出足の遅いことを天候のせいにしているが、実際はそうじゃない。
自分のヘボさを思い知るのが嫌なだけ。
だが、実際に球を打ってみなければ何も分からないので、微かな希望を胸にノロノロと練習場に向かう。
右脇の締めと股関節の動きに注意しながら打ち始める。
最初の十球くらいはぎこちなく、上下の動きがシンクロしない。
クラブをウェッジに替え更にショットするうち、次第に良いボールが出るようになってきた。
どうやら改善の方向は間違ってないらしい。
時々姿を現す、染みついた悪癖と格闘しながら、何とかアイアンを打ち終えるが、ドライバーにチェンジしたところでまた停滞。
チーピン、プッシュアウト、ハーフトップ···
ありとあらゆるミスを連発し、ようやく球の方向性だけは確保出来るようになったが、高さと距離が足りない。
─シャフトが合ってないのかなぁ···
これもいつもの常套句。
思い通りにいかない時の安易な要因転嫁だ。
─合ってないにしたって、もうちょっとマトモな球が打ててるはず。
距離は別としても、ロフト10°であの高さはない···
─今日、納得出来る球はどれほど打てたんだろう?
練習場から自宅に戻る道すがら考えた。
どうもハッキリしない。
─次からはちゃんとカウントしないと。
もう何年もやってる割に、曖昧な把握しかしていない自分に腹が立った。