「人間は感情の動物である」(谷口碩志氏) | 清話会

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谷口碩志の「会社は人から」第30回
人間は感情の動物である


谷口碩志氏(クリエイトマネジメント協会代表取締役)

リーダーシップの研修を長年年進めてきまして、リーダーは人間を相手にしている以上、人間について、特に人間の摩訶不思議な「心」について詳しく勉強する必要があり、と感じます。

人間の心をつかむ、いわゆる「人の心」の変化をつかんでいるかどうかが、リーダーシップを取るうえでの成功、不成功を決める最も重要なポイントであるように思われます。

ところで、相手の心を知り、「心」をつかむ、一番簡単で、手っとり早い方法はなんであろうかと考えてみますと、それは、誰よりもよく知っているはずの自分のことをまず振り返り分析してみることであるように思います。

長年進めています禅の精神を取り入れましたリーダーシップの合宿研修では、まず自分自身のことを「自己調査表」で振りかえってもらうことから始めます。

ほとんどの研修生は、自分のことは自分が一番知っていると思っていたことが、全く自分自身がわかっていなかったことに愕然とします。

自分自身がわからなくて、どうして他人のことを云々できるのかと問います。

要するに、自分を動かしているものは、また他人を動かしているものは、そんな単純なものではないということを理解していただきます。

もっと複雑で、重なりあった、絡み合った、深い深層心理の中で揺り動かされていることを知るべきであります。
 
つまりこれを一般的に「感情」といっています。

この「感情」が全く厄介な代物です。

俗に言う「虫」が好く「虫」が好かないという、また「相性」という、全く根拠のない曖昧模糊とした感情です。

最近のロボットは非常に精巧にできています。

しかしこの「虫の感情」は、今の技術では作り出すことは不可能でもあるし、できたとしても、その感情のメカをつくるには、一説にビル一棟分ぐらいの容量の機械が必要とも言われています。

永遠に人間の摩訶不思議な感情を作ること(ロボコップ)は不可能のように思われます。

「感情」に対応するものは「理性」です。
 
氷山に例えれば、「理性」は水面に出ている部分で「感情」は水面下に隠れている部分です。

下のほうがずっと大きい容量です。

つまり 人間は感情の動物である。

これをしっかり理解していないとリーダーは務まらないように感じます。

いくら筋の通った理屈で言っても、また判ったようなことを言っても、それだけでは人は動きません。

「心の琴線」に触れるもの、つまり「感情」に訴えるものがないと、人は本気にならない。
 
「人生、意気に感ず」といいますが、この言葉の急所は「意気」と「感ず」です。
意気は「理性」、気は「感情」と言ってもいいと思います。
 
リーダーである以上、理論的でなければならないのは当然、大切です。

しかしもっと大切なものは、その奥にあるほとばしる魂からの思いで、こちらが燃えなければ相手に火を点けることはできないからです。

理性的で、クールであるだけではメンバーもまた冷えきったままで、心からの参画意識はないと知ることが大切です。

今回は研修を通じて人間の持つ摩訶不思議な「感情」について述べてみました。


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 第200回 リーダーシップ実践禅寺合宿研修会

 

  平成26年11月8日(土)~ 9日(日)

谷口氏が代表を務められるクリエイトマネジメント協会主宰で行ってこられた「リーダーシップ実践禅寺合宿研修会」が、節目の第200回目を迎えられます。

「記念合宿研修会」と位置づけ、記念品の贈呈も予定されているとのこと。ぜひご参加下さい。






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清話会 谷口碩志
 (たにぐち みつゆき)
昭和18年5月大阪市生まれ。昭和42年関西学院大学卒業後、3年間の商社勤めから経営コンサルタント会社へ転身。約9年間在籍、その間海外の企業実態調査のため欧米・中南米・アフリカ・共産圏・東南 •アジア諸国など40数回の渡航歴を数える。昭和53年、経営コンサル会社を創設、代表取締役に就任。

・クリエイトマネジメント協会 http://www.cmajapan.co.jp/

・谷口社長のブログはこちら http://blog.livedoor.jp/senba206/