9月10日。

気づくと日没が早くなっていた。
まだ夏日も残るものの、日が落ちると涼しい風が吹くようになった。
最低気温も25℃を下回り、おおよそ二ヶ月ほど続いた熱帯夜とも、ようやくオサラバだ。
予報によれば、来週くらいからは日中もエアコン無しで過ごせそう。
このことで、前腕部の冷えが軽減されるとイイのだが···

久しぶりにクラブを振った。
コロナ禍、右手の故障、熱中症など、諸々の健康不安を払拭できず、練習場から足が遠退いて二ヶ月ほどになる。
この間、ストレッチや軽度の筋トレ、素振りは欠かさなかったものの、インパクト時のタマ捕らえの感覚は鈍るばかり···
練習をサボったツケから逃れたいという気持ちが、練習場に向かう足どりを一層重くしていた。
近頃、体力的衰えは勿論だが、精神的な部分での踏ん張りが効かない。
反骨心は形骸化し、情熱は希薄になるばかり。
─『ヘタレのポンコツじじい』めっ!
そんな風に自分をなじってみるが、どこか他人事。
どうやって自分を奮い立たせるか、今も思案中だ。

丁寧なスイングを心がけたせいだろうか?
ショットはおおむね好調だった。
方向性に難があるものの、高さ、距離とも好調時のショットを得ることができた。
自粛中に当たりをつけたスイングの問題点は、的を射たものだったようだ。
─悪癖を取り除くには、ブランクも必要なのかも知れない···
サボりの言い訳にそんなことを思った。
だが、···
球数を重ね、長い番手を打ち続けるうち、次第に調子が悪くなってくる。
修整を試みるが、長い番手では満足ゆくショットが得られないまま練習を打ち切った。

帰り道、さっきまでのスイングを反芻するうち問題点に気づく。
切り返しのタイミングが早い。
タメが作れず、上体が突っ込み手打ちの状態になっている。
悪癖の再現だ。
ほんの数カ月ほどのブランクで自然消滅するはずもない···
それは仕方ないとしても、何故そのことに直ぐ気づけないのか?
この課題がクリアできずに既に十数年が経つ。
─つくづく才能が無いなぁ···
そんなことをボヤく身に、秋の夜風がしみた。