【崔善愛 ピアノ演奏】 ショパン [ 4 ] スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31 @ 日比谷 | 星州李氏

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【崔善愛 ピアノ演奏】 ショパン [ 4 ] スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31 @ 日比谷公会堂 [ 2015.10.01 ]
●内心の自由を求めたショパン

 音楽は、善愛さんにとって何だろう。心を解放してくれる芸術であり、ピアノは掛けがえのないパートナーである。この日も、講演の合間にショパンを中心に6曲を披露した。なぜフレデリック・ショパンか。内心の自由を求めて20歳の時、祖国ポーランドを離れながらも自己を見失わなかった「ピアノの詩人」に、善愛さんは時代を超えて引かれている。それは、指紋押捺を拒否したため国家に再入国を許されなかった自分を投影しているようにも映る。「強制ではない」と言い繕って旧日本軍がさまざまな圧力をかけながら人間の良心や命をどのように奪ってきたかを善愛さんは語る。戦前と現在は途切れていない。君が代不起立で何度も懲戒処分を受けた元教員の根津公子さんの名前を出して、その抵抗に賛意を示した。善愛さんは、君が代が「愛国心」を美しく奏でる子守歌として押しつけられていると感じている。それを押しつけと思わないほどに感性がマヒしてしまえば、自発的な隷従が完成する。パリにいたショパンに、宮廷専属ピアニストとなるようロシア大使から求められても断った事例を挙げる善愛さんの視座は国境を突き抜けている。ポーランドがロシアに支配されても、ショパンは魂を売らなかった。

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