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Ⓐ『ⓐ陶隠居(とういんきょ)』
=『ⓐ陶淵明』
Ⓐ『㋑「東籬采菊」ⓐ「陶隠居」』より
ⓐ「陶淵明(とうえんめい)」=「陶隠居」
{(365年~427年、63歳没)
東晋(とうしん)(317年~420年)末から
南朝宋(420年~479年)の文学者。
六朝(りくちょう)時代(222年~589年)の詩人。}
{ⓐ「陶淵明」と字(あざな)で親しまれている「陶潜(とうせん)」は、
ⓑ謝霊運とほぼ同時代の㋑六朝(りくちょう)の詩人である。
ⓐ淵明の曽祖父は名将であったが、祖父も父も無名で、
その家は傾いていた。
ⓐ淵明は29歳で㋺東晋(とうしん)の下級官吏(かんり)の
職を得たが、以後13年にわたる役人生活は昇進も
意のままにならず、しだいに希望を失っていく。
41歳の時㋩隠棲(いんせい)の費をつくるために
彭沢(ほうたく)県の県令となるが、80日余りで辞職し、
故郷(ふるさと)の潯陽(じんよう)柴桑(「さいそう」・江西省九江県)に
隠棲した。
『帰去来(ききょらい)の辞』は宮仕えをやめて
田園に帰る心境を㊁吐露(とろ)した名作である。
以後、ⓐ淵明は、田園に生き、酒と菊とを愛し、
詩を作るという㋭自適(じてき)の生活にひたった。
当時、ⓐ淵明の詩は地味なものとされて
ⓑ謝霊運に及ばなかったが、
唐代にその評価は逆転して
自然派の源流と仰がれ、現在でもその愛好者は多い。
<石川忠久先生>より
㋩「隠棲」
{俗世間を逃れて静かに住むこと。また、その住まい。}
㊁「吐露」
{心に思っていることを、隠さずうちあけること。}
㋭「自適」
{心のおもむくままに、のびのびと楽しむこと。}
{もともとⓐ陶淵明は、㋑東晋王朝を支えた名家の出身。
陶淵明自身も、一時㋺出仕(しゅっし)していた。
しかし、たいした役職にはつけず、
㋩忸怩(じくじ)たる思いを抱いていた。
しかも東晋王朝の武将として
㋥404年桓玄(かんげん)を破って実権を握(にぎ)り、
南燕(なんえん)・後秦(こうしん)を滅ぼし、
恭帝の㋭禅譲(ぜんじょう)を受けて帝位についた
劉裕(りゅうゆう)は、なんと彼の
官僚時代の同僚だった。
陶淵明は、天下国家への思いを心のうちに
抑(おさ)え込みながら、自然を賛美し、
㋬歓楽(かんらく)を㋣称揚(しょうよう)し続けた。
Ⓐ『歳月は人を待ってくれない。』
だが、自分には何が出来たのだろう・・・。
そんな陶淵明の悲痛な思いが、
実はこの詩句の底流には流れているのである。
そんな折り重なった人生への思いが
尽きない味わいとなり、
彼の詩は歳月を超越し続けている。}
<守屋淳著>より
㋑「東晋」(317年~419年)
{中国の南北時代の王朝の1つ。
晋(西晋)が滅ぶと、王族の司馬睿(しばえい)(=元帝)は、
建業(現、南京)に王朝を復興し、華北から
多くの人が流入した。
383年には”淝水(ひすい)の戦”で、
前秦の南下を防ぎ、以後王朝は江南の開発につとめ、
王羲之(おうぎし)・顧愷之(こがいし)の書画や
陶淵明の詩に代表される貴族文化が栄えた。
しかし王権は弱く権勢家をおさえきれず、
農民反乱の混乱の中で恭帝は、
軍功のある武人の劉裕(=宋の武帝)に
禅譲して東晋は滅んだ。
なお413年、倭王讃(さん)は高句麗(こうくり)と
並んで東晋に方物(ほうぶつ)を献上したという。}

ⓐ「陶淵明」=「陶潜(とうせん)」(365年~427年)
{東晋(317年~420年)末から南朝宋の文学者。(63歳没)
潯陽(じんよう・江西省九江市)の人。
名は「潜(せん)」、㋑字(あざな)は「淵明(えんめい)」、
一説には「元亮(げんりょう)」ともいわれる。
死後友人からの㋺諡(おくりな)にちなみ「靖節(せいせつ)先生」、
または自伝的作品「五柳先生伝」から
「五柳先生」とも呼ばれる。
41歳の時、彭沢(ほうたく)県の㋩県令(けんれい)となったが、
80日で辞任し、
ⓑ [帰去来の辞]を作って帰郷(ききょう)した。
以後は㋥出仕(しゅっし)することなく、
㋭隠逸(いんいつ)詩人として田園生活を送った。
その詩は唐代になって多くの詩人に多大な影響を与えた。}
ⓑ「帰去来の辞」(41歳の作) {「帰去来」=「さあ、帰ろう。」}
{405年、彭沢県の県令を辞(や)めて
故郷に帰ったときに作られたもの。}
㋑「字(あざな)」
{成人後、実名の他に付ける別名のことを指す。
中国では、本名(「諱(いみな)」=「忌(い)み名」呼びが
失礼とされており、本名呼びは君主や親のみに許される行為だったから、
「字」(や、役職名)が用いられていた}
㋺「諡(おくりな)」
{死後にその人の徳や功績をたたえて贈られる称号(しょうごう)。}
㋩「県令」
{秦以降の中国において、「県知事」にあたる役職の名称。}
㋥「出仕」
{官職に就(つ)くこと。宮仕えすること。}
㋭「隠逸」
{俗世を離れ、山里などにひとり隠れ住むこと。
また、その人。=「隠遁(いんとん) 」}