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原始反射 ⑧:脳と原始反射の発達過程・順序

 

今回は 原始反射の

 

「 探 索 反 射 」になります。

 

大人の方でも残存されている方が多く

 

肩や首などがこりやすいなどの症状の

 

要因にもなる原始反射になります。

 

また 最近では 

 

過剰な長時間のマスク着用による

 

口周りの皮膚感覚のストレスにより

 

探索反射が 再出現されている方も多く

 

マスク頭痛・肩こりなどの

 

要因のひとつにもなります。

 

また 赤ちゃんにとっては

 

出生後すぐに母乳やミルクを飲み

 

大切な栄養を摂取するための

 

原始反射になり

 

生きていくうえで

 

欠かせない反射のひとつです。

 

 

探索反射(rootingreflex)とは

 

口唇反射又は乳探し反射ともいわれ

 

 基本は脊髄レベルとされていますが

 

脳幹によって媒介され前頭葉を

 

解放させる反射ともいわれており

 

脳幹レベルとされる場合もあります。

 

この原始反射は 

 

哺乳機能の反射のひとつで

 

探して→ 捕まえて→ 吸う→ 飲み込む

(探索反射→ 捕捉反射→ 吸啜反射→ 嚥下反射)

 

という一連の動作・反射の

 

「探して」の反射にあたります。

 

受胎後 約28~30週間で出現し

 

生後 約4~6か月で 消失・統合

 

されて行くとされており

 

赤ちゃんが食事の供給源である

 

乳首、または哺乳瓶を探すのを

 

助ける反射になります。

 

 

反射運動動作としては

 

赤ちゃんの顔や口に

 

指または乳首などが

 

触れたりすると

 

赤ちゃんは 触れられた(刺激が入った)方向に

 

顔を動かすのと同時に

 

口をとがらせ

 

舌を突き出すように

 

口を開き乳首を

 

とらえようとする といった

 

動作反応の反射を起こします。

(図を参照) 

 

注意点としてですが

 

この赤ちゃんの動作反応は 

 

あくまでも反射なため

 

赤ちゃんが空腹であるという

 

サインとは 限りませんので

 

お氣をつけ下さい。

 

また 反射の仕草が

 

可愛いからといって

 

故意に反射を起こさせ

 

過ぎると赤ちゃんの

 

ストレスにもなりますので

 

ほどほどにして上げてくださいね^^

 

 

この探索反射は

 

脳神経に関わる反射で

(脳神経とは12対の神経で構成され、脳から直接出て頭部、頸部、体幹の様々な部位へと伸びており脳に直接出入りする末梢神経のことをいいます。脳神経の12神経には 1)嗅神経 2)視神経 3)動眼神経 4)滑車神経 5)三叉神経 6)外転神経 7)顔面神経 8)内耳神経=聴神経 9)舌咽神経 10)迷走神経 11)副神経 12)舌下神経があります。)

 

そのうちの顔の感覚に関与する

 

三叉神経や

(三叉神経とは、脳神経の中では最大の神経で、知覚と運動の両方の神経線維を含む混合性の神経になり神経節は橋を出て三つの枝(神経)眼神経、上顎神経、下顎神経に分かれており顔の感覚を脳に伝える末梢神経のひとつです。 顔の皮膚と、口の中の粘膜、歯と歯茎の感覚を司る神経になり また頭部・頸部などにも広く分布しています。)

(詳しくは図を参照) 

 

顔面神経などに

(顔面神経とは、表情筋など顔面の筋肉を支配する運動神経で、唾液分泌を促す自律神経や味覚を感じる感覚神経などを司る神経になります。)

(詳しくは図を参照) 

 

関わる反射になるため

 

口・顎・首などの

 

筋肉にも影響を与えます。

 

大人の方で

 

なかなか改善しない

 

肩や首のこりの症状の場合

 

もしかするとこの

 

探索反射の残存・再出現が

 

原因かもしれません。

 

また 顔面神経には

 

唾液分泌を促す

 

自律神経も関わる為

 

物を飲み込む動作である

 

嚥下(えんげ)動作にも関係してきます

 

嚥下を誘発する上喉頭神経には

 

甲状腺からのホルモンの分泌を

 

促進するという作用がある為

 

ホルモンバランスにも関わる

 

大切な反射になります。

 

 

探索反射が 残存・再出現した際に


とりやすい行動や症状として

 

・口周りの感覚過敏

・唾液が過剰に出る

・発話しにくい、話すことの問題

・どもり 早口がにがて

・噛むのが苦手

・口から食べ物をこぼす、たらす

・首 後頭部など顎に関わる筋が疲れる

・運動機能の低下(首や顎など)

・舌が前に突きだしている

・頭痛

・噛んだり、話したりするときに、特に手が不器用

・ホルモンバランスが悪い

 

など 脳神経の三叉神経や顔面神経が

 

関わる原始反射のため


多くの行動や症状が あげられますが


あくまでも探索反射が 関与している


゛疑い ゛がある行動や症状なので

 

絶対では ありません

 

 

そして 探索反射(rootingreflex)の 

 

残存・再出現を確認する

 

テスト方法です

 

(二人で行って下さい)

①テストを受ける方(被検者)は

口を軽く開きます

(歯と歯が接触しない程度で大丈夫です)

 

②テストを行う方(検者)は

被検者の唇の端あたりを指や筆などで内から外方向に向かって刺激を入れます。(左右片方ずつ行って下さい)

 

このときに口や舌 または顔や首が刺激された方向に動いたり筋肉が緊張などすると原始反射が残留しています。

(図を参照) 

 

◎統合を促す方法として

 

ブラッシング:筆や柔らかいブラッシなどで行って下さい。

 

まず鼻梁の上部から口の隅までなぞりそこから頬を通り耳に向けてなぞっていきます。

 

ブラッシングは

 

根氣が必要で大変ですが

 

反射が消えるまで

 

1セットを

 

5回のブラッシングとして

 

1日に3セット以上は行って下さい。

(必ず左右行って下さい)

(図を参照) 

 

肩や首と歩行なども

 

楽になりますので

 

試してみて下さい。

 

 

また 小さなお子さまの場合

 

顔に触れられたりなどの刺激を

 

とても嫌がり不快がるお子さんが

 

とても多いと思います

 

そういったお子さまの場合は

 

耳まわりと顎の付け根まわりを

 

優しく擦ってあげてください。

 

また 三叉神経と顔面神経を

 

活性化させる方法としては

 

゛笑 顔 ゛です

 

顔面神経は 口角や頬を

 

上げる働きをしますし

 

表情筋を使うことで

 

三叉神経も活性化します

 

そのため 笑顔を作ることは

 

三叉神経と顔面神経を

 

活性化させるのに

 

とても効率が いいです

 

また 笑顔の効果としては

 

1、脳の働きを活発にする

2、血行を促進させる

3、自律神経のバランスを整える

4、ストレス発散効果

5、幸福ホルモンの分泌

6、鎮痛ホルモンの分泌

7、免疫力の活性化

 

など たくさんの効果も

 

得ることができます。

(作り笑いでも大丈夫です。表情筋を動かして笑顔をつくることで、脳に信号が行き脳が笑っていると錯覚してくれます。)

 

小さなお子さんの場合は

 

親御さんが お子さんに向かって

 

よく笑ったり笑顔を

 

みせてあげてください

 

ミラーニューロンが

(ミラーニューロンとは = 脳の神経細胞の一つで「見るだけで真似して覚えてしまう」という、すごい能力を持つ神経細胞で「脳の鏡」ともいわれています。)

 

働きお子さんも笑顔に

 

なってくれますので

 

親御さんの

 

素敵な笑顔を

 

お子さんにも

 

覚えてもらいましょう

 

次回も原始反射の

 

説明とテスト・緩和方法などを

 

投稿していきたいと思っております。

 

皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。

 

【お読み頂きまして ありがとうございました】