『 知っているようで 知らない ” 呼 吸 ” の知識 』その2
正しい呼吸で 運動能力や学習能力・ストレス耐性などを上げる『 呼 吸 の仕方 』
前回のブログの続きが 遅くなりまして
すみませんでした m(_ _)m
勉強したいことがあり
そちらに集中していました(汗
前回のブログで 二酸化炭素の
重要性について
書かせて頂きました
その続きになります
深呼吸や口呼吸は
必要な二酸化炭素も
排出されるため
これらの呼吸法は
心身に対して
ストレス耐性も弱くなり
疲れやすい身体になる可能性や
体力と集中力にも影響が
でやすいといわれております
そのため二酸化炭素を必要以上に
排出させないことが 重要であり
身体にとって二酸化炭素は
必要なものになります
しかし その身体に必要な
二酸化炭素なのですが
体内で二酸化炭素が
一定以上増えてしまうと
私たち人間にとっては
苦痛を感じてしまうものに
なってしまいます
この二酸化炭素は
体内で 増加すると
様々なセンサーが感知し
酸素不足として
息切れを感じ
息苦しくなります
これらの息苦しさは
前回のブログ記事にある
延髄にある二酸化炭素の
センサーなどが関わっており
これらのセンサーの
低酸素状態や二酸化炭素に対する
耐性が低いと 息苦しさを
感じやすくなるといわれています
この 息苦しさは 苦痛や
ストレスなどと関連しており
ストレス耐性が低い人
苦痛、ストレスを感じやすい人などに
共通してみられる傾向として
「 二酸化炭素に弱い 」
ということが いわれており
ストレスを感じる事で
呼吸が浅くなっていきます
そのような状態では
二酸化炭素が
増え続けるため
延髄にある二酸化炭素のセンサーが
過敏に反応してしまい
どんどん息苦しくなっていきます
そうすると二酸化炭素を
すぐに吐き出したくなったり
息を思いっきり
吸い込みたくなります
いわゆる一種の過呼吸状態です
過呼吸をよく起こす人
ため息をよくついてしまう人などは
この延髄の二酸化炭素に対する
耐性が低いため
延髄の二酸化炭素のセンサーが
過敏に反応してしまいやすい
状態になっている
ということになります
逆にストレスに強い人は
低酸素状態や二酸化炭素に対する
耐性が高く 二酸化炭素の濃度が
上昇しても平気な方が多い
といわれています
そのためストレスに弱い人と強い人の
息を止める長さを測ると
( 息を止めると酸素が入ってこなくなり
体内の二酸化炭素も排出されません。
そのまま息を止めていると、肺と血液の中で
二酸化炭素が増えて酸素が減るため
低酸素で二酸化炭素の増えた状態になります。)
共通してストレスに弱い人は
息を止められる時間が「短 く」
ストレスに強い人は
息を止められる時間が「長 い」
といった結果が 出ているそうです
また 強いプレッシャーの中
高いパフォーマンスを
発揮させないといけない
トップ アスリートの多くは
低酸素で二酸化炭素の増えた状態でも
パフォーマンスを発揮できるぐらい
二酸化炭素への耐性が高く
息を止められる時間が
普通の人より長いそうです
このように
二酸化炭素の耐性の高さは
延髄の二酸化炭素への
耐性によって決まります
ちょっとやそっとのことで
動揺せず 平常心でいられるために
または 運動能力・学習能力など
身体・脳のパフォーマンスを
十分に発揮させるためには
二酸化炭素への耐性を高めることが
重要になり そのための二酸化炭素への
耐性トレーニングが 必要になります
そこで 二酸化炭素への耐性を上げるための
トレーニングを行う前に
まずは 自身の今の二酸化炭素の耐性の
基準を把握しておくことが大事になります
その二酸化炭素の耐性を知るテストとして
BOLTスコア(体内酸素レベルテスト)
というテストがあります
このBOLTスコアのテストは
息を止めてから最初に息をしたいと
感じるまでの時間を測るテストになります
しくみとしては
息を止めると
肺に酸素が入り込まず
二酸化炭素の割合が増えていき
酸素が少しずつ減っていきます
そうすると延髄の二酸化炭素センサーが
二酸化炭素の増加に反応して
呼吸を誘発します(換気反応)
この息を止めれている時間は
二酸化炭素の耐性で決まります
その二酸化炭素の耐性が
どのくらいなのかを
知るためのテストになります
息を止めれている時間が
10秒、20、30、40秒・・と
増えれば増えるほど呼吸量が減り
ごく少ない呼吸で過ごせることになります
これによって通常時の呼吸の量と
運動時の息切れの時間の目安が分かります
快適に息を止められる時間は何秒か
このテストで出た数値を
Body Oxygen Level Testの
頭文字を取って BOLT
ボルト スコアと呼びます
ボルトスコアが低いほど
通常時の呼吸の量が多い
二酸化炭素耐性が低い
ということが分かります
そして 呼吸量が多いほど運動時の
息切れが早くなりますし
ストレスに対する耐性が低い
ということになります
【 BOLTスコアの測定方法 】
まず BOLTスコアを測定する前に
10 分間くらい安静にして下さい。
その後 タイマーを手元に用意し
椅子に座るなどある程度
リラックスできる状態で行って下さい。
*食後など心拍数が上がってる状態では、正確な数値を測ることができませんので注意してください 。
【 手 順 】
1. 口を閉じ鼻から軽く息を吸い
鼻から軽く息を吐きます。
これを3回行います
2. 手順1の3回目の息を軽く吐いた瞬間に
肺に空気が入らないように指で鼻をつまみ
息を止めます。
3. タイマーを開始し、そのままの状態で
「息をしたい」という最初の欲求を感じるまで、
または、呼吸を促す最初の体のストレスを
感じるまでの時間を計ります。
( つばを飲み込みたくなったり、気管が収縮するような感じになったりしたら、欲求が出たサイン。また、腹部や喉の呼吸筋などが勝手に収縮する場合もあります。)
4. 欲求を感じた時点でストップウォッチを
止めて鼻から手を離し、鼻で呼吸を再開します。
5. 通常の呼吸に戻します。
【 注意点として 】
・静かに息を吐いてから息を止める。
・息を長く止めようと思って大きく
吸わないようにしてください。
・テストは、息を止めてから最初に
呼吸筋が反応するまでの時間になります。
・呼吸筋の反応がない場合は、
「息をしたい」という強い欲求が出た
時点までの時間になります。
・あくまでもテストであり、呼吸法を
改善するためのものではありません。
・呼吸を再開したときに大きく息を
しなければならない状態は、息を止める時間が
長すぎてしまっているためボルトスコアの計測に
失敗しております。再度、落ち着いてから
計測し直してください。
【 BOLTスコアの評価基準 】
10秒未満 息を止められた人
呼吸回数が非常に多く、呼吸がとても浅くなっている状態で、適切に酸素を体に供給できていない可能性が高いです。その為、ため息やあくびなどが多くなり、慢性的な疲労や息苦しさ、肩や首の凝り、冷え症や手足のしびれなどの症状や喘息などの健康面に問題が見られる場合があります。
10~20秒未満 息を止められた人
呼吸回数が多く、呼吸が浅くなっている状態。運動をしたり精神的なストレスがかかると息切れしやすく、二酸化炭素に対する耐性や気力、集中力なども低下しています。口呼吸、鼻詰まり、喘鳴、咳により呼吸が妨げられている可能性があります。
20~40秒未満 を止められた人
一応の合格ラインになります。通常の呼吸は静かで穏やかな状態。二酸化炭素の耐性もまずまずで、細胞呼吸もスムーズです。ただし、運動に大きな支障はないですが、呼吸過多の傾向も有り理想的な酸素の供給が出来ている状態とはまだ言えず、改善の余地があります。
40秒以上止められた人
理想的です。無理のない呼吸ができている状態。深い呼吸が身についており、二酸化炭素の耐性も高く、細胞や脳にも酸素を安定的に供給できています。
このようにボルトスコアの基準は
まず 20秒を超えられるかどうかが
健康の一つの判断基準になります
20秒よりも短ければ
かなりストレスへの抵抗が
低いと考えられます
身体的にはきつい肩こりや慢性的な腰痛
鼻づまりなどがあったり
喘鳴、咳により呼吸が妨げられたり
睡眠障害、激しいいびき、うつ的な症状などを
抱えている人が多いといわれています
ですが ご安心ください!
二酸化炭素に対する耐性を高める
レーニングを行えば
ボルトスコアは何歳からでも
伸ばしていくことができます^^
『 二酸化炭素に対する耐性を高める
レーニング方法 として』
【 呼吸の回復エクササイズ ① 】
歩きながら又は足踏みをしながら行います。
1)歩行又は足踏みを始めます。
2)鼻から息を軽く吐いて、軽く吸います。
3)次に軽く息を吐いて鼻をつまみ
息を止めます。
息を吐き切らない様に氣を付けて下さい。
4)そのまま息を止めながら歩きます。
又は足踏みをします。
5)息を止めていられる限界の手前または
中程度の息苦しさを感じたら鼻から手を離し
必ず鼻から息を吸い、鼻からゆっくり
息を吐きます。
6)また1の状態のまま2~5を繰り返していきます。
7)最初は、これを3回程度行い
慣れてきたら回数を増やして下さい。
8)エクササイズを終了する時は
必ず鼻呼吸でゆっくり吸ってゆっくり吐いてを
繰り返して呼吸を整えてから終了して下さい。
(図を参照)
【 呼吸の回復エクササイズ ② 】
BOLTスコアの評価基準が、20秒未満の方や
呼吸の回復エクササイズ①が辛い方は
こちらのエクササイズ ②を行い
慣れてきたらエクササイズ①を行って下さい。
1)必ず鼻呼吸で行って下さい。
息を軽く四秒間かけて吸います。
2)息を軽く四秒間かけて吸ったあと
鼻をつまみ息を四秒間止めます。
3)息を四秒間止め終わったら
息を吐き切らない様に氣を付けて
息を四秒間かけて吐いていきます。
4)息を四秒間かけて吐いたあと
鼻をつまみ息を四秒間止めます。
5)また1に戻り4までを繰り返します。
息を吸って→息を止める→
息を吐いて→息を止める→
息を吸って→息を止める・・・
のサイクルを繰り返し行います。
最初は1分間繰り返して行い
慣れてきたら時間を少しづつ
増やして行って下さい。
これらのエクササイズのように
息を止めることで
二酸化炭素の耐性を
高めると同時に
息を止めている間に
一酸化窒素を鼻腔に溜め
一酸化窒素を体内に
吸い込むことで
ストレス耐性をさらに
上げる事もできます
そうすることで
血圧の安定や血管の修復
動脈硬化の予防
自律神経やホルモンの
バランスの改善などの効果も
期待できますので
是非 行ってみて下さい
注)これらの効果はエクササイズを日々続けていくことで期待できる効果になります。
また 小さいお子さまや
呼吸が浅い、辛い方などの場合は
まず 図の様に肋骨と鼻先から眉間
後頭部を軽く撫でてあげるだけでも
呼吸が しやすくなりますので
試してみて下さい
(図を参照)
あと鼻呼吸と口呼吸についてですが
口呼吸では
前回のブログで書かせて頂いたように
必要以上に二酸化炭素を排泄してしまい
血液中の二酸化炭素の濃度が
低下してしまいがちになります
また 幼少時に口呼吸を続けていると
顎や舌の発育に影響し
歯並びが悪くなりますし
外気を直接吸い込むので
喉・気道の炎症を起こしやすく
免疫系が不安定となる恐もあります
また 代謝の低下、疲れやすく取れにくい
といった症状や睡眠障害、不安症などを
招きやすくなるともいわれております
ですが 鼻呼吸の場合では
吸い込む空気に適当な湿度・温度を与え
空気中の微細なゴミや細菌などの
体内への侵入を防ぎ
気管や肺を保護してくれます
また 鼻の奥は脳の底部と接しており
鼻腔に空気が通ることで
脳の過熱を防ぐなどの
役割もしてくれています
このように鼻呼吸を行うことで
健康維持、病気のリスクの軽減など
様々な利点がありますので
鼻呼吸を心掛けて
頂ければと思います
そしてこの鼻呼吸を常に行うには
「無意識にでも口が閉じている」
ことが必要であり
その為には くちびる周囲の筋肉
口輪筋の筋力はももちろん
鼻腔の土台となっている上顎や
下顎についている筋肉である
舌の筋力も重要になります
鼻呼吸を常に行うようになるための
トレーニング方法としては
舌を使ったトレーニングが
いつでもどこでもできますし
鼻腔を広げたり脳の活性化
眼球運動の改善などの効果も
ありますので良いかと思います
また 美容、ほうれい線の改善にも
つながりますので下図を参照し
トレーニングを行ってみて下さい
また 小さいお子さまの場合は
以前に書かせて頂いたブログの
統合を促すブラッシングを
行ってみて下さい
子供の口の発達については
なめる、しゃぶる、かじる
これらの行為をきちんと
経験した子供たちは
鼻呼吸へと自然に育っていきます
また 呼吸や咀嚼・嚥下運動・発語運動
歯並びなどに特に影響してきますので
幼少時にたくさん経験させて上げて下さい^^
正しい呼吸をおこなうだけで
健康の維持、改善や運動、学習能力など
を上げることが出来ますので
是非、試してみて下さい。
皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。
【お読み頂きまして ありがとうございました】