子供の頃、親が勤めていたところの社宅に住んでいたんですが、
そこには、お風呂がついていなかったんです。
少し離れた場所に、大きな共同のお風呂があって、
そこまで歩いていかなくてはいけませんでした。
そこに行く道が、林の中を通る道で、夜になると、真の闇になってしまうような道なのです。
もちろんお風呂もその林の中にあり、
昼間はともかく、夜も九時を過ぎると、誰もいません。
ボイラーを自分で点火し、真っ暗なお風呂の施設の電気を一つづつ、つけていきます。
もちろん、出るときも自分で一つづつ消していくのですが、
だんだん闇が増えていくのが、非常に怖かったのを憶えています。
…ある日、いつものように九時を回ってから、お風呂に行ったのですが、
その日は、妙に水音が耳につきました。
僕以外には、誰も入っているはずのないお風呂。
しかし、なぜだか、僕がシャワーを止めてもピチャピチャと水の音が絶え間なく聞こえてきます。
そして、そのうちに林の中からボソボソと誰かが話すような声が聞こえてきました。
もちろん、林の中ですから、誰もいるはずがありません。
ただ、その時は、不思議とそこに人がいるのだと思って、怖いと思わなかったのです。
その声は、僕がお風呂からあがり、脱衣場で体を拭き終っても、まだ続いていました。
(…何だろう。うるさいな。)
僕がそう思った瞬間
「すみませんねぇ」
そう言って、話し声が消えたのです。
慌てて窓を開けて外を見ましたが、誰もいません。ただ、真っ暗な林がそこにあるだけでした。
そこには、お風呂がついていなかったんです。
少し離れた場所に、大きな共同のお風呂があって、
そこまで歩いていかなくてはいけませんでした。
そこに行く道が、林の中を通る道で、夜になると、真の闇になってしまうような道なのです。
もちろんお風呂もその林の中にあり、
昼間はともかく、夜も九時を過ぎると、誰もいません。
ボイラーを自分で点火し、真っ暗なお風呂の施設の電気を一つづつ、つけていきます。
もちろん、出るときも自分で一つづつ消していくのですが、
だんだん闇が増えていくのが、非常に怖かったのを憶えています。
…ある日、いつものように九時を回ってから、お風呂に行ったのですが、
その日は、妙に水音が耳につきました。
僕以外には、誰も入っているはずのないお風呂。
しかし、なぜだか、僕がシャワーを止めてもピチャピチャと水の音が絶え間なく聞こえてきます。
そして、そのうちに林の中からボソボソと誰かが話すような声が聞こえてきました。
もちろん、林の中ですから、誰もいるはずがありません。
ただ、その時は、不思議とそこに人がいるのだと思って、怖いと思わなかったのです。
その声は、僕がお風呂からあがり、脱衣場で体を拭き終っても、まだ続いていました。
(…何だろう。うるさいな。)
僕がそう思った瞬間
「すみませんねぇ」
そう言って、話し声が消えたのです。
慌てて窓を開けて外を見ましたが、誰もいません。ただ、真っ暗な林がそこにあるだけでした。