おおよそ一通りのことに諦めがつき、これからのことに少し前向きになれるようになった今日この頃···
年始から旧友等と交わる機会も多く、良い意味での刺激を受けることができた。
ストレッチや練習も欠かすことなく続けるうち、身体のサビ落しも少し進展したように感じている。
曖昧だったスイングも、イメージが明確になり安定しつつある。
おかげで体調は良好で、そのことが精神の安定を生む好循環が続いていた。

そんな矢先のこと···

先週の土曜日深夜、職場で作業中に悪寒に襲われる。
職場が近ければ早退したいほどだったが、公共の交通機関が利用できない時間帯ではままならず、退勤時間までやり過ごすしかなかった。
幸いなことにそれ以上体調が悪化することはなく、作業を一通りこなし帰宅することができた。
検温すると平熱より0.5℃ほど高い。
そのせいか全身の倦怠感が酷い。
日曜日で病院にも行けず、常備してあった市販の風邪薬を服用して仮眠。
夕方になり、出勤準備のためベッドから這い出て検温すると、朝より0.2℃ほど高い。
倦怠感も相変わらずだ。
職場に欠勤の連絡をして、食事もそこそこに就寝。

翌朝、少し寝坊して起床。
検温すると平熱より0.3℃高い。
病院の開院を待って診察を受ける。
医師の診察は期待外れだった。
「『副鼻腔炎』の疑いあり··· 」
問診と喉の様子を診ただけで、鼻炎の薬を処方された。
薬の服用で改善しない場合は、耳鼻咽喉科を受診するようにとのこと。
─いくら専門外でも冷たくないか?
少し腹が立っていた。

帰宅し、すぐに薬を服用。
食事を済ませ、ベッドに潜り込む。
夕方になっても改善しないので、職場に欠勤の連絡をし、再び薬を服用し早目に就寝。

薬のせいかよく眠れる。
起床すると鼻水の色質に変化はあったものの、体調は相変わらずだ。
体温は0.3〜0.8℃高い状態を行ったり来たりしている。
当然のように倦怠感は酷い。
夕方まで悶々としていたが、状態は一向に改善しない。
職場に向かう準備をしてから、別の医院で診察を受けるため、早目に自宅を後にした。

向かった医院は信頼感の強いクリニックだ。
転居したばかりの頃、妹からの紹介で何度かお世話になったところだが、少し離れたところにあり通院に時間がかかる。
しかも、評判が良いせいかいつも混んでいて、待ち時間もかなりなものだ。
そんなこんなで、イザという時にしか利用しないのだが、今回はそんな気持ちになっていた。

幸いなことに、この日は30分ほどの待ち時間で受診することができた。
診断は、やはり『副鼻腔炎』···
だが、炎症を取り除く処方箋を出してくれた。
処方薬を受け取り時間を確認すると、すでに出勤時間ギリギリ。
体調は酷いままだ。
連絡をし、欠勤することにした。

翌朝···
目覚めると、倦怠感はウソのように消えていた。
前夜服用した薬が効いたらしい。
多少の微熱は残るものの、体調は快方に向かっていることが実感できた。
一通りストレッチを済ませ、身体が動かせそうだったので練習場に向かう。
さすがに身体のキレが悪く、故障の心配があったので球数を抑えたが、ウェッジからドライバーまで一通りの練習をすることが出来た。

『副鼻腔炎』···
聞き馴染みのある病名だが、あまりよく分かっていない。
ネットで調べてみると、自分の認識の甘さに気づかされた。
このまま治癒しないようなら、やはり専門医に診てもらわなければと思う。

自分なりの憶測だが···
どうして今回の事態を招くことになったのか?

昨年、秋口に入った頃から花粉症に似た症状がでていた。
─いよいよスギ以外にも反応するようになったか?
そんなことをボンヤリ思ったが、症状が軽かったのでそのままにしていた。
そのツケがこうした形で巡って来たような気がする。
まさに自業自得なのだ。

そんなことを考えながら、ふっと思った。
─それにしても···
 なんてドタバタ騒ぎだ···
滑稽だった。
苦笑いばかりがこみ上げてくる。
普段、達観している風を装っているものの、一皮剥けばこの有様だ。
何も見通せてないし、何の覚悟も無い。
─無様だ···
自身を覆うメッキが、また一つ剥がれたのを見た気がした。