男児投げ落とし事件考察
男児投げ落とし事件考察
2006/4/15(土)
精神科の治療と凶悪犯罪
今朝の読売新聞に、以下のようなくだりがありました。
『...今井健詞容疑者(41)(殺人未遂などの疑いで逮捕)が神奈川県警多摩署の特捜本部の調べに対し、3月初めに同市内の病院を退院して以降、「常に人を殺したいと思っていた」と供述していることが14日、わかった。...昨年11月から入院していた今井容疑者は、3月8日に退院した直後から、「今日は殺しに行きたい。人を殺したいと思った」とし、...特捜本部は、入院を境に殺意の対象が自分から他人に変わった理由を解明するため、同病院の医師から話を聞いてい
る...』
ここでひとつの疑問が生じます。それは、「なぜ、治療を受けて状態が悪化しているのか?」という、純粋にして素朴な疑問です。通院ではなく、手厚い入院治療を受けていたというから、ますます疑問は募るばかりです。今井容疑者は、自殺未遂を繰り返すなど、悪化する自分の精神状態を治そうとする一心で精神科病院に入院したと思われます。ところが、治療の結果は、彼を殺人鬼に変えたということです。
医師は、まがりなりにも免許を取り、お金をもらって治療を施しているわけなので、患者の治療には責任が伴います。当然、「治療」が彼の殺人を助長したということであれば、今回の事件に関して、主治医の精神科医や病院は重大な責任を負うべきです。
しかし、精神科の治療が人を殺人鬼に変えるなんて、一般の人々は想像もつかないことだと思います。そこで、具体的な事例を挙げます。有名な全日空ハイジャック事件については、詳しく述べられているサイトhttp://www.so-net.ne.jp/vivre/kokoro/psyqa0900.htmlがあったので、そちらをご覧下さい。
報道によると、京都の学習塾女児殺害の初公判(京都地裁・平成18年2月20日)で弁護側の冒頭陳述要旨からは、以下の事実が伺える。
2003年10月ごろ、前件の窃盗、傷害事件の保釈中に精神科を受診し、精神疾患があると診断された。その後、今回の事件を起こすまで抗うつ剤の投薬を受けていた...
05年6月ごろ、被告は父親に「妄想がわく」と言って主治医の診察を希望、受診した。
05年9月ごろ、女児と2人になったとき、女児に小声で「キモイ」と言われるようになった。11月上旬ごろには、女児から「キモイ、死ね」と言われるようになった。そのころ、被告の頭の中で多いときで1日4、5回、女児の首から上の姿が浮かぶようになった。被告の頭の中に「キモイ、死ね」という声が聞こえることもあった。
11月下旬には、オレンジ色か赤色の半袖Tシャツにジーンズ姿の女児が「キモイ、死ね」と言って両手で剣を持ち、被告の正面下から首の辺りを突き上げる全身像が被告の頭の中に浮かぶようになった。こうした幻覚は犯行日まで計6、7回現れた。
被告は入院したいと父親に相談、12月1日に緊急診察を受けた。しかし、被告は父親を心配させないため、女児が剣を持って襲ってくるという幻覚は院長に話さなかった。被告は入院できず、薬を1日2回に増量するよう言われた。
12月2日、また女児の幻覚が現れた。被告は剣を持った女児に身体を乗っ取られないようにするため、包丁を買って刺そうと犯行を決意した。仕返しや恨みを晴らすためではなかった。
12月2日夕、被告は剣を持った女児の幻覚に対抗するため、包丁2本を買い、その後ハンマーも購入。幻覚では女児の顔と首が強調されて大きく見えたため、実際の犯行でも女児の顔や首のみを執拗(しつよう)に狙って刺した。
以上からは、抗うつ剤(SSRI)を服用していた被告が、妄想や幻覚、幻聴に悩まされるようになり、主治医に相談したところ抗うつ剤を倍増され、その直後に殺意を抱くようになった経緯がわかります。うつの治療にもっともよく使われるパキシルには、医薬品添付文書http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179041F1025_2_10/に以下のような記述があります。
重大な副作用
3. 錯乱、幻覚、せん妄、痙攣 (1%未満)
錯乱、幻覚、せん妄、痙攣があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量又は投与を中止する等適切な処置を行うこと。
同じSSRIのルボックス、デプロメールは以下の通りです。
重大な副作用
1. 痙攣,せん妄,錯乱,幻覚,妄想
痙攣(頻度不明),せん妄,錯乱,幻覚,妄想(各0.1~5%未満)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.
今回の投げ落とし事件について、警察がどれだけ精神科の治療の影響に焦点を当てることができるかが、真相究明の鍵であると私は考えます。是非、度重なる無差別殺人に怯える市民にひとつの回答を与えるような調査結果を期待したいです。
***********************************
精神医療現場での被害の報告を受け付けています。
特に、その被害に関して何らかの行動(刑事告発、民事訴訟、内部告発、行政交渉、マスコミへの周知、法律改正の働きかけなど)を起こしたいという方、一度ご相談下さい。
特に情報を集めている事例
・子どもの被害事例(投薬や受診の強要、不当な診断、向精神薬の副作用など)
・抗うつ剤(特にSSRI)を服用後に自殺行動を起こした事例
・精神科医からの暴力や性的虐待事例
・診療報酬などの不正請求事例思い当たることがあれば、こちらまでご報告下さい。
kebichan55@yahoo.co.jp
(転載元 精神科医の犯罪を問う)
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/2616937.html
2006/4/15(土)
精神科の治療と凶悪犯罪
今朝の読売新聞に、以下のようなくだりがありました。
『...今井健詞容疑者(41)(殺人未遂などの疑いで逮捕)が神奈川県警多摩署の特捜本部の調べに対し、3月初めに同市内の病院を退院して以降、「常に人を殺したいと思っていた」と供述していることが14日、わかった。...昨年11月から入院していた今井容疑者は、3月8日に退院した直後から、「今日は殺しに行きたい。人を殺したいと思った」とし、...特捜本部は、入院を境に殺意の対象が自分から他人に変わった理由を解明するため、同病院の医師から話を聞いてい
る...』
ここでひとつの疑問が生じます。それは、「なぜ、治療を受けて状態が悪化しているのか?」という、純粋にして素朴な疑問です。通院ではなく、手厚い入院治療を受けていたというから、ますます疑問は募るばかりです。今井容疑者は、自殺未遂を繰り返すなど、悪化する自分の精神状態を治そうとする一心で精神科病院に入院したと思われます。ところが、治療の結果は、彼を殺人鬼に変えたということです。
医師は、まがりなりにも免許を取り、お金をもらって治療を施しているわけなので、患者の治療には責任が伴います。当然、「治療」が彼の殺人を助長したということであれば、今回の事件に関して、主治医の精神科医や病院は重大な責任を負うべきです。
しかし、精神科の治療が人を殺人鬼に変えるなんて、一般の人々は想像もつかないことだと思います。そこで、具体的な事例を挙げます。有名な全日空ハイジャック事件については、詳しく述べられているサイトhttp://www.so-net.ne.jp/vivre/kokoro/psyqa0900.htmlがあったので、そちらをご覧下さい。
報道によると、京都の学習塾女児殺害の初公判(京都地裁・平成18年2月20日)で弁護側の冒頭陳述要旨からは、以下の事実が伺える。
2003年10月ごろ、前件の窃盗、傷害事件の保釈中に精神科を受診し、精神疾患があると診断された。その後、今回の事件を起こすまで抗うつ剤の投薬を受けていた...
05年6月ごろ、被告は父親に「妄想がわく」と言って主治医の診察を希望、受診した。
05年9月ごろ、女児と2人になったとき、女児に小声で「キモイ」と言われるようになった。11月上旬ごろには、女児から「キモイ、死ね」と言われるようになった。そのころ、被告の頭の中で多いときで1日4、5回、女児の首から上の姿が浮かぶようになった。被告の頭の中に「キモイ、死ね」という声が聞こえることもあった。
11月下旬には、オレンジ色か赤色の半袖Tシャツにジーンズ姿の女児が「キモイ、死ね」と言って両手で剣を持ち、被告の正面下から首の辺りを突き上げる全身像が被告の頭の中に浮かぶようになった。こうした幻覚は犯行日まで計6、7回現れた。
被告は入院したいと父親に相談、12月1日に緊急診察を受けた。しかし、被告は父親を心配させないため、女児が剣を持って襲ってくるという幻覚は院長に話さなかった。被告は入院できず、薬を1日2回に増量するよう言われた。
12月2日、また女児の幻覚が現れた。被告は剣を持った女児に身体を乗っ取られないようにするため、包丁を買って刺そうと犯行を決意した。仕返しや恨みを晴らすためではなかった。
12月2日夕、被告は剣を持った女児の幻覚に対抗するため、包丁2本を買い、その後ハンマーも購入。幻覚では女児の顔と首が強調されて大きく見えたため、実際の犯行でも女児の顔や首のみを執拗(しつよう)に狙って刺した。
以上からは、抗うつ剤(SSRI)を服用していた被告が、妄想や幻覚、幻聴に悩まされるようになり、主治医に相談したところ抗うつ剤を倍増され、その直後に殺意を抱くようになった経緯がわかります。うつの治療にもっともよく使われるパキシルには、医薬品添付文書http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179041F1025_2_10/に以下のような記述があります。
重大な副作用
3. 錯乱、幻覚、せん妄、痙攣 (1%未満)
錯乱、幻覚、せん妄、痙攣があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量又は投与を中止する等適切な処置を行うこと。
同じSSRIのルボックス、デプロメールは以下の通りです。
重大な副作用
1. 痙攣,せん妄,錯乱,幻覚,妄想
痙攣(頻度不明),せん妄,錯乱,幻覚,妄想(各0.1~5%未満)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.
今回の投げ落とし事件について、警察がどれだけ精神科の治療の影響に焦点を当てることができるかが、真相究明の鍵であると私は考えます。是非、度重なる無差別殺人に怯える市民にひとつの回答を与えるような調査結果を期待したいです。
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精神医療現場での被害の報告を受け付けています。
特に、その被害に関して何らかの行動(刑事告発、民事訴訟、内部告発、行政交渉、マスコミへの周知、法律改正の働きかけなど)を起こしたいという方、一度ご相談下さい。
特に情報を集めている事例
・子どもの被害事例(投薬や受診の強要、不当な診断、向精神薬の副作用など)
・抗うつ剤(特にSSRI)を服用後に自殺行動を起こした事例
・精神科医からの暴力や性的虐待事例
・診療報酬などの不正請求事例思い当たることがあれば、こちらまでご報告下さい。
kebichan55@yahoo.co.jp
(転載元 精神科医の犯罪を問う)
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/2616937.html