、ちょっと、家族の事情で、先の予定が入れられなくて。

前日になって予定が組める(もしくは当日)、

みたいな感じなんですが。

先週もそんな感じで、仕事の定休日に映画館に行き。

さて、何を観よう。

気になるのは観ちゃっていたので、

じゃあ、そうだな、RRRでも観るか、とそんな

五体投地で謝罪してもしたりない経緯で観たわけです。

ええ、本当に。

でもある意味、この時、観てみようと思った自分、グッジョブ!!

果てしなくグッジョブ!!とも思います。ええ。本当に。

 

 

ストーリーは、

1920年、イギリス植民地時代のインド。

インドのデリーで、

本来敵対しあう二人が、お互いの立場を知らないまま、運命的に出会って、

真の友との出会いを感じちゃって、

兄弟と呼ぶほどに仲良くなって、

友情と信頼を深めていくのです。

 

 

左側が、ビーム。

英国軍の総督夫妻に攫われた、村の少女を取り戻しにデリーに潜入。

アクタルと名乗っている。

画像では伝わらないのが口惜しいくらいに、可愛い。

丸いつぶらな瞳で、クマさんみたいな体形だけど、身軽。その見かけからは想像できない動作に、ギャップに、ひゃあ!ってなる。

純朴。

駆け引きとか、分からない。

吹き替えは、杉田智和氏(純朴な・・・銀さん)。

最初、うわあ・・・(お髭さんと筋肉に)だったのが、

映画が進むにつれて、何この可愛い生き物、ときゅんが止まらなくなる。

ラーマをめっちゃ慕っている。

そして可愛いけれど強い。虎に負けない気迫をもつ。

 

 

右側が、ラーマ。

英国側、警察官。

実は、祖国解放の大義のため、警察官となっている。

あ、すみません、めちゃめちゃネタバレ有りでいきます(今ごろ書くな)。

こちらもお髭さんで、ううううううーん、だったんだけど。

ビームと出逢って、まるで高校生ですか君らは、みたいな笑顔で

ふたりで遊ぶ場面を見ていくうちに、

何このイケメン、ときゅんが止まらなくなる。

いろいろスマート。

服装(私服が良き)や、そして動作が、決まっている。

そう、決まっている、とは、彼のためにある言葉なのだとこの映画で知りました。(キリッ)

そして彼も強い。

暴徒と化した数千人に飛び込んで行って、結果、数千人が怯んでしまうくらい強い。

 

 

この二人が運命的に(←公式)出会うのが、

列車事故に巻き込まれた少年を救う場面なんですが。

この時ですね、

ラーマは橋の上、ビーム(アクタル)はかなり遠い河岸にいたんですよ。

結構な距離。

なのに、なんか、目と目が合って、手を上げて通じ合って、

そのあとも橋の上で、会話は一切なく、アイコンタクトとジェスチャーのみで(!)

橋からダイブして少年を救うという。

 

アクションが圧巻で目が離せないシーンですが。

それ以上に、私としては、その前が気になって、

え?それで通じちゃうの?え?ちょっと待って、と心の声が大混乱状態。

2回目視聴時ではもうガン見して、

いやいやいや、それだけ離れた場所で、

なんで!

目と目で!

通じ合ってるの!!

と座席で悶絶、

ぷるぷる震えが止まらない。

(そしてこんなのは、まだまだ序盤なのである)

 

(思い出すだけで、胸が苦しい・・・。)

 

 

運命に導かれ出逢った二人ですが。

ラーマは、大義のため、警察官として昇進しなくてはならず。

けれど、インド人のため、どれだけの手柄を上げても無視される状況にありました。

そんな時、攫われた少女を取り戻すためデリーに潜入しているゴーンド族の精鋭を生きて捕らえた者は特別捜査官に任命する、と提督の夫人が宣言し、この好機を逃せないラーマは、その捜査責任者に立候補していたのです。

そう。

部族の精鋭とは、ビーム(アクタル)。

ふたりは、お互いの素性を知らぬまま、意気投合し、屈託なく笑いあい、友情と信頼を深めていく。

けれど観ている側は、知っているのです。

ふたりが、追う者と追われる者であるということを。

敵対する関係だということを。

なので、ラーマとビーム(アクタル)が、楽し気にキャッキャいえ失礼、笑顔全開で過ごしていれば過ごしているほど、

その時に流れるBGMの歌詞と相まって、この後来る展開に、避けることのできない二人の決別を想像して、先ほどとは違った意味で、胸が苦しくなるのです。

 

以下、BGM 『DOSTI』の歌詞を抜粋です

 

”虎と狩人の間に

 首と絞首台の間に

 燎原の火と 雹を降らす嵐の間に

 太陽と雨雲の間に

 生まれた絆

 

 流転する数奇な物語

 友の手は固く結ばれた

 この手は命を救うのか

 それとも奪うのか

 

 山火事と洪水の友情

 成文律と不文律の友情

 炎と氷河の抱擁

 それが彼らの友情”

 

 

RRRは、場面場面に入るBGMがまた神がかっていて、物語りを盛り上げる。

歌詞にも悶絶が止まらなくなる。(忙しい)

 

 

そういえばこの映画は3時間なんですが。

体感としては1時間弱でした。

(むしろもっと長くやってほしい。)

観ていて飽きる隙がない。

クライマックスの連続というか。

アクション場面も秀逸ですが、それが、アクションとして感じない、

ストーリーに根深く存在していて、

見せ場として組み込まれていない(見せ場だけど)

場面場面のすべてが、すべてのシーンに、命を感じる。

熱量、とでもいうのだろうか。

なので、何度観ても、観飽きない。

むしろ、1度目より2度目、2度目より3度目の方が、

繋がっている部分に気付き、

見落としていた表情に、目線に気付き、

そこに秘められていた感情に、気づいて

胸の中が、胸の奥が、震えて、ぎゅってなる。

(展開のうまさに、謎に悔しくなったりもする。)

 

 

ネタバレ全開なので書いちゃいますが。

ラーマは、ひん死の重傷状態の時に、アクタルこそが彼が追っている人物、ビームであることを知ります。

大義のために捕えなくてはならない人物であることを。

 

苦悩し、葛藤し、けれどラーマは、親友であるアクタルを、ビームを、激闘の末捕えるのですが

ビームに投降を促し手錠をかけようとする時、

数千人の暴徒を前に一歩も引かず、視線を逸らすことなく前を向いていたラーマが、

下を向いたまま、なんです。

いつでも毅然と強い視線で、揺らぐことがなかったラーマが、

目を伏せたまま。

 

 

祖国解放の指導者だった父と母と弟を英国軍に殺害され、

父との約束を守るため、武器となる銃を村人全員に持ち帰るため警察官となったラーマ。

大義のため、親友をも裏切ることを選んだラーマ。

けれど。

 

この視線に、ラーマの心情が現れていて。

 

(RRRは、こういう表現が、本当に秀逸なのです。)

(でも過剰すぎない)

 

 

けれど、そんなラーマに変化が訪れます。

捕らえられ、

どれだけ鞭で打たれようとも、

けして膝まづくことなく、

自身の部族の矜持を捨てず、

その行動と歌だけで民衆の心を動かしたビームの姿を見て、

ラーマの中の迷いは消え、彼は決意するのです。

ビームを逃がすことを。

攫われた少女を、彼に返すことを。

15年かけた悲願がようやくここで叶おうとしている、その時に。

ラーマは、ビームを救うことを、

一切の迷いなく、

その結果死ぬことになろうとも、それは誇りある死だと、

すべて吹っ切れた表情で決意するのです。

 


 

そうして

結論から言うと(え?)

ラーマの事情を、逃亡先で偶然出会ったラーマの許嫁から聞いたビームが

(事情を知った時の衝撃たるや。ここで観ている側もビームと同じくらい衝撃を受けた。)

今度はラーマを救います。

この時、兵舎の庭の地下(独房・無数にある)に入れられているラーマを探す、その方法が、

ラーマとビームの絆に由来したもので、これがまた、悶絶するわけです。

さらに、格子越しの再会で、

大義があったラーマの事情も知らずに・・・と涙目なビームに、

「どうした、ビーム」と、

格子の隙間から、

ビームの頬に手を伸ばして優しく問いかけるラーマの、その慈しみのこもった視線と声といったら・・・!!!(悶絶)

いやもう、ここだけじゃないですけどね。

観返せば観返すほど、ラーマの優しさに満ちた、愛おしささえ感じさせるような声や表情やまなざしが、いたるところに(ラーマとアクタルとして過ごしていた時間)ふんだんに、ビームに向けられているのですよ、奥さん!!!!(誰)

 

げふんげふん。

 

もしかするとラーマは、ビームに亡くした弟の姿を重ねていたのかもしれません。

 

なので、なおさらに、

ビームを捕らえる時、捕えた後、罰するとき、

それほどおおきな表現ではないけれど、

その瞳に浮かぶ苦悩に、

ラーマの心中はどれほどのものだったのだろうかと、

鑑賞3回目あたりになるといろいろ気づいて、

辛・・・。

本当に、観れば観るほど、新たな気づきがあって

揺さぶられます。(いろんな意味で)

 

 

こほん。

ちょっと逸れましたね。

さてさて、再会後ですが

格子なんてぶん投げて、無事ラーマを救い出し、

ふたり一緒なら、もうね、無敵です。

ついでに薬草も万能です。

いやもうこれでもかというクライマックス、

怒涛のシーンの連続の後、

元凶である提督夫妻をむにゃむにゃして

無事、ふたりは、彼らを待つ人のところへ還るのでした。

(めっちゃざっくりすぎる)

(この共闘場面も、阿吽の呼吸とか、ジェスチャーだけとか、もうほんとに・・・吐血)

 

 

 

                 いろんな意味で見悶えた映画鑑賞後の、青空と太陽。

                 うん。いろんな意味で眩しすぎ。

 

 

 

 

 

 

 

『責務とは、行為であり、 ――結果にあらず』

 

これは、

ビームを逃がし、捕えられたラーマが、強い視線で提督に向けた言葉なんですが。

 

ちょっと難しい、けれど、耳に残った言葉で。

 

何度も何度も観ているうちに、

心に、

降り積もるように、深く、響いて、刻まれて。

 

 

 

どうして生きているのかな、と考えても仕方のないことが、相変わらずよぎることがある。

あきらめにも似た、

消えない、

吐息のような、独白。

 

 

けれど、なんとなくだけど。

生きる結果は、生きることに結果は、いらないのだと、

ラーマの言葉を何度も聞いているうちに、そんなふうな思いがふと生まれてきて。

 

 

大切なのは、

生きている、この時、この自分。

 

結果や目的を探していたわけではないけれど、

そのせいで生きづらいわけでもないけれど、

生きることに何か理由が欲しかったのはあるかもしれない。

 

 

生まれてきて、命があるなかで、大切なのは

私として生きる、ただ、その行為だけなのかもしれない。

 

「どうして」はなくて。

 

この一秒、

自分として、ただ在る、

自分の命を生きている、

私が私であることが。

 

ただ、それだけが。

 

 

それこそが。

 

 

 

 

 

『責務とは、行為であり、――結果ではない』

 

 

 

まだちょっと、ぼんやりしてうまく言葉にできないけれど、

焦らずに、感じてみよう。

何度も何度も、繰り返し。

 

胸の奥に生まれた、何かを。

 

 

 

 

 うふふ。仲良し。(自粛)

 

 

 

 

いやあ、映画って本当にいいものですね。

RRRで喪っていたものを取り戻せそうです。

というか煩悩は取り戻しました。(もしもし?)

地に足が着いた感満載です。

 

ちょっと痛々しい場面もあるのでそこだけは注意ですが

(性的な暴力は無いよ)

RRR、よきです。

私が書くのが遅くてもう終わっちゃいますが(!)

リバイバルありましたら、もしよかったぜひ。

 

ちなみに吹き替え版、お薦めです。

ラーマの声が・・・甘すぎて・・・特にビームへの声掛けが・・・もうね・・・生きててよかった。

 

 

最後に、インドといえばダンス。ということで。

RRRもダンスシーンがあるんですが、物語りの流れとして入っているので、違和感無し。

むしろ盛り上がる。素晴らしい。

 

     「ナートゥをご存知か?」

 

お髭さんと筋肉にときめくようになっちゃったよ。

性癖を書き換える映画、RRR。

いやあ、人生って、何が起こるかわかりませんね。