Time and Again
過去や未来へと旅するタイムトラベルの話は数多く存在するが、その大抵は、タイムマシンを使って過去や未来へと旅しているものが多い。
今回紹介する本は、タイムマシンを使わないタイムトラベルの話。この話で行われるタイムトラベルの方法は、周りの環境と自分の内面を過去に同化させることで、過去へ旅立つというもの。
例えば、中世フランスの言語と習慣を身に付け、パリのノートル・ダム大聖堂に身を置くことで、中世のパリへと時間移動することを試みるという発想。過去の遺物が、タイムトラベルのきっかけになるという意味では、世界遺産が一種のタイムマシンとなっている。
現代に残された一通の手紙の謎を解くために、主人公は1882年へと旅立つ。そこは、まだ摩天楼が建ち並ぶ前のニューヨーク。過去の真相を読み解き、やがて追われる身となった主人公は過去から現代へと逃げ帰る。そのきっかけとなった場は、建設前の自由の女神像だった。・・・ミステリーとSFの要素を併せ持った一作。
自由の女神像(公式テキスト第3巻P.209)
パリのセーヌ河岸
(公式テキスト第2巻P.136~139)