東大の入試国語で、今年初めて!のことがあり、駿台の霜先生はいたくコーフンしていらっしゃいましたーが。さて。何かと言いますと。
現代文の問題が二問とも、つまりは論理的文章のほうも文学的文章のほうも、女性の書き手によるものだったんですね。ブンガクのほうは今までにもあったけれど、論理のほうは初めて、というわけで。「東大もようやく女性(の文章)の論理(性)を認めた…!」という霜先生の言い方はちょっとどうかと思ってしまったけれど、まあそういうことではあるんだろう。
ちなみにその、初の女性による「論理的」文章は、文化人類学の研究者の手になるもので、いや〜日本人女性でこーいうフィールドワークやるのか、すごいな、と思いながらおもしろく読んだわたくしせいよう(女性)ではありました。
霜先生はまた、最近の駿台模試で「ちゃんと」文化人類学の文章を出してました(エッヘン!)とか言っていらして、そっか〜予備校の人って問題予想とかもしなきゃいけないのね大変(かわいそう)、などとも思ってしまった次第。
受験生に対してもそのあたり、(問題予想とまでいかずとも)最新の研究動向などにも触れておく必要があるから、少なくとも新聞くらいちゃんと読むように、みたいにアドバイスされることがあるけど、大人(キョーイン)にも難しいんだからそんなこと。なかなかできるものではないよね。ーじゃあどうするか。
東大の過去問を数年分やってみたり、ガッコウの教科書やら問題集やらで触れる文章もできるだけ興味関心をかき立てながら読んでみたり、あといいのはセンター過去問の第一問ですね。とにかく、ああ大学の研究レベルで読むことになるような現代日本語の文章って、本って、結構おもしろいな、今の自分にもちょっと引っかかるとこあるな、って、そういう感じで日々の受験勉強に取り組んでいくのがいいように思います。アンテナ、感度を高くね。
ちなみにここ数年でわたしが一番いいなあと思っている書き手は、最大に敬愛するマイ・レジェンド内田樹を除けば、「言語の本質」の今井むつみ。それから、ちょっと(だいぶ)軽くはあるけど、「言語学バーリ・トゥード」の川添愛、なんかどうでしょーか。奇しくも、どっちも女性ですけど!
でもまあ、どちらの方も、ヒジョーに文章、分かりやすいんですよね。東大国語の第一問には向かないかも。
となると、果たして東大国語の第一問に選ばれる文章って、「論理性」を重んじてのものなのかな?…ってギモンが、湧いてきますよね。文章がそもそも分かりにくいから(究極を言うと、悪文だから)、「どういうことか、説明」が必要になる、っていう。
ってゆーか、これは(こうして「論理国語」と「文学国語」って言葉を使って東大国語の話をせざるを得なくなっちゃってるのは)、東大が悪いんじゃなくて、国語の新カリキュラム作った文科省が悪いんだ!…と、わたしは思うけどね。
「女性の論理」って言い方をした霜先生が悪いんじゃなくて。
なんかまとまらなくなってきた。
次は東大国語が世間に与える影響について(なんかそう書くと重いけどそこまで重くない)。
by東北・宮沢賢治の旅から帰ってきたばかり、賢治への感動冷めやらぬせいよう