包丁:マリコルさんからの着弾25 | 勢州たぬき工房の木工したり直したり

勢州たぬき工房の木工したり直したり

2018年に小さな工房を自分で建てました。
包丁や大工道具を研いだり直したり。
他も色々作ったり直したり。
元々は生産設備の開発屋。
Twitterにも同じハンドルで出ています。日々の最新情報はTwitterへ。

こんにちは。たぬきです。
「あること」がマリコルさんのブログにより明らかになりましたので、その制作過程を。

「あること」とは、牛刀の鞘でした。

イメージ 1
材料です。(上に乗っているの木切れは大きさ比較用。柄用にいくつも作った樫のブロックの一つ)
12mm厚の杉板。赤身でなかなかきれいです。
ホームセンターで、素材は何がいいかなとブラブラ。鞘の材料は通常朴ですが、これはありませんでした。で、杉の野地板にしようかと物色してみましたがイマイチの物ばかり。他の棚を見たところ、写真の杉板があったのでこれに決定。杉は安価なのも魅力ですね。
鞘なので、もっと薄い物が良かったのですが、厚みはこれしかありませんでした。なので挽き割ります。

イメージ 2
切れる縦挽き鋸を持っていないので、写真の鋸で挽きました。これは、窓鋸ですね。横挽刃が8つ並んだ後に縦挽刃が一つあります。さらに、ポケット(窓)があります。
横挽き刃で繊維を切断し、続く縦挽き刃で削取ってから、大鋸屑をポケットにため込む構造です。なので、横挽きも縦挽きも可能なのです。

イメージ 3
挽けました。ですが、下手くそが挽割るのは大変でした。まっすぐに引けないでガタガタになりましたよ。写真は挽いた後に、ガタガタを鉋で仕上げた状態です。鉋屑が写っていますね。何とかなったように見えますが、しかし・・・

イメージ 4
厚みが2枚重ねても4.5mmしかない。ペランペランです(´;ω;`)ウゥゥ。まだ表の傷を消すために表も削りたいのですが削り代が無い。
12mm-4.5mm=7.5mmはどこへ行ってしまったのか(笑)

イメージ 5
反対側は9mmあります。両方9mmあればよかったのに。

イメージ 6
現物に合わせてケガきます。そして粗切りしました。

イメージ 7
アゴ側を切りました。

イメージ 8
身に合わせて削りました。見えない所は雑な事をしているのがバレバレです。

イメージ 9
木工用ボンドで貼り合わせてから、木切れを重ね、両頭グラインダーを重しに乗せて接着しました。

イメージ 10
接着後、鉋で余分を削りました。私の腕では木口を削れないのでサンドペーパー仕上げです。その後、全体をサンドペーパーで磨きました。いつか、パチコさんみたいに杉の木口を鉋掛けしてみたいですね。

イメージ 11
薄すぎてペナペナの上、杉だけに柔らかすぎますのでカシューを塗って補強しました。傷だらけでカッコ悪いです。

イメージ 12
薄く溶いたカシューを刷毛で5回位塗っています。

イメージ 13
ステッカーはエクセルで作成。千社札風にしたかったのですがフリーフォントが入手できませんでした。残念。

イメージ 14
いかがでしょうか?
留め具は黒檀製ですぞ。この留め具を刺す穴は、木ビス用のテーパードリルを使用しています。テーパー穴なので、刺した感じがしっくりと収まります。

イメージ 15
苦労した柄も付きました。

イメージ 16
この状態で発送したのでした。


話変わって、昔の写真を見ていたらこんなものが出てきました。
イメージ 17
インドネシア滞在時の物です。
工業高校の旋盤をお借りして、切れないバイトやメンテ不足の旋盤を相手に、町中の鋼材屋で調達したアルミパイプやナイロンの棒、真鍮や銅、ステンレスで作りました。突き抜けた技術はなくとも、基本を何となく理解していたら、何とかなるものです。
学生時代、鉄工屋でアルバイトしたおかげですね。
ちなみにこれが何かわかるのは、「あ」さんと「か」さんかな(笑)

イメージ 18
見にくいけど、町中の鋼材屋さん

以上、たぬきでした。ではでは。