足を挫いた生徒さんは今まで入子点ばかりやってきた。
少しよくなったというので、長板総荘で薄茶をお稽古することにする。
時間も短いし、1回運べば出来るから入子点に近い。
茶道口に茶碗と棗を置いて総礼である。
入ってすぐ襖を閉める。
建水を長板から下ろしいつものところに置く。
茶杓を清めたら、袱紗を左膝前に仮置きして柄杓を取りに長板正面に廻る。
お薄なので柄杓構えたまま釜の蓋を開ける。ここがお濃茶と違うところである。
湯を入れたらいつものように茶筅通しをする。
お茶を2杯入れる。
流石年季の入った生徒さんである。
お茶碗戻り濯いでお湯を捨てる。
正客からお仕舞いくださいの挨拶で、茶碗上に向け右手を付いて受ける。
茶碗を下に置き両手付いて今度は亭主からお仕舞いたしますと挨拶する。
茶碗の水を捨てると茶巾をすぐ入れ、下において茶筅も仕舞う。
棗を少し右に移動して、その左に最初のように茶碗を置き合せる。
柄杓構えたまま釜の蓋を閉める。この時は冷めているから袱紗は使わない。
蓋置きを持って長板正面に廻り、蓋置きを杓立前に置く。
茶碗を勝手付きに仮置きしたら、棗を持って客付きに廻り清めて拝見に出す。
建水、茶碗と下げて水次をしたら清めた建水を持って入る。
蓋置きを建水に入れ長板に最初のように飾る。
お薄はそのままで客付きに廻り、拝見の挨拶をする。
二月ぶりの正座であった。
いつもは足を崩しながらのお点前であったが、今日は何とか色々省略しながらお薄の長板総荘が出来た。
春の引継ぎではお薄の長板総荘も大事なお稽古である。
兎に角ホッとした一日だった。