漢字以前に、日本には文字があったか?

いわゆる神代文字の問題だ。


上代八母音説とそれに対する反論というのは抜きにして

とりあえず、文字が成立する条件というのを考えてみる。


文字が成立するには、そもそも、その必要がなければならない。

そこで、文字が必要とされる場合を考えてみる。


1交易のため

 楔形文字などがコレにあたる。フェニキア文字もそうなのだが、これは、後に出てくるヒエログリフから派生したものなので入れない。

元来、個数を表したりするために使われていた。

では、日本の縄文時代に交易が行われていたか。

どうもかなり広範囲に行われていたらしい。

勾玉や黒曜石の産地を分析すると、本土から沖縄、北海道、朝鮮半島あたりまで交易ネットワークがあったということである。

そうすると、何らかの記録用の記号を使っていても、おかしくはないのである。


2祭祀のため

 漢字の元となった甲骨文字や、エジプトのヒエログリフ、マヤ文字などがコレに当たる。

難解で、表意文字である。

もちろん、日本の縄文時代において、何らかの呪術的活動があったことは確である。

ただし、この場合、かなり大規模に国家的な事業として行われなければ、その記録を文字として残すことはないと考えられる。

それは、先に挙げた文字がいずれも国家事業としての祭祀を記録するためのものであるし。

文字を発明してまでその記録を残すということは、かなりの人的資源を投入しなければ不可能と思われるので、それが出来るためには、統一された意思によってそれが出来る国家が必要と考えられるのである。


さて、そう考えてくると、祭祀のためのものはやはり無理そうだが、交易のために何らかの記号を使っていても、おかしくはなさそうである。

そのように使われた記号が、その後神社の祭祀に結びついて明確に文字として使用され…と、いうのは、完全に妄想の話。

まあ、実際に遺跡からこのような文字的なものが出てくればカタがつく話ではあるが、無いという前提で見ていると意外に見落とすことも多いので、先入観なしでの研究をしてもらいたいものである。