このブログはコンサート内容のネタバレを含みます。ご覧になる時はくれぐれもご注意ください。
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2020年2月26日のラストツアー『結果オーライ』大阪公演をもって公の舞台から姿を消した中島みゆき。
会報誌「なみふく」には元気にしている様子が垣間見えたが、本人の近況は知る由もなかった。
時に、週刊誌などで「引退説」まで報じられたが、それを信じたのは少数派だろう。
ファンクラブの年会費はきっちりと請求されたではないか(笑)
そして遂にファンが待ち望んでいたコンサートが発表されることになる。
『歌会』
中島みゆきのライフワークともいえる『夜会』と肩を並べてくれそうなコンサートタイトルである。
東京と大阪のみのコンサートではあるが、彼女の姿を「聴く」機会をとうとう与えられた。
心弾ませ新幹線に乗車すると『夜会』を鑑賞した数年前を思い出す。
初めての東京国際フォーラムへと足を運ぶ。
ネタバレの順序として、まずはセットリストを列挙します。
そのあとにコンサートの様子に入ります。
セトリだけ知りたいという方もご注意願います。
それではスタート。
セットリスト
1 はじめまして
2 歌うことが許されなければ
3 倶に
4 病院童
5 銀の龍の背に乗って
6 店の名はライフ
7 LADY JANE
8 愛だけを残せ
9 ミラージュ・ホテル
10 百九番目の除夜の鐘
11 紅い河
12 命のリレー
13 リトル・トーキョー
14 慕情
15 体温
16 ひまわり”SUNWARD”
17 心音
18 野ウサギのように
19 地上の星
次にコンサートの様子に入ります。
みゆきさんのMCは一語一句再現できませんが、そこはご了承ください。
舞台上の位置関係は、センターにみゆきさん、上手すぐ横にコンダクタースペース、さらに右奥にベース、手前にギター、さらに上手奥にドラム、手前にキーボード&サックス。
下手みゆきさんの横にグランドピアノ、一番奥にコーラス、下手一番左やや奥にストリングスグループが陣取る形。
(絵が描けないので、すみません。上手は客席から見て右です)
18時15分、開演前にベースの音合わせが始まる。
18時30分、定時開園ブザー
メンバー下手から登場、ストリングス音合わせ始まる。
M1 はじめまして ~白のブラウスにレースのスカート
MC 「ごぶさたいたしておりました、中島みゆきです。ようやくお目にかかれました。思えば4年前の2月26日、夕方に新型コロナによる自粛宣言が出て、コンサートはできたのですが夜逃げのように帰りました。今日はどうぞごゆっくり」
M2 歌うことが許されなければ ~さきほどのブラウスを脱ぐとレースのドレスに
MC 「世界でも日本でもたくさん病院の映像が映りました。ここで病院三部作。医療関係者の方は3曲も聞いたらくつろげませんね」
M3 倶に : M4 病院童 : M5 銀の龍の背に乗って ~「病院童」のサビでは舞台に赤い照明、加えて上手奥に救急車の赤色灯が回転しているような演出
「銀の龍~」ではみゆきさんの後ろから客席に向かって3つの照明が放たれ、まるで後光が射しているよう。また客席の天井、左後方からみゆきさんに向かってスポットライトがあたり、龍が天に昇っていくような錯覚を覚える。
ラストの「銀の龍の背に乗って~~」の転調も見事に決まった。
MC 「医療関係者のみなさま、もう大丈夫です。サッポロには3階建ての喫茶店があると思われているけど違うんです。1階は自転車屋で、その横に人一人通れるドアがあって、その階段を昇ると喫茶店。3階? 屋根裏と言ってますでしょ。今、明かされるライフの真実」
M6 店の名はライフ ~
MC 「都会はビルが高くなりとてもゴージャスに変わっていきます。でも片隅に、あと3回台風が来たらダメになりそうな小さなジャズバーが。そういうところに通いなれるとワガママきいてくれるけどオススメしない。夜明けまで飲んでほろ酔いで出てくると、周りは日常で、おはようございますなんて声かけられて。今回のコンサートにはバンマスはいません。2020年10月、小林信吾さんが亡くなりました。代わりには牧羊犬として、瀬尾さんがコンダクターです。信吾さんがソロをとった歌があります。信吾さんと一緒に歌わせてね」
M7 LADY JANE ~
舞台上手には誰も座っていない椅子とキーボード。そしてピアノソロでは舞台下手にあったグランドピアノの奏者がいつのまにか立ち上がっており、ピアノにスポットライト。信吾さんが弾いたピアノの音が会場を包む。
M8 愛だけを残せ ~
3人のコーラスから歌が始まる。みゆきさん、涙をこらえたのか、最後の一瞬高音が出なかった。
MC 「わしらのバンマス、小林信吾に拍手を」 会場から割れんばかりの拍手。
MC 「今日のコンサートには20分の休憩があります。その前にお便りコーナーがあります。さらにその前に(ちょっと笑って)あたしのわがままコーナーがあります。うふふ、みなさんはあたしの姿は見えるけど、あたしは客席が真っ黒にしか見えない、だからホールに頼んで10秒間だけ客席の灯りをつけます。国際フォーラムの照明さん、お願いしまーす!!」
客席の照明が点灯し、みんなみゆきさんに手を振り始める、老若男女問わず、おもいっきり力いっぱい手を振っている。みんな、みんな、みゆきさんに会いたかったから!!
ほどなく消灯。
MC 「あれ、消えた。みんな元気そうで嬉しい!!」
続いてお便りコーナー。
寺崎要さんが登場。
抜粋して簡単に紹介いたします。
みゆきさん、「メガネ、メガネ」と違うメガネに掛け変える。
・今日は皇居、松の間で「歌会始」がありました。
・ファン歴4年の中学2年生。お年玉でグッズを2万円分買いました。
・姉と久々に東京に来ました。みゆきさんと同い年の母が帰りのバスにちゃんと乗れるか心配していましたが、僕は41歳です。
・初日おめでとう。教授会をサボり、父の七回忌も早めて来ました。
・フラれたのでヤケクソで山口から車で来ました。気合入れたら何でもできる。幸せになってやる!!
・高校生です。チケットが当たったのでイタリアから帰国し、兄がいる神戸から来ました。アコーディオンの練習中です。
ここで20分の休憩。
みゆきさんは「化けなおしてきます」と下手から退場。
19時55分、ブザー
20時 メンバーが下手から登場、ストリングス、音合わせ。
M9 ミラージュ・ホテル ~舞台中央後方からみゆきさんが登場。右半身がピンク、左半身黒のツートンカラーのワンピース
みゆきさんの後ろにはラックに掛けられたたくさんの衣装。曲終わりでラックの後ろに隠れて衣装チェンジ。
以降、M13まで約30分、「夜会からの美味しいシリーズ」
M10 百九番目の除夜の鐘 : M11 紅い河 : M12 命のリレー : M13 リトル・トーキョー ~曲終わりで早着替え、ラストのドンでみゆきさん、ギリギリ間に合って下手から登場して決めポーズ。
MC 「本当はみんなでやるところを中島がひとり早着替えでやりました。朝、寝過ごして一生懸命、服着替えている気分です」
ここでハプニング。
みゆきさんが「さて・・・」と言ったところで瀬尾さんが音を出し始める合図。
みゆきさんが「まだまだまだ」とストップをかける。音もすぐに止まる。
MC 「次の曲がバレちゃったじゃない。ドラマの主題歌のお仕事をいただくと、だいたい1話、2話の台本いただいたり、台本もないままだったりなんですが、これはすべての台本が倉本聰さんからダンボールでドーンと届いた・・・って話をしようと思ったのよ!!」と瀬尾さんを睨む。
瀬尾さん、顔の前で手刀を切るように謝る。
M14 慕情 ~
メンバー紹介
ドラムス 島村英二
ベース 富倉安生
キーボード 十川ともじ
キーボード&サックス 中村哲
ギター 古川望
ピアノ&キーボード 坂本昌之
コーラス 宮下文一 杉本和世 石田匠(パンフレットでは文さんがギター&ボーカル、あとの二人はボーカル)
ストリングス 歌会ストリングス
コンダクター 瀬尾一三
「ボーカルは中島みゆきです~」
M15 体温 ~
M16 ひまわり”SUNWARD” ~
MC 「4年たってようやくコンサートが実現できましたが、もう最後の曲です。世の中何が起こるかわかりませんが、ここにきてアニソンデビューするとは思いませんでした。今日はただありがたいと思います。」
M17 心音 ~ステージの後ろに「アリスとテレス~」の映像と共に。
下手から退場、メンバーも起立、礼。
アンコール
M18 野ウサギのように ~全身、真っ赤なドレス、サビのところでみゆきさんと和ちゃんが揃って踊る。
アウトロでステージ中央で少女のように踊っていたが、勢いが余ったのかステージ下手まで降りて踊り続ける。
我に返ってステージまで戻り、ペコリとしながらも拍手を要求。
後ろを向いて大きく背伸びをしてから・・・
M19 地上の星 ~
お馴染みのバイオリンソロは圧巻、だがみゆきさん、歌詞間違えた? 大丈夫か? ちょっとワカラナイ。
ラストの高音が少し厳しいか、もう少し、頑張って!!
下手からバ~イと客席に一振りするみゆきさん。
客席の照明が点灯し、帰り支度する観客と同じようにミュージシャンたちも帰りはじめる。
21時4分 終演
後半になるにつれ、情報の詳細があまり紹介できませんでした。
申し訳ありません。
ですが、時間がたってから加筆・修正するかもしれません。
たくさんの情報ゆえに間違いがあると思いますが、そこはお許しください。
感想戦
今回のコンサートの1曲目は「はじめまして」、これは途中中止となった『結果オーライ』のラストの曲。
これは『歌会』との繋がりを強く意識したものだろう。
『結果オーライ』はあのような結果となったが、終わりではなかったのだ。
コンサート中、そのトピックは一切なかったが(新型コロナに対する恨み辛みも当然無く)、しかし2曲目でみゆきさんのこの4年間の葛藤が垣間見れた。(まさに「歌でしか言えない」心境だったのだろう)
その一方で、みゆきさんがこんなに嬉しそうに歌っているのも初めてだ。
コンサートをやりたい、という気持ちがどれほどだったか容易に想像できる。
会場で観たときは全く気付かず、他の方のネタバレで知ったのだが、みゆきさんは終始メガネを掛けていた。
そしてお馴染みの傾斜のあるセンターに立つ、その足はヒールの高い靴ではなくパンプス。
齢70を過ぎて、抗うことができなくなったこともあるだろう。
それを包み隠さず曝け出したところに覚悟を感じる。
大丈夫、公演回数は減らそうともまだ舞台には立つはずだ。
そして何より印象的だったのが照明の多彩さだった。
まるでミュージカルでも観ているようなステージはコンサートと呼ぶにはもったいない。
そうか!
コンサートでもミュージカルでもオペラでもないのが「夜会」なら、コンサートでもミュージカルでもオペラでも「夜会」でもないのが「歌会」だったのではないだろうか・・・
最後までご覧いただきありがとうございました。
初稿 2024年1月20日
加筆 2024年1月21日
修正 2024年1月24日
加筆 2024年2月25日