③刑訴[基本的事項]③2023.3.17 Q206〜309

 

〈第1審公判手続の進行/公判前整理手続に付された事件〉

〈証拠調べ請求の制限〉

[大]〈基〉Q206 検察官及び被告人又は弁護人は、やむを得ない事由によって公判前整理手続において請求できなかったものを除き、公判前整理手続が終わった後には、証拠調べを請求できない。A◯【フォロー/留】316の32① 但し、裁判所が必要と認めるときに、職権で証拠調べを請求できる。316の32②。

 

〈証人尋問〉

[定]Q207 証人。A自ら体験した事実を供述する者をいう。【フォロー】その供述を証言という。

 

[大]〈基〉Q208 原則、何人にも証人適格があるが、その事件の裁判官、裁判所書記官、検察官、弁護人及び被疑者、被告人は証人になれない。A◯【フォロー】143。幼児も証人になること可。

 

[大]〈基〉Q209 証人の供述を明確にするため必要があるときは、裁判所の許可を得て、図面、写真、模型、装置等を利用して尋問できる。A◯【フォロー】規199の12。

 

[大]〈基〉Q210 証人の供述を明確にするため必要があると裁判長の許可を得た書面又は物が証拠調べを終わったものでないときは、相手方に異議のない場合を除いて、あらかじめ相手方に閲覧の機会を与えなければならない。A◯【フォロー】規199の10①、199の11③、199の12②。

 

[大]〈基〉Q220 検察官、被告人又は弁護人は、①証拠調に関し、②それ以外の裁判長の処分に対して、異議を申し立てることができる。A◯【フォロー】309①、②。「証拠調べに関し」とは、証拠調べ手続に関する全ての訴訟行為を指す。

 

〈裁判員裁判/対象事件〉

[大]〈基〉Q221 被告人に裁判員裁判を受けるか否かの選択権は認められていない。A◯【フォロー】被告人に選択権がなくても憲法に違反しない。最判平成24.1.13。

 

〈裁判官と裁判員の権限及び評決〉

[大]〈基〉Q222 裁判員は、裁判官と共に、事実の認定、法令の適用、刑の量定を行うが、法的な専門知識を要する法令の解釈、訴訟手続に関する判断等は、裁判官のみの合議による。A◯【フォロー】裁判員6①②。

 

[大]〈基〉Q223 評決は、裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。A◯【フォロー】裁判員67①。

 

[大]〈基〉Q224 4人の裁判員と1人の裁判官が有罪の意見であれば、有罪の評決をすることができる。A◯

 

[大]〈基〉Q225 6人の裁判員全員が有罪の意見であっても、3人の裁判官が無罪の意見であれば、過半数であっても有罪の評決はできず、無罪の評決をしなければならない。A◯【フォロー/理】裁判員制度は、裁判官と裁判員が協力して裁判の内容を決めるもの。

 

[短]〈基〉Q226 裁判員は、衆議院の選挙権を有する18歳以上の国民のなかから、無作為に選ばれる。A◯【フォロー】20歳→❌(引っ掛け注意)。改正有。令和4年4月1日から施行。

 

[短]〈基〉Q227 裁判員裁判対象事件は、公判前整理手続に必ず付さなければならない。A◯【フォロー】裁判員49。

 

〈証拠〉

[定]Q228 証拠裁判主義。A刑訴法は「事実の認定は証拠による」旨を定めており、これを証拠裁判主義という。【フォロー】317。

 

[趣]Q229 証拠裁判主義の制度趣旨。A歴史的には、占いなどを通じて表現される神意に基づいて事実を認定し、裁判を行うこともかつては行われていた。このような迷信的、非科学的な方法による事実の認定を排除することは趣旨の一つ。

 

〈検察官面前調書〉

[大]〈基〉Q230 裁判所又は裁判官の検証の結果を記載した書面も、無条件で証拠能力が認められる。A◯【フォロー】321②後段。

 

〈捜査機関作成の検証調査〉

[大]〈基〉Q231 検察官、検察事務官、司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その作成者が公判期日において証人尋問を受けて、真正に作成された旨を証言した時に限り、証拠能力が認められる。A◯【フォロー】321③。

 

[文解]Q232 「真正」(321③)。A検証した者がその結果を正確に調書に記載したこと意味する。【フォロー】東京高判平成18.6.13

 

[課]Q233 司法警察員と司法警察職員との違い。A刑訴法上、犯罪捜査の任にあたる警察官を司法警察職員と称する。より強い権限が認められているのが司法警察員。それ以外を司法巡査と呼び区別する。司法警察員は、巡査部長以上の者をいう。

 

[大]〈基〉Q234 任意処分として行う実況見分の結果を記載した書面である実況見分調査も、321条3項にいう検証に包含される。A◯【フォロー】321(被告人以外の者の供述書・供述録取書の供述能力)

 

[大][判]Q235 被疑者や被害者等を立会人として作成された犯行再現実況見分調査では、しばしば、立会人の供述が録取され、その部分が供述証拠的に用いられる場合がある。その場合には、原供述者たる立会人の属性に応じて伝聞例外の要件を充たす必要が生じる。A◯【フォロー】最決平成17.9.27百83

 

[大]〈基〉Q236 裁判所・裁判官の命じた鑑定人が、鑑定の経過及び結果を記載して作成した書面は、作成者たる鑑定人が公判期日において尋問を受けて、真正に作成された旨を証言したときに限り、証拠能力が認められる。A◯【フォロー】321④。

 

[大]〈基〉Q237捜査機関から鑑定を嘱託された、鑑定受託者が作成した書面も、M(精神科医である鑑定受託者)が公判期日において尋問を受けて、真正に作成された旨を証言すれば、鑑定書に準じて321条4項により証拠能力が認められる。A◯【フォロー】223①、321④。最判昭和28.10.15 百A40

 

〈伝聞証拠の証拠能力付与の要件〉

[大]〈基〉Q238 原供述者が被告人以外の者である場合には、321条1項3号の書面の要件を充たせば、証拠能力が認められる。A◯【フォロー】324②。321条1項3号の要件は、供述不能、証拠としての必要不可欠性、絶対的特信状況。

 

〈自白法則の条文上の根拠〉

[大]〈基〉Q239 憲法38条2項を受けて、強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑いのある自白の証拠能力が否定される。A◯【フォロー】自白の証拠能力が認められるためには、任意性が要件。

 

〈裁判〉

[大]〈基〉Q240 判決は、必ず公判廷で宣告しなければならない。A◯【フォロー】342。

 

〈自由心証主義の意義〉

[定]Q241 自由心証主義。A公判廷に顕出された証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねられること。【フォロー】318。

 

〈有罪判決に必要な心証〉

[大][判]Q242 合理的な疑いを挟む余地がない程度の「証明」があるときに有罪判決の宣告が可能となる。その意味は、抽象的な可能性としては反対事実が存在するとの疑いを入れる余地があっても、健全な社会常識に照らして、その疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には、有罪認定を可能とする趣旨とされる。A◯【フォロー】最決平成19.10.16百60。

 

〈余罪と量刑〉

[大]〈実〉Q243 余罪を認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料として考慮し、被告人を重く処罰することは許されないが、被告人の性格、経歴及び犯罪の動機、目的、方法等の情状を認定するのために事情として余罪を考慮することは許される。A◯

 

[大][判]Q244 現住建造物放火罪の量刑において、人の死傷結果を考慮することは法律上当然に予定されているものと解され、その法定刑の枠内で量刑上考慮することは許される。A◯【フォロー】最決平成29.12.19

 

〈即決裁判手続〉

[定]Q245 即決裁判手続。A検察官が、捜査段階で被疑者に手続を理解させるために必要な事項を説明し、被疑者の同意を得てそれを書面で明らかにした上、地裁又は簡裁に対して公訴の提起と同時に書面で申し立てをし、裁判長は、公訴が提起された日からできる限り14日以内に公判期日を定め、冒頭手続で被告人が有罪の陳述をした場合に、簡易公判手続と同様の簡略化された証拠調べを行い、原則、即日判決を言い渡すという制度。

【フォロー】350の16①〜③、350の21、規222の18、350の24、350の28。

 

[大]〈基〉Q246 裁判所は、懲役又は禁錮を言い渡す場合、必ず執行猶予を付けなければならず、判決で示された罪となるべき事実の誤認を理由とする上訴は許されない。A◯【フォロー】403の2、413の2。

 

〈略式手続〉

[大]〈基〉Q247 略式手続とは、検察官が、捜査段階で被疑者に手続を理解させるために必要な事項を説明し、被疑者に異議がないことを確認してそれを書面で明らかにした上、簡裁に対して公判の提起と同時に書面で申し立てをし、簡裁は、公判手続を開かずに書面審理をして、略式命令で100万円以下の罰金又は科料を言い渡すことができる。A◯【フォロー】461、461の2、462。執行猶予を付すことも可。

 

[大]〈基〉Q248 正式裁判の請求があった場合、正式な公判手続が行われ、その結果判決が宣告されれば先に告知された略式命令は効力を失う。A◯【フォロー】469。

 

[大]〈基〉Q249 正式裁判の請求期間が経過するか、正式裁判の請求が取り下げられれば、略式命令は確定判決と同一の効力を生ずる。A◯【フォロー】466、470。

 

[定]Q250 形式的確定力。A裁判が上訴審で取消しや変更ができなくなる効力のことをいう。

 

〈一事不再理効〉

[定]Q251 一事不再理効。A337条1号は、確定判決を経たときには、判決で免訴の言い渡しをしなければならないと定め、既に確定判決を経た事件について再度公訴提起があったとしても、免訴によって手続を打ち切ることを予定している。このように、確定裁判の対象になった事件と同一の事件について、再び公訴提起や審理をすることは許されないという効力をいう。【フォロー/通説】一度訴追の危険に晒された者は二度と同じ危険に晒されることはないという二重の危険の禁止に基づく政策的なものと解する二重の危険説が通説。

 

〈一事不再理効の発生原因〉

[定]Q252 一事不再理効は、①無罪判決では発生する、②公訴棄却の判決・決定では発生しない、③免訴の判決では発生する。A◯

 

〈上訴の意義〉

[定]Q253上訴。A未確定の裁判に対する上訴裁判所への不服申し立て。

 

[定]Q254 即時抗告。A法律上明文の規定がある場合にのみ不服の申し立てが認められる。

 

[大]〈基〉Q255 即時抗告が認められるものとして、移送に関する決定、証拠開示に関する裁定、公訴棄却の決定、再審請求に関する決定などがある。A◯【フォロー】19③、316の25③、316の26③、450、339②、375、463の2③。

 

[大]〈基〉Q256 簡易裁判所の裁判官が第1回公判期日前にした勾留決定等の命令に対しては管轄地方裁判所に準抗告できる。A◯

 

[大]〈基〉Q257 特別抗告は、刑訴法によって不服申し立てが認められていない決定又は命令に対し、405条に規定する憲法違反又は判例違反を理由とする場合に限り、特に最高裁への抗告を許すものである。A◯【フォロー】405(上告を許す判決・上告申立ての理由)

 

〈上訴権者〉

 

[大]〈基〉Q258上訴は裁判に対する不服の申立てであるから、上訴権者は裁判を受けた者である。A◯

 

[大]〈基〉Q259 判決に対する上訴権者は、検察官、被告人である。A◯【フォロー】351。

 

[大]〈基〉Q260 決定に対する上訴権者は、検察官、被告人に加えて決定を受けた者、例えば科料の決定を受けた証人などである。A◯【フォロー】150、160、352。

 

[大]〈基〉Q261 原審弁護人は、被告人のため上訴をすることができるが、被告人の明示の意思に反することはできない。A◯【フォロー】356。

 

〈上訴の利益〉

[大]〈基〉Q262 被告人は、自らの裁判に対して不服がある場合、すなわち上訴の利益がある場合だけ上訴できる。A◯

 

[大]〈基〉Q263 被告人が自分にとって不利益な上訴をすること、例えば、無罪判決に対して有罪を求めたり、軽い罪の認定に対して重い罪の認定を求めて上訴することは許されず、不適法な上訴として決定により却下される。A◯【フォロー】385①、414。

 

〈上訴の申立てとその効力〉

[大]〈基〉Q264 上訴の申立ては、上告提起期間内に上訴裁判所宛ての申立書を原裁判所に差し出さなければならない。A◯【フォロー】控訴374、上告414、抗告423。

 

[大]〈基〉Q265 上訴の申立てによって、裁判の確定と執行が停止され、訴訟係属が上訴審に移転する。A◯【フォロー】停止の効力、移審の効力。

 

[大]〈基〉Q266 通常抗告については、原則、停止の効果がない。A◯【フォロー】421①。

 

〈上訴権の放棄、消滅、回復〉

[大]〈基〉Q267 死刑又は無期懲役・禁錮の判決に対する上訴には、放棄できない。A◯【フォロー】361。

 

[大]〈基〉Q268 上訴の放棄・取り下げをした者、あるいは同意した被告人は、その事件についてさらに上訴できない。A◯【フォロー】361。

 

[大]〈基〉Q269 上訴期間は、控訴・上告が14日以内、即時抗告は3日以内、特別抗告は5日以内である。A◯【フォロー】373、414、422、433②。通常抗告は、実益がある限りいつでもできる。421。

 

〈移審の効力と一部上訴〉

[大]〈基〉Q270 上訴による移審の効力は原裁判の全部について生じるから、一個の裁判であればその全部が移審するのが原則である。A◯

 

[大]〈基〉Q271 一部上訴、すなわち、裁判の主文の一部に対する上訴も認められているが、これは主文が複数の場合に例外的に認められているに過ぎず、主文が1つであれば一部上訴はできない。A◯【フォロー】357。

 

〈不利益変更禁止の原則〉

[大]〈基〉Q272 被告人が控訴・上告し、又は被告人のために控訴・上告された事件については、原判決の刑よりも重い刑を言い渡すことができない。A◯【フォロー】402、414。

 

〈控訴〉

[大]〈基〉Q273 第1審判決後に生じた事実は、例外的にやむを得ない事由があった場合にしか援用できない。A◯【フォロー】382の2。

 

[大]〈基〉Q274 第1審判決後の量刑に影響を及ぼす情状については、裁判の具体的妥当性を図るため、必要があると認めるとき控訴裁判所が職権で取調べることができる。A【フォロー】393②。

 

〈控訴審における事実誤認の審査〉

[大]〈基〉Q275 第1審判決の事実認定が論理則、経験則等に照らして不合理であることを具体的に示すことが必要である。A◯

 

〈控訴審の手続〉

[大]〈基〉Q276 被告人には出頭する権利があるから、公判期日には被告人を召喚しなければならない。A◯【フォロー】404による273②準用。

 

〈攻防対象論〉

[定]Q277 攻防対象論。A当事者間において、攻防の対象から外されたとみることができるとして、控訴審が無罪部分を職権調査してすることはできないと判断すること。

 

[大]〈基〉Q278 賭博開帳図利の共同正犯の本位的訴因に対して第1審判決が幇助犯の予備的訴因を認定し、被告人のみが控訴した事案において、控訴裁判所が共同正犯の訴因を認定した上、不利益変更禁止の原則により第1審判決と同じ刑を言い渡したところ、共同正犯の訴因は当事者間において攻防の対象から外されていると解するのが相当で、共同正犯の訴因は当事者間おいて攻防の対象から外されていたものと解するのが相当で、共同正犯の訴因について調査を加えて有罪の自判をしたことは職権の発動として許されず違法となる。A◯【フォロー】最決平成25.3.5百99

 

[大][判]Q279 無罪を言い渡した第1審判決を破棄して有罪を自判するような場合には、直接主義・口頭主義の要請から新たな証拠調べをする必要がある。A◯【フォロー】最大判昭和31.7.18百A52。

 

〈上告審の裁判〉

[大]〈基〉Q280 上告審の審判には、特別の定めがある場合をのぞいて、控訴審に関する規定が準用される。A◯【フォロー】414。

 

[大]〈基〉Q281 上告審では、必要があれば控訴審と同様に事実の取調べをすることができる。A◯【フォロー】393①。

 

[大]〈基〉Q282 上告審も控訴審と同様に事後審である上、法律上の問題のみを審理する法律審であるから、審理は第1審、第2審の記録の調査を中心とした書面審理である。A◯

 

[大]〈基〉Q283 最高裁で公判期日が開かれて弁論が行われるのは、原判決で死刑を言い渡されている重大な事件や、原判決破棄のある可能性がある事件など、例外的な場合に限られている。A◯【フォロー】上告裁判所の裁判は、大別すると上告棄却と原判決破棄に分けられる。

 

〈抗告・準抗告〉

[大]〈基〉Q284 逮捕に関する裁判は429条1項1号の準抗告の対象にならない。A◯【フォロー/理】429条1項1号は、勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判としている。

 

[大]〈基〉Q285 被疑者勾留に対する準抗告をすれば、逮捕手続の違法も審査され、それが重大であれば勾留請求も違法であったとして却下されることがあり得る。A◯

 

〈再審〉

[大]〈基〉Q286 検察官以外の者は、再審請求をする場合に弁護人を選任することができる。A◯【フォロー】440。

 

[大]〈基〉Q287 再審請求棄却決定あるいは再審開始決定には即時抗告ができるが、再審開始決定が確定すれば、裁判所はその審級に従ってさらに審判(再審公判)をすることになる。A◯【フォロー】451①。

 

[大]〈基〉Q288 再審の結果、新たに判決が確定すれば、再審請求の対象となった確定判決は当然に失効する。A◯

 

〈証人尋問における保護〉

[大]〈基〉Q289 付添い・遮蔽の措置については、証人に対するものであるからの、対象になるのは被害者に限られない。A◯【フォロー】目的者となった子供等も対象となる。

 

〈公判手続における措置〉

[大]〈基〉Q290 性犯罪にほか、被害者等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあるとき、被害者等に加害行為等がなされるおそれがあるときは、起訴状の朗読、証拠書類の朗読及び判決の宣告等において、被害者特定事項を明らかにしない方法で行うことができる。A◯【フォロー】平成19年改正。290の2、291②、305③、規35③。

 

[大]〈基〉Q291 目撃者を含む証人等に対して加害行為等のおそれがあるとき、証人等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあるときには、証人等特定事項についても、起訴状朗読及び証拠書類の朗読において、明らかにしない方法で行うことができる。A◯【フォロー】290の3、291③、305④。

 

〈被害に関する心情その他の意見陳述〉

[大]〈基〉Q292 心情等に関する意見陳述ができるのは被害者等及び被疑者の法定代理人である。A◯【フォロー】292の2①。

 

〈被害参加制度〉

[大]〈基〉Q293 参加を許されるは、被疑者等だけではなく、被疑者の法定代理人も含まれる。A◯

 

[大]〈基〉Q294 被疑者参加が許されるのは、個人の尊厳の根幹をなす人の生命、身体又は自由を害する罪の事件に限られる。A◯【フォロー】316の33①1号〜3号。

 

[短]〈修〉Q295 被害者参加人は、裁判所の許可を得て、公判前整理手続に出席できる。A×【フォロー/理】出席不可。被疑者参加人に出席が認められているのは公判期日。

 

[大]〈基〉Q296 被疑者参加人にも付添い、遮蔽措置をとることができる。A◯

 

〈検察官への意見申述権(316の35)〉

[大]〈基〉Q297 検察官は、傷害致死の事件で被疑者参加人等が殺人への訴因変更を希望したとき、殺意を立証する証拠がないことを十分に説明する必要がある。A◯

 

〈証人尋問(316の36)〉

[大]〈基〉Q298 被疑者参加人等が証人に尋問できるのは、情状に関する事項について証人が行った供述の証明力を争うために必要な事項に限られる。A◯

 

[大]〈例〉Q299 被告人の情状証人となった被告人の親が、弁護人からの主尋問に対し、「被告人は深く反省している。被害者に何回も謝罪して誠意を尽くしている」などと証言したとき、被害者参加人等がその証言の証明力を争うために「被告人は全く謝罪に来ていないがいつ来たのか」などと尋問することが想定される。A◯

 

[大]〈例〉Q300 被告人の親が、「被告人は殺すつもりはなかったと言っていた」などと被告人の殺意について証言したときは、犯罪事実に関する事項に当たることから、仮にその証言の証明力を争うためであっても、被害者参加人等が証人を尋問することは認められない。A◯

 

[大]〈基〉Q301 被害者参加人による証人尋問の申出は、検察官による尋問の終了後、まず、検察官にしなければならない。A◯

 

[大]〈基〉Q302 検察官は、自ら尋問する場合を除き、意見を付して裁判所に通知する。A◯

 

[大]〈基〉Q303 裁判所は、被告人又は弁護人の意見を聞き、審理の状況等を考慮して、申出をした者に尋問を許可する。裁判所の許可がなければ証人を尋問することはできない。A◯

 

〈被告人質問〉

[大]〈基〉Q304 被害者参加人等が被告人に質問できるのは、意見陳述をするために必要な場合である。この意見陳述には、心情等に関する意見陳述の他、事実及び法律の適用についての意見陳述を含む。A◯【フォロー】316の37

 

[短]〈基〉Q305被害者参加人が、被告人に対し、傷害致死事件で、殺意を立証するための質問をすることはできない。A◯

 

〈事実及び法律の適用についての意見陳述(316の38)

[大]〈基〉Q306 被害者参加人等は、検察官が指定した範囲内で、犯罪事実及び法律の適用について意見を述べることができる。A◯

 

[大]〈基〉Q307 検察官が傷害致死の訴因を認定しているのに、殺人を前提とした意見陳述をすることはできない。A◯

 

〈即決裁判手続制度(360の16以下)〉

[大]〈基〉Q308 即決裁判手続の申立てが却下された場合には、検察官は即決裁判手続の公訴を取り消し、再捜査をした上で、再度の公訴を提起できることになった。A◯【フォロー】平成28年改正。350の26。

 

〈証拠開示制度と公判前整理手続/取調べと被害者の防御〉

[大]〈基〉Q309 検察官が自白調書の証拠調べを請求する際には、取調べの録音・録画の記録媒体の証拠調べをしなければならない。A◯【フォロー】301の2。