今宵久しぶりにお会いできました。
今夜で最後になります。
『道化師』にございます。



長く綴ってきた少女の物語。
そろそろ終着点です。



では、ワタクシめは後ほど。




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色々あった。
幼き頃も。
結婚した事も。
子供が出来たことも。
旦那が子供が出来たと同時に家を買ってくれ、その時に、お母さんに、今度こそアイツから逃げられる場所ができたよ。と伝えると、「貴方は重いわ。私には要らない」と言われ、存在意義を無くしたことも。
お母さんは孫可愛さで何度も家に来ては、難癖つけてきたことも。


全部全部。

私にはもう何も分からなくなる事由であり、結局、アイツとは、いつの間にか妹とお母さんが勝手に離婚届を出したようで、決着が着いていた。


なんだったのだろう?
私は、何のために生きてきたのだろう?


人は言う。
これから幸せになる為に生まれてきたのだ。と。
過去のことは過去として流してしまうと良い。と。
私の周りには家族がいるじゃないか。と。


分かってる。

分かってる。

分かってる。


言いたいことは12分に分かってるつもりだ。
でも、嫌、分かってないと言う人もいるだろう。
全部分かった上で、私は自分を嫌悪する。


力不足だった自分も。
実現できなかった夢も。
人1人幸せにできなかった不甲斐なさも。
いつまでも子供のままの私。



そんなに簡単な過去じゃない。

そんなに流せる過去じゃない。



何十年も過ごしていた過去。
しがみついているのも分かっているし、手放せば良いのもわかっている。
手放し方が分からないだけで。
どの言葉にも、納得が出来ないだけで。


どうして愛せるだろうか?
誰かが言った「憎しみは愛より長く続く」。
その通りだと思う。
今既に、お母さんすら憎い。

アイツは言わずもがな。妹さえも憎い。



憎しみは連鎖を呼ぶ。
だから私は家族を持っては行けなかった。
一時の逃げで結婚したのが間違いだった。
私で完結しなければならなかった。


それに。最初は一つだった傷も、今では身体中にある。
その傷は愛おしい。
あと一歩で死ねた傷も首にある。
無我夢中で切り刻んだ腕。
血にまみれて、生きてる証を見た時に涙が出た。

何故生きているのかと。

何故死んでいないのかと。



全て止められた。
家中の刃物に成りうるものを隠された。
後1歩の所で止められる。


何故?

何故止める?


私に幸せになって欲しいなら、死なせて。



そして、幸せにも思うところがある。
幸せは、降って湧いては来ない。
決して。
掴み取らなければ、幸せは手に入らない。


だから、死を選んでつかみ取ろうとした。
だが、死ぬことだけはいけないと言う。
分からない。
ただ1人の人間が死ぬだけだ。

私は、俗に言う幸せは求めない。
私の幸せの定義は、そんなにいけない事なのか。


周りのことも考えて。
よく言われた。
意味がわからない。
こんな人間要らないだろう。


私は要らないのだ。
それでも声をかけてくれる人がいる。
何故なのだろう。
でも有難いと思う。

何を伝えてくれるのか。とても気になる。
「死」以外にも幸せがあるのか?


私は「それ」を求めているのか。
そう思いたくない自分が居ることも確かだ。


分からない。


最後に出てくる言葉はそれだ。




だから。





先に死がくるのか、他の何かが来るのか。





私は時に身を委ねてみようと思う。






Fin

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如何だったでしょうか?
最後は少女の独白で終わりました。


この少女の未来は分かりません。
直ぐに終わってしまうのか。
末永く続く未来があるのか。


それは誰にも分からないことでございます。





最後に。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

ワタクシの招待状もこれで終わり。
もう会うことは無いでしょう。



お会いするとすれば、少女が決断した時。




寂しゅうございますがこの辺で。
またいつかお会い出来たら幸い。



では。

失礼致します。