声優を目指す人にとって、良い発声練習は非常に重要です。声優は、自分の声をしっかりと制御して表現することが求められます。簡単な発声練習をいくつか実践することで、誰でも自分の声を改善することができます。
まずは、正しい姿勢で立つところから始めましょう。足の幅は、踵の間を拳ひとつ分くらい開きます。つま先は少し外向きにすることでより安定します。そして、重心は足の裏に均等にかかるようにします。肩は張りすぎず、丸め過ぎないようにし、腕もリラックスした状態にするために身体の横に自然におろしておきます。背筋は、頭のてっぺんから天井に吊るされているようなイメージです。真っすぐが難しい場合は、壁に背面をつけてみると感覚を掴みやすいでしょう。その時、腰のカーブは手のひら一枚分が入るくらいが望ましいです。
続いて、呼吸法を身につけましょう。呼吸法は、声を出すために必要不可欠な要素です。深呼吸をし、吐く時には腹筋を使って力強く息を吐き出すことを意識してください。お腹を使って呼吸をすることを「腹式呼吸」と言います。腹式呼吸ができているか分からない場合は、床に寝転がって呼吸をすることで自然と腹式呼吸になります。立った状態でも同じように呼吸できるように練習を繰り返すことで、自然な呼吸を身につけることができます。
次に、声帯を温める練習を行いましょう。声帯を温めることで、声が出やすくなり、滑舌やイントネーションも改善されます。声帯を温める簡単な方法は、口を閉じて“ん”と息の続く限り唸ることです。あごを下げ、喉を緩めて声を出すようにすると効果的です。あわせてストレッチをすると身体も温まります。音が出にくい時は、ゆっくりと顔を左右に向けて首・喉周りの筋肉もほぐすと不要な力が抜けて声が出やすくなります。また、低い音から高い音までを繰り返し発声することも声帯を温めるために効果的です。
その後は、発声練習を実践してみましょう。最初は声を出すことに集中し、徐々に声の質や音程を意識するようになっていきます。具体的な発声練習としては、以下のようなものがあります。
・“あ・い・う・え・お”を一音一音ゆっくりと発声する
・“あいうえお”を話す速さで発声する
・裏声にならない限界の高さで“あいうえお”を発声する
・きちんと音になる低さで“あいうえお”を発声する
・高音と低音を一音ずつ交互に“あ・い・う・え・お”と発声する
これらの練習を繰り返すことで、発声も安定するとともに、徐々に滑舌も改善されていくでしょう。高音低音の練習は、話す際の声の抑揚を自然とつけられるようになり、セリフや朗読、ナレーション、フリートークなど様々な分野で活きていきます。
最後に、発声練習を行う際にはじめは簡単な発声練習から始め、少しずつレベルアップしていくことが大切です。本格的な練習を行う場合は、一度ボイストレーニングなどに通うのも手です。プロの目線でしっかりと指導してもらえますので、自身のレベルアップに繋がります。
また、継続的に練習することで、発声力や表現力が向上するので、毎日少しずつでも練習することを心がけましょう。ただし、無理なく続けることが重要です。間違った方法で無理な発声をすると喉を壊してしまうこともあります。また、発声練習の前後には、のどを潤すために水分を十分にとり、のどを温めるためにストレッチや軽い運動をするとよいでしょう。そして、発声練習は声帯に負担がかかるため、やりすぎず適度な休息を取ることも必要です。
声優になるためには、日頃からの正しい発声法や呼吸法、アクセントの学習も欠かせません。継続的に努力を重ね、自分の声をより魅力的なものにしていきましょう。