技術編「メンバーの動かし方シリーズ」第2回目「チームを動かすために必要なリーダーの7つの役割」 | 清話会

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小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ (19)

【プレイングマネージャーの技術編 「メンバーの動かし方シリーズ」 全4回】
第2回目「チームを動かすために必要なリーダーの7つの役割」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
 

チームリーダーはチームに対し、目指すべき目標、進むべき方向性を考え示す役割があります。
そして、立てた目標を達成するために何をすべきかをメンバー全員で考え、達成するための条件を整備し、それを実践し成果を出していく事が大きな役割です。

チームリーダーの役割として重要な点は次の7点であります。

1.方向性を立てる機能(向かうべき方向と目標を立案する)
チームが何のために、何を目指して、どのような方向性でいくのかという進むべき方向とその目標を提示する役割があります。

つまり、会社方針、自部門の方針、目標、そしてそのやり方をどうするのかを立案しなければなりません。チームの羅針盤をつくることです。

2.知らせべき
る機能(向かう方向と目標を提示する)
メンバーに対して会社方針・自部門の方針・目標・手順そして、そのための課題を自分の考えとして、きちんと明示し、積極的に語りかけることです。

知らせる機能の重要な点は教えることではありません。メンバー一人ひとりに理解させ、意識させること。そしてチームの全員で共有化することです。それによってメンバーは、自分の仕事の位置づけ、役割を一つひとつ確認し、意味づけることが可能になります。目的・目標・課題の共有化を図ることです。

3.巻き込む機能(全社員で目標に向けてチャレンジする)
立案した目的・目標を達成するために全社員で考え、工夫し、実践していくことです。メンバーを参画させることがポイントとなります。

参画とは自らが考え、判断し、行動することです。メンバーとのベクトル合わせ、判断基準の刷り合わせを怠らないことです。仕事の目標が決まったら、チームリーダーは「どのようにやるか」という戦術をメンバーに示さなければならない。ただ単に「目標をやれ」だけなら、チームに知恵・工夫は生まれず、全体の生産性向上につながりません。

また、途中経過や進捗状況についてもオープンにして、どんな状況でもメンバーの衆知を集めて乗り切ることです。
メンバーの納得があって、成果の出る行動につながります。

4.指示命令機能(各メンバーに役割をやらせる)

チームの目標を達成するために、各メンバーの役割に応じた行動を指示命令することです。指示命令は願望ではありません。本質的には「~をしてください」ではなく、「~をしろ」となります。

業績をつくるためにやるべきことは、多数あります。しかし、優先順位を決めて、真の行動予定(日時を決める)を組んでいるメンバーは、ほとんどいないのが現実です。キチンとやるべきことを行動予定に組ませることは最大の指示命令事項です。つまり、決めたことをやらせていくことです。また、チームリーダーがメンバーに対して指示命令があるならば、メンバーがチームリーダーに協力してもらいたいこともあると考えたほうがよいでしょう。

チームリーダーは協力者です。相手と同じ立場に立って感じ、考えることです。このために必要なのは聞く能力です。

5.価値観を共有化させる機能(コミュニケーション)
メンバーに価値観の共有化を図るのはチームリーダーの役割です。職場のコミュニケーションには、価値観を共有化させる土俵づくりが必要です。

共有化させる土俵とは、場・状況・情報の共有による問題意識の共有化であります。考えるとき、実践していくときに、常にベクトルを合わせることが不可欠となります。

価値観の共有とは、意識の共有・情報の共有・スキルの共有・成功体験の共有、ルール基準です。また特定の人にしか見えなかった問題点をチーム共通の問題としていくことも重要です。

価値観とは考え方・判断の仕方を言葉にしたものです。他人様の集団を束ねるためには絶対不可欠な要素であり、この木の根っこが崩れるとチームは崩壊します。

6.業績推進機能(目標を達成させていく推進者)

チームには目標があります。その目標に対する業績責任者はチームリーダーです。目標とは生き残るための条件です。できたらやりたいことは願望。会社が継続して栄え、働く社員が豊かになるために、やらなければならないことが目標です。

リーダーは、業績づくりのために人を動かすことに注力し、決めたことを自ら行い、メンバーに行なわせるのがその職務です。

また、リーダーは相談を受けるのみではなく、判断をする人でもあります。判断をする人とは、状況を正しく把握し、現状のチーム力での最善の方法は何かを創造していくことです。そのためには日常から先に対しての今やるべきことを考え、手を打つことです。

忙しがっているリーダーほど、目の前のことに追われ、先への対策が打てていません。そうなると貧すれば鈍になるだけで、悪循環に陥ります。

業績の責任者はリーダーです。しかし、一人で業績を上げてくれとはいっておりません。プレイングマネージャーだけでやろうとしても無理です。チーム全員でやっていくプレイングマネージメント体制が必要です。

7.環境整備機能(チームを運営しやすくする)
チームを運営しやすくするためには、環境を整備することです。環境整備とは社会生活で必要なインフラを整備することと同じです。電気、水道、道路等のインフラ整備があるから、安心して生活が送れます。人を動かすためには最低必要な仕組みをつくること。そして習慣化させることで人の動きに変化が出ます。

人材教育でも自社・自チームで働く上で必要な価値観をわかりやすくまとめる。この仕事ができるようになるためには、どのような知識・技術が必要か? それはどのようにすれば習得できるかをパターン化していく。

環境整備とはメンバーがチームの一員として働きやすくする方法です。これに着手しないと、サブリーダーはチーム運営のサポートはできませんし、チームメンバーの成長は遅くなります。

どうしても、業績に目が行きがちですが、真の意味で業績をあげようとしたら、環境整備が近道です。


(続く)

 

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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/
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         筆者 小池浩二氏が
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