【技術編 教育シリーズ全4回】第4回目「21世紀に合わせた教育スタイル」 | 清話会

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小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ (13)

【プレイングマネージャーの技術編 教育シリーズ 全4回】
第4回目「21世紀に合わせた教育スタイル」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■仕事の基準を見せる

現在の成熟・縮小社会では、仕事の難易度が高度化になっており、ルーチンワークの仕事が減り、初めて対応する仕事が増えています。
その影響として、【仕事は盗んで覚えなさい理論】が適用しにくい流れがあります。

勿論、マニュアル=仕事の基準で対応できるのは基礎的業務であり、それ以上の仕事=付加価値を獲得する仕事にマニュアルは通用しません。
しかしこの基礎力は、成熟・縮小社会でないがしろにされていること(目の前の業績に追われすぎて……)も事実です。

マニュアルの受け止め方は、35歳以下は【資料】と受け止め、ベテラン社員は【回答・虎の巻】と受け止める傾向があります。

資料と受け止める意味は、マニュアルを仕事の基準として考えているからです。
回答・虎の巻と受け止める意味は、マニュアルは仕事を盗んで覚えられない人間が頼るものと見ているからです。

特に、35歳以下の社員が多い職場は、この傾向が強くなっています。この35歳以下から受けてきた教育内容や種類、そしてその教え方が飛躍的に質的向上をしており、裏を返せば、恵まれた環境で教育を受けてきており、システム化された教育こそが真の教育との認識が強いから、マニュアル=資料=仕事の基準となるわけです。

マニュアル=資料=仕事の基準の基本概念は、共有化です。日本でのPC検索機能はヤフーが20年前の1996年にスタートしています。

日常生活で共有する知識を活用して育った世代からすると、マニュアルは資料であり、基準の考えとなるのは当然。ここに教育の2大スタンスである【教える側】と【教えられる側】のギャップが発生し、40代の上司が若手人材育成で苦悩するわけです。  

■WHAT・HOWよりWHYが大切

仕事の実務能力アップには、次の5つの視点が重要となります。

◎仕事の意味づけ:なぜ、この仕事が必要かを理解させること
◎職種としての仕事基礎力のレベルアップ:営業・製造・経理・総務等の基礎知識・技術の理解・習得であり、読み書きそろばん
◎自社の仕事ノウハウの習得とレベルアップ:自社仕事のやり方を理解し、できるようにする社内実務のレベルアップ
◎業績目標・部門方針を達成させる知識・技術の習得:単月・3ヶ月先に対する具体策の実践強化
◎現場で育てるOJT:現場で仕事をできるように鍛える方法

現在問題になっているテーマは、仕事の意味づけができていないことによる現場での混乱です。
仕事の意味づけとは、なぜこの仕事が必要かを理解させることです。つまり、現場での業務内容に対し、
・なぜ、この業務が必要なのか?
・この業務を身につけると次にどのような仕事ができるようになるのか?
・この仕事がもたらす満足度・喜び・達成感は?

この3点をリーダーが社員に説明し、その価値観を理解させることです。

仕事を教えるときは【何をするのか?どのようにするのか?】より【なぜ、それをするのか?】を教えないから、社員は一人立ちしにくいのです。

「あの社員は指示通りにしか動かない」とよく聞きます。この本質テーマはWHYを知らないから起こる現象です。やるべきことを決めても、日々の仕事の状況は変化します。その仕事の目的を理解しないから、変化したときの対応力が弱くなり、指示を待つスタイルの仕事になるのです。

これはリーダーが仕事の意味づけを行っていないから起こります。
いくらWHAT・HOWのマニュアルを作っても、WHYがないからレベルアップできないのです。



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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/
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         筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html