「全社員を巻き込み人を動かす戦術」(小池浩二氏) | 清話会

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小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ (9)
「全社員を巻き込み人を動かす戦術」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)


■戦術の役割はやり方を決め、できるようにすること

戦術は人を動かす方策です。
成果を上げるためにやるべきことを準備し、どのように人を動かすかを決めていくのが戦術の役割。

そのポイントは2点あり、やり方を決め、できるようにすることです。
業績の対策で検討した内容の「実践方法を決めること」です。

次にできるようにすることですが、「A君はできるけど、B君にはできない」こういうケースが中小企業には非常に多い。

A君ができていることをB君にもできるようにします。これが再現化、標準化であり、現場でのOJTをどのように行うかであります。

■戦術の役割は決め事をキチンとやらせること

決め事をキチンとやらせるのは、リーダーの役割です。
その前提となるのが、やるべきことの決定事項をつくることです。

いくら会議・ミーテイングで検討しても「誰が、なにを、いつまでに、どのような方法で」やるのかが決まらなければ、明日から行動に移せません。

いくら目標を決めても、方針を示しても、差額対策を検討しても、明日から動く決定事項がなければ、前進はしないのです。

この部分に着目していない会社・チームは多いと思います。

決め事とは人を動かす第一歩です。
チームで今月やらなければならない決め事を全員が共通認識として持つことです。

決め事の種類は、①業績、②経営方針、③基本動作、④会社のルールに関するもの、に大別されます。

決め事を守らせるためには決めっ放しの防止をするキメ細かいチェックシステムの構築が必要で、全メンバーがその進み具合がわかるようにするのがポイントです。

ここを疎かにすると、真面目にやるより、やらなくても何も言われないので「チームにやらない風土」が蔓延します。

■メンバーに今、やるべきことを考えさせること

経済環境激変、複雑化、高度化等でルーチンワーク=考えずにできる仕事の割合が減っています。
反面、考えないとできない仕事の比率は上がっています。

つまり、会社・チームならお客様に言われたことだけをやっても売上高、利益は上がらないのです。
メンバー個人なら、リーダーに言われたことしかやらないメンバーは成長しないのです。

あなたのチームの若手層はゆとり教育、簡単に検索できるパソコン等の弊害で考える習慣がない真性的考えない集団になっていませんか?
あなたのチームの中堅・ベテラン層はマンネリ傾向になり考えなくとも、現場業務はこなせるので、その後の成長が止まる習慣的考えない集団になっていませんか?

今、自分のチームは何をやらねばならないか?
自分は何をすべきか? 
これらをメンバー全員が考えきれないチームは衰退の道しかありません。

■戦術マネージメントポイント

戦術マネージメントポイントは、
①業績作りと部門方針展開で今月にやるべきことを明確にする
②やるべきことを誰が・何を・いつまでに・どのような方法でやるのか、また、その達成基準を決める
③やるべきことのやり方がわからない・一人ではできないメンバーに対し、方法を教えてできるレベルにしていく
④誰もができるように仕事の標準化と教育を行う
⑤マネージメントタイムを設け、決定事項のチェックとコントロールができるようにすることです。

組織は人が動かす。
人が組織を動かしやすくするためには、やるべきことをパターン化すること。
やるべきことのパターンを決めないから、チームの動かし方が定着しないのです。



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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。

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         筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
YouTubeで説明しています

     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html