誠龍です。
心が乱れたとき、 私たちはつい、心を何とかしようとしてしまいます。 不安を消そうとする。 怒りを抑えようとする。 前向きになろうとする。 強い自分になろうとする。 けれど、そうしようとすればするほど、 心はかえって固くなってしまうことがあります。 龍気の道では、 心を無理に変えようとはしません。 私が大切にしているのは、 整えるとは、良くしようとしないこと。 そして、 本来の位置に戻ること。 これは、龍気の道の考え方です。 ただし、考え方だけでは、 本当に心が乱れているときには間に合わないことがあります。 頭ではわかっていても、 不安が強いとき、 怒りが出ているとき、 焦っているとき、 人はなかなか落ち着けません。 だからこそ、 心が乱れたときにすぐできる、 具体的な応急処置が必要になります。 私が行っている方法は、とてもシンプルです。 心を整える応急処置 まず、姿勢を無理に正そうとせず、 そのまま立つか、座ります。 そして、意識を天に置きます。 頭の中の考えごと、 目の前の問題、 相手の言葉、 自分の不安。 そこに意識を置き続けるのではなく、 頭の少し上、空、天のほうへ、 ふっと意識を広げます。 次に、静かに息を吐きます。 私の場合は、 鼻から細く、長く、静かに吐くようにしています。 強く吐こうとしなくていい。 深呼吸をうまくやろうとしなくていい。 ただ、静かに吐きます。 息を吐きながら、 体の重みを下に戻します。 肩から胸へ。 胸からお腹へ。 お腹から腰へ。 腰から足の裏へ。 頭に上がっていた氣を、 少しずつ下へ戻していくような感覚です。 このとき、 「落ち着こう」と頑張りすぎないことが大切です。 落ち着こうとする力みが、 また心を固くしてしまうからです。 ただ、やることは三つだけです。 意識は天へ。 息は静かに吐く。 重みは下へ。 これを数回くり返します。 すると、心を無理に変えようとしなくても、 頭に上がっていたものが少し下がり、 自分の中心に戻ってくる感覚が生まれます。 これは考え方ではなく、応急処置である この方法は、 人生を一気に変えるための大きな理論ではありません。 怒りが出たとき。 不安が出たとき。 焦りで頭がいっぱいになったとき。 人の言葉に振り回されそうになったとき。 その場で自分を失わないための、 小さな応急処置です。 薬のように、 一瞬で全部が消えるわけではありません。 けれど、 自分の中心から完全に外れてしまう前に、 ほんの少し戻ることができます。 その少しが、とても大切なのです。 心を整えるとは、 心を支配することではありません。 心が乱れたときに、 自分を責めることでもありません。 ただ、 天に意識を置き、 静かに息を吐き、 重みを下に戻す。 それだけで、 人は本来の位置に少し戻ることができます。 龍気の道では、 この小さな戻り方を大切にしています。 大きく変わろうとしなくていい。 強くなろうとしなくていい。 まずは、自分を失わないこと。 そのための応急処置として、 私はこの方法を伝えていきたいと思っています。 龍気の実践 心が乱れたら、まず三つ。 意識は天へ。 息は静かに吐く。 重みは下へ。 整えるとは、 良くしようとすることではない。 乱れた自分を責めず、 本来の位置に、静かに戻ること。