ADHD団体と製薬会社 | ADHD 発達障害 うつ病 躁うつ病 パニック障害 統合失調 不登校 引きこもり 精神医療ニュース (精神科 心療内科の治療について)

ADHD団体と製薬会社

精神科・心療内科・メンタルクリニック・メンタルヘルス・うつ病・パニック障害・躁うつ病・発達障害・統合失調症・不登校・ADHD


イーライリリーとえじそんくらぶ


2007/5/10(木)

発達障害

<注意欠陥多動性障害>「克服できる」と思う親は欧米の半分
5月9日20時36分配信 毎日新聞
 ADHD(注意欠陥多動性障害)の子供を持つ親のうち「治療で障害を克服できる」と思っている割合が、日本では欧米の半分以下の24%にとどまることが、製薬会社「日本イーライリリー」の調査で分かった。日常的にストレスを感じている親も欧米より10ポイント高い82%に上り、専門家は「診断できる医師の絶対数が少なく、社会のケア不足が家族の不安を強くしている」と分析している。ADHDは発達障害の一種で、気が散りやすい、多弁、衝動的行動などの特徴がある。小中学校1学級に1人程度の割合との推定データもある。
 同社が04~07年に欧米と豪州、日本の家族約1000人に行った調査では「治療でADHDが克服できると思う」が全体50%に対し日本は24%、「治療が子供の症状をよくコントロールしている」が全体41%に対し日本20%と、いずれも地域別で最低だった。調査を監修した北海道大学大学院の田中康雄教授(精神神経科学)は「教育現場や地域の理解のなさが、親を孤立させ、希望を失わせている」と訴えている。【清水健二】
最終更新:5月9日23時11分 さて、私にとって最も興味深いのは、この調査結果の数値ではなく、この調査を行ったのが「日本イーライリリー」であることです。この記事を読んで、なぜ製薬会社がこんな調査をするのか?と疑問に思った人も多いと思います。何のことはありません。日本イーライリリーは、ADHD治療薬の認可を目指して国内で治験を行っているのです。

 はっきりいって、この種の調査は初めから結論が決まっています。いかに日本が遅れていて、国内で治療薬を早く認可させる必要があるかを強調するだけなのです。その必要性を強調するために、国内最大のADHD親の会「えじそんくらぶ」やオピニオンリーダーとなる精神科医と共に、5月8日にプレスセミナーを開いたというわけです。

 日本イーライリリーのHPを見ると、調査結果の詳細や分析(というよりも宣伝?)がありますが、精神科医のこのようなコメントが引用されています。
「...日本では前出のように診断を下せる専門医が不足していることに加えて、他国では5~7種が承認・使用されている治療薬が、国内で承認されている治療薬が1つもないなど、医療的な治療環境が充分に整えられているとは、言えない現状です。
 総合的な支援体制が確立していかないと、家族が抱える不安やストレスは軽減されませんし、おそらく国内での『治療に対する満足度』は向上しないと思われます。今後、家族・学校・医療の連携はもとより、社会全体がADHDを正しく理解する必要が求められ、医療分野においても専門医・専門機関の充実や、治療選択の向上としても効果的な治療薬の承認など、支援体制の一層の充実が求められていると言えます。」

 結局は治療薬の承認が解決策と言いたいわけですね。
 もうひとつ気になったのはえじそんくらぶの存在です。ADHDの診断や治療が一大産業となっているアメリカでは、ADHD親の会が製薬会社から多額の資金援助を受け、非常に大きな政治力を持っています。最大の親の会であるCHADDの全収入の約五分の一が製薬会社からの資金援助だそうです。

 CHADDは、露骨に薬物療法を勧め、それ以外の代替療法を徹底的に叩いています。ADHD薬の爆発的使用を追跡していた米国麻薬取締局は、「チバガイギー社(当時のリタリン製造会社)とCHADDの関係は、CHADDがリタリンの使用を勧めることにした動機に深刻な懸念を投げかけるものである」と、警告すらしています。このような団体は、はたして子どものために活動しているのか、それとも親のためなのか、あるいは特定産業の利益のために活動しているのかわからない部分があります。

 えじそんくらぶの代表は、CHADDの会員でもあります。えじそんくらぶは、発達障害者支援法を成立させるなど、国内で大きな影響力を持った組織です。最近、ADHD治療薬の早期承認を求めるため、厚生労働省への働きかけを強化している動きもあります。
 彼女たちの会が掲げる「理解と支援で『障害』を個性に」というメッセージはとても素晴らしいものがあります。彼女たちの活動が、そのような素晴らしい世界を実現するために向かっているのか、それともアメリカの親の会と同様、製薬会社や精神科医の援助を受けて精神医療産業のフロントグループに成り下がり、「レッテルと薬で『障害』を産業に」という世界を日本にもたらすのか、非常に気になるところです。

※発達障害児に対する処方薬の問題

世界中でADHDなどと診断され、投薬される子どもが増える一方、安全とされていた処方薬に、次々と危険な副作用が判明し、各国行政機関から警告が発
せられている。代表的なものとして以下のようなものがある

・ 2004年10月15日、FDAは、抗うつ剤のパッケージに「抗うつ剤は、大うつ
病やその他の精神障害の子どもや10代の青少年に対して自殺願望が高まった
り自殺を試みたりする危険性を高める」というブラックボックス警告を表示
するよう製薬企業に命じた。

・ 2005年2月9日、カナダ保健省は、ADHD治療薬として使用されている中枢
神経興奮剤アダーロールやアダーロールXR(除放剤)を服用していた患者に
ついて、20件の原因不明の死亡例(うち子どもが14件)と12の脳卒中例(う
ち子どもが2件)が報告されたことから、アダーロールXRの販売を差し止めた。

・ 2005年8月19日、25カ国を代表したヨーロッパ共同体の委員会は、臨床
試験の見直しをして、抗うつ剤が自殺未遂や自殺企図、攻撃性、敵意、それ
らに関連した振る舞いを引き起こすことが判明したことを受け、子どもの抗
うつ剤使用について、今までで最も強い警告を発行するという、委員会の決
定を公布した。

・ 2005年9月29日、FDAは、ADHD治療薬ストラテラに対し、自殺企図や自殺行動に関連付けられることが臨床試験結果で判明したことを受け、「ブラックボックス」警告を記載するよう命令した。

・ 2006年2月8日、1999年から2003年の間に、米国内でADHDの治療薬の投与
を受けていた大人や子ども51人が死亡していたことをFDAは明らかにした。
メチルフェニデートは16人の死亡例があった。

・ 2006年6月20日、日本の厚生労働省は、リタリンの製造元に対し「海外に
おいて、器質的心疾患を有する小児に対する中枢神経興奮剤の投与例で、突然死が報告されている。」と添付文書に、下線付きで明記するよう指示した。

2006年8月21日、FDAは、中枢神経興奮剤の製造元に対して、薬が成長阻
害や精神病、双極性障害、攻撃性、「重大な」心臓障害をき起こすこと、および乱用は心不全や心臓発作を引き起こすことについて、警告表示を強
化するよう命じた。

***********************************
精神医療現場での被害の報告を受け付けています。
特に、その被害に関して何らかの行動(刑事告発、民事訴訟、内部告発、行政交渉、マスコミへの周知、法律改正の働きかけなど)を起こしたいという方、一度ご相談下さい。
特に情報を集めている事例
・子どもの被害事例(投薬や受信の強要、不当な診断、向精神薬の副作用など)
・抗うつ剤(特にSSRI)を服用後に自殺行動を起こした事例
・精神科医からの暴力や性的虐待事例
・診療報酬などの不正請求事例思い当たることがあれば、こちらまでご報告下さい。
kebichan55@yahoo.co.jp


(転載元精神科医の犯罪を問う)

http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/32130674.html