精神科は今、どこの精神科、メンタルクリニックも外来はパンパンである。当日予約がとれないのは当然として、1週間後も危うい。人気の先生に至っては3か月半年待ちである。


何故か。答えは簡単。患者が減っていないからである。新規の患者が増え、既存の患者は全然減らず横ばい。つまり「治ったからもう通院が必要なくなった」という患者がほとんどいないのである。精神科疾患のほとんどは慢性疾患になるので、どこかの時点で「完治」という概念はなく、寛解と再燃を長いスパンで繰り返す。


しかし問題なのは、病気でもない人に病名を告知し、薬を処方することで患者にしてしまう医者がものすごくたくさんいることである。特に雨後の筍のメンタルクリニックに多い。メンタルクリニックには精神科の専門研修を全く受けていない耳鼻科や眼科あがりの先生が外来をやっているところもある。彼らは当然、専門医試験を受ける名目でまとまった勉強もしていなければ、鑑別診断や薬の使い方のトレーニングも受けていない。つまり初期研修医以下なのである。病気でもない人が病気と告知され、通院しているうちに本当に病気になってしまうというのは、ぜんぜん珍しくない話である。