少年は小学生である。背は高いほうであるという。
身体も大きいほうだと思う。
ここ3年の間にとても大きくなった。
茶道は4年目である。
何しろ炭が好きである。
終わった後の崩れた灰も自分で灰匙を持ってきて直してくれる。
ありがたい生徒さんである。
今日のように目が廻っている日は灰型を作るのは骨が折れる。
兎に角、いつもと違う中置の炭手前をスラスラとこなしていくのには教えている私のほうが驚いている。
炭斗をいつものようにもって来る。
灰器を持ってきたら、羽箒と香合を下ろして釜の蓋を閉める。
環を掛け、釜敷を出して左手で置く。
初掃きである。風炉の上を大きく右から3回掃き、手前火窓を1回掃く。
初掃きが終わると下火直して胴炭から入れていく。下火は手前のを一つ向こうにやる。
ぎっちょ、割りぎっちょ、丸管、枝炭最後に点炭を入れれば終わりである。
今度掃くのは中掃きという。真ん中を掃いてから左隅、右隅と簡単に掃く。
灰器を取り、両手で膝前に置き、灰匙を持ち替えて右手首を左手で支えながら月型を切る。
月型というのは、灰型の手前の山の真ん中に灰匙で半月に灰を掬うことである。
掬い終わった後の形が三日月になることから月型という。
後炭ではこの月型に藤灰を埋める。白く月が浮かび上がれば良い。
最後の掃き方は一番丁寧に掃く後掃きである。手前右から3回掃き、火窓も丁寧に左右真ん中と3回掃く。
最後に香を焚く。3個入っているうちの2個を温まっている灰の上に置く。
蓋をすると正客からお香合の拝見が掛かるから、客付きに廻り正面を正して出す。
香合を出して釜のほうまで廻り、釜に環をかけて風炉ソバ、最初下ろした位置までずらす。
なかなか最初少年はこの釜がもてなかったのだ。
昔は急いで小さい釜に取り替えたものだが、今は嘘のように手際よく釜を上げる。
環はそのままにしておき、釜敷きを左手で持つと右手でポンと炭斗の中にチリを払う。
釜敷きを懐中すると、釜の位置を確かめ良いようなら環を外す。
後は釜の蓋を羽箒でアという字に清め、釜の蓋を切っておく。
灰器を下げてから、炭斗も下げる。
香合のお形、お蒔絵、お塗りなどを聞かれる。香は聞かれない。風炉の時期は白檀か沈香に決まっているからだ。
一年に一遍しかない中置の炭手前はあまり重要性を感じないので、お稽古もめったにしない。
でも、やはり中置のお点前で薄茶濃茶とやって炭をしないのは片手落ちではないかと思い久しぶりに中置の初炭と後炭をお稽古した。お道具の位置がいつもと違うだけで新鮮さがあった。






