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精神医学の診断マニュアルDSMと製薬業界の癒着構造

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精神医学の診断マニュアルと製薬業界の癒着構造

 米国ボストンのマサチューセッツ大学の心理学者、Lisa Cosgrove氏による研究が、世界中で大きな話題となっている。彼女の論文は、月刊誌「Psychotherapy and Psychosomatics」4月号に掲載され、日本でも精神医療現場や精神鑑定で用いられている、アメリカ精神医学会による精神疾患の診断統計マニュアル(DSM)と製薬業界との金銭的繋がりを暴いている。

 論文や、その報道から伺える主要な事実は以下の通りである。

・ DSM-IV とその一部改訂版 DSM-IV-TR の執筆に関わった170人の専門家について調べたところ、そのうち95人(56%)は何らかの形で製薬業界とのあいだに金銭的な繋がりを持っていた。
・ これらの専門家に支払われた金銭の具体的な内訳としては、研究資金(42%)、コンサルタント料(22%)、講演料(16%)であった。
・ 「気分障害」(うつ病を含む)と「統合失調症及び他の精神病性障害」の部門の担当者については、全ての執筆者が製薬業界との間に金銭的な繋がりを持っていた。
・ 「気分障害」と「統合失調症及び他の精神病性障害」のカテゴリーは、世界でも最大規模の医薬品市場であり、2004年には抗うつ剤が203億ドル(約2兆3000億円)、抗精神病薬が144億ドル(約1兆6500億円)の売り上げを誇っている。

 この話題は、The New York Times(4月20日)、The Washington Post(4月20日)、The Chicago Tribune(4月19日)、USA Today(4月20日)など、米国各紙で取り上げられている。
参考:
http://content.karger.com/ProdukteDB/produkte.asp?Aktion=ShowAbstract&ProduktNr=223864&Ausgabe=231734&ArtikelNr=91772


http://www.nytimes.com/2006/04/20/health/20psych.html?ex=1146456000&en=1dbc978b434f3671&ei=5070
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/04/19/AR2006041902560.html
http://www.chicagotribune.com/news/nationworld/chi-0604200194apr20,1,3690657.story
http://www.usatoday.com/tech/science/2006-04-19-conflicts-experts_x.htm

 論文を発表したCosgrove氏は、「DSM中の障害については、いかなる血液テストも存在しない。それは、そのマニュアルに頼っている医師の判断のみに左右されるのである。」と指摘している。さらには、「そのような障害を定義するプロセスは、科学的というにはほど遠く、いかにそのプロセスが政治的であるかを知れば失望するだろう。」とも述べている。

 日本でも、新しいタイプの抗うつ剤SSRIが1999年に販売認可されるや、特定の精神科医や製薬産業が中心となり、大々的な「うつ」啓発キャンペーンが展開されてきた。その結果、1999年まで150億円前後の抗うつ剤市場が、わずか数年で4倍以上に膨れ上がった。客観的な診断の根拠や、うつの原因と主張される「脳内化学物質のバランスの崩れ」を証明する科学的根拠が存在しないま
ま、DSMによる障害の定義が宣伝され、多くのうつ病患者が作られてきた。

 さらには、最近はDSMで定義付けられた「社会不安障害(SAD)」に対して、SSRIが治療薬としての承認を得たことから、特定の精神科医や製薬産業による、猛烈なSAD啓発キャンペーンが進められている。そして、次なる市場として、日本の子どもに目を向けたADHDキャンペーンが展開され、ADHD治療薬の開発・承認に関する動きが急ピッチで進められている。

 一方で、抗うつ剤が自殺衝動を引き起こしたり、ADHD治療薬による死亡の危険性などが次々と明らかにされ、米国政府や、EU、国連、日本の厚生労働省からも警告が発せられるようになっている。それにもかかわらず、あえてそのような警告をかき消すかのように、ただ薬物療法の利点のみを強調し、薬物療法を強く勧める宣伝やキャンペーンが無分別に行われている。そこには、資金提供を受けた専門家が、科学的根拠を後回しにして「障害」を作り上げ、その「障害」を普及・宣伝することで患者を増やし、その障害に対する薬剤を承認させることで莫大な利益を得ようとする、今回の論文で明らかにされた精神医療産業の闇の構造が見え隠れしている。

 教育現場では、DSMを基にしたチェックリストが教師に配布され、子どもたちが科学的根拠無く「障害の可能性がある」と分類されている。そのような診断基準を見て不安になった保護者や教師により、子どもたちが精神科を受診するようになっている。中には、科学的根拠無く、一生を左右するような「障害」というレッテルを貼られたり、副作用の説明もないまま、危険な薬物療法を強制させられたりする事例もある。

 支援のための科学的な分類は歓迎するが、金儲けのための非科学的な分類はいらない。


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(転載元精神科医の犯罪を問う)

http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/36695286.html