【経先行業績検全4回-1】「時間を先取りする技術が業績を決める」(小池浩二氏) | 清話会

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小池浩二氏の [継栄の軸足] シリーズ (13)
【今より必ず業績が上がる、先行業績検討ノウハウ 全4回】
 ◆第1回目「時間を先取りする技術が業績を決める」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■時間対応の3パターン

経営要素の中で大企業・中堅企業・中小企業にも平等に与えられているものがある。
それは時間。
人・物・金・管理については差があるが、1日24時間・1ヶ月30日・1年365日の時間カテゴリーは全社共通。

業績を創るに当り、時間対応方法は3つのパターンに分類でき、遅行管理・同時管理・先行管理のうち、当然、業績が一番上がるのは先行管理のパターン。

稼動日数が25日で目標達成率が90%の場合、時間軸で計算するとマイナス2.5日分の時間が足りなかったことを意味する。
この現象は同時管理の会社に頻繁に起こり、マイナス2.5日の時間を当月内に確保するためには、先行管理が必要になる。

■時間を先取りする技術が先行管理

業績好調な部門長の特徴は、「売上高は今日現在幾ら、月末までに幾ら」と即答できる。それに「今の状態ならば来月は幾ら、再来月は幾ら」とも即答する。常に時間軸を意識して、業績を考えているからである。

業績を上げているセールスマンは当月に、当月・翌月・翌々月と先のことに対し手を打っており、時間を先取りする習慣を身に付けている。これを会社全体でやっているか、いないかで業績に差が出てくる。

違う視点でみると、色々な会社があり、各社色々な商材を取り扱っている。しかし、自社でしか取り扱うことができない商材は現実的にはない。同業他社が取り扱う商材は自社でも取り扱うし、自社で取り扱う商材も当然、同業他社でも取り扱う。すなわち商材についての差はあるようでない。

しかし、同じ商材を取り扱う同業他社でも業績に差が出るのは、業績を上げるための準備期間の先取りの差である。

■先行管理と行動管理は違うもの

先行管理にて当月(1ヶ月間)に行動する内容は、①当月の業績対策、②翌月の仕込み対策、③翌々月の仕掛け対策であり、1ヶ月で3ヶ月分の業績づくりをして動くことになり、当然質的に向上し、業績目標は達成しやすくなる。
物事をシンプルに考えると、料理の世界で手際がよいとされるのは、全体の段取りを考え、次はこうする、その次はこうすると頭の中でイメージがあり、次の手がやりやすいように工夫をするから手際がよい。また、将棋の世界でもプロ棋士になれば数百手先の手を読んで、今の一手を打つ。

改めて考えれば、プロの世界は常に先のことを読んで、今、何をなすべきかを判断し、実行している。
この考え方で業績づくりを会社全体で実施することが時間を先取りする技術であり、その方法が先行管理である。

■収益構造の理解

《(固定経費+必要営業利益) > (固定的に獲得できる粗利益の会社が大半》

≪固定売上とは=確定分≫
① 店舗・売場を持ち、営業する限り見込める安定売上
② 客先との契約により毎月安定収入が見込めるもの
③ 主力商品・定番商品の安定売上見込分

各社の収益構造には共通点があり、「固定経費と必要営業利益の合算金額」と「固定的に獲得できる粗利益額」を比較すると95%の会社は「固定経費と必要営業利益の合算金額」が高い。だから、当然そこに差額が出る。これが大半の会社の収益構造である。

これを売上高ベースで考えると、必要売上高=固定売上+差額金額となる。

固定売上は、通常の販売活動を行うことによる売上高のことで、必ず各社にある。反面、通常活動だけでは必要売上高の差額を埋めることができないのも事実。だから差額対策が必要になる。

■数字の創り方として、金額が大より小のほうが創りやすい

多くの会社では売上高を検討するときに100をどうするのかを考える。

勿論これは間違いではない。しかし視点を変えるとすでに100のうち、70は確定しているのである。大枠で考えると残り30の対策だけを考えればよい。

通常、業績の検討をする時には100の対策より、30の対策のほうが細かい商材を出しやすく検討はしやすい。

① 30日間で3ヶ月90日分の「最終追い込み、仕掛け、仕込み」をやるので物理的時間は足りない
② だから、差額金額に重点を絞り込んで対策を打たないと時間との戦いに負けてしまう
③ つまり「差額金額の重点対策に絞り込む」から、30日間で90日間の業績対策が可能になる
④ 金額が少ないと具体策が考えやすい。具体策が考えやすいから、決定事項が生まれやすくなる

■業績を創るために必要な時間は

(1)必要な時間とは【差額対策】を考え、準備し、実行し、売上が上がるまでの平均的な時間である。
この①~④までの平均的期間をまずは押えることである。

この期間が3ヶ月必要な会社は、当月の行動を【当月・翌月・翌々月分の対策】と同時進行させないと、時間との勝負に負ける。



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         筆者 小池浩二氏が
  【中小企業に必要な経営の技術】の概論を
      YouTubeで説明しています


      http://www.m-a-n.biz/3-3.html

         是非、ご覧ください
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