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銃乱射事件、学校襲撃事件と抗うつ薬の投薬治療

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銃乱射事件、学校襲撃事件に共通する要素

2007/4/19(木)

精神科の治療と凶悪犯罪

アメリカで史上最悪の銃乱射事件が起きました。銃社会であるアメリカならではの事件ですが、予想された通り、銃の規制を求める声が高まっています。確かに銃の規制は必要なことかもしれません。しかし、銃を規制さえすればこの種の問題が解決するのかというとそうではありません。多くの人の命を奪ったのは弾丸ですが、それを人に向けて無差別に撃ちつづけたのは人間なのです。そのような人間が生み出された背景を探ろうともしないで、闇雲に警備を強化したり規制を厳しくしたりしても本質的な解決にはなりません。

まず今回の事件について、容疑者に関する情報をいくつか挙げましょう。
うつ病で薬物治療を受けていたとみられ、次第に暴力的で突飛(とっぴ)な行動をするようになったという(東京新聞07年4月18日夕刊)
05年11月と12月に女子学生2人から、「チョ容疑者から電話などで迷惑な行為を受けている」との通報があった。それを受けて、教授と警察がカウンセリングを受けるように本人に勧め、チョ容疑者は外部の精神医療施設に行ったという。(日テレNews24 07年4月19日)
チョ容疑者を知る韓人は「彼は高校1年生のときの7年前からうつ病にかかっていた」とし(中央日報07年4月18日)

これらの情報によると、彼はカウンセリングやうつ病の投薬治療を受けていたようです。ここで重要なのは、彼が「治療を受けていた」ということです。誰がどう見ても、彼に対する治療は失敗以外の何者でもありません。うつ病そのものが、無差別に人を殺す衝動を生み出すとは考え難いでしょう。では一体、セラピストや医者は、彼に何をしたのでしょうか?
銃乱射事件や学校襲撃事件に多く共通しているのは、犯人が精神科の治療を受けていたという事実です。よく誤解されるのですが、これは「犯人が精神病患者だった」という表現とは異なります。正しく表現すると、「犯人は精神科の治療を受けて悪化させられていた」となります。

米国で起きた事件で、犯人が何らかの精神科の治療を受けていたものは以下のとおりです。(実際にはもっとありますが、主な事件だけを挙げました)
1998年5月、オレゴン州スプリングフィールドで、15歳のKip Kinkelが、両親を殺害した後に自分の学校に行って銃を乱射し、2人を殺害して22人に傷を負わせた。彼は抗うつ剤プロザックを服用していた。

1999年4月、コロラド州コロンバイン高校で、18歳のEric Harrisと17歳のDylan Kleboldが銃を乱射し、12人の生徒と1人の教師を殺害し、23人に怪我を負わせ、その後自殺した。Ericは抗うつ剤ルボックスを服用していて、体内からその成分が検出された。Dylanの情報は公開されていない。
2005年3月、ミネソタ州レッドレイク高校で、16歳のジェフ・ワイズが銃を乱射し、学生や教師、警備員を殺害した後、自殺した。祖父母を含めて合計9人を殺害した。彼は抗うつ剤プロザックを服用していた。

一方、日本において学校に不審者が侵入し、生徒や職員に危害を及ぼした事件は、以下のとおりです。
2001年、大阪池田小に包丁を持って侵入した男が8人の児童を殺害した。
2003年、京都府宇治市の小学校に侵入した男が、包丁を突きつけて2人の児童に怪我を負わせた。
2005年、千葉県の県立高校に包丁を持って侵入した男が、職員に切りつけた。
2005年、大阪府寝屋川市の小学校に包丁を持って侵入した少年が、教師1名を殺害し、その他職員2名に重傷を負わせた。

これらの学校襲撃事件に共通しているのも、全て犯人が「精神科で治療を受けていた」という事実です。米国との違いは、単に凶器が銃であるか包丁であるかだけです。今回の事件は、決して対岸の火事ですまされないものです。

なぜ治療を受けていた人が凶暴化したのか?抗うつ剤やカウンセリングは、犯人の行動や思考にどんな影響を与えていたのかを見つけ出さない限り、悲劇は終わりません。


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(転載元精神科医の犯罪を問う)