こんばんは、福島県二本松市と本宮市の葬儀屋さんの隣の酒屋
勢州屋の太田きょうじゅ(四十路)です。
最近地方について書いてある本を読み漁っているのですが、今回読んだ本は
「東北のすごい生産者に会いに行く」という本です。
アル・ケッチャーノのオーナーシェフとして有名な奥田政行さんと三好かやのさんという方が東北各地の頑張っている、そしてすごい生産者さんを訪ねた内容が書いてある本です。
地域も幅広く、福島・宮城・岩手と多くの生産者さんのところを訪れています。
ただ技術的にすごい生産者、品質がすごい生産者を紹介するだけの本ではなく、震災を乗り越えてそれぞれの土地で必死に活動する方々の姿が描かれています。津波の被害にあった方、原発事故で風評被害にあった農家の方、それぞれに大変な状況に追い込まれながらも頑張っている方々の姿。
読んでいてそれぞれの生産者さんの仕事に対する姿勢やプライドに尊敬すら感じます。また、自分の住んでいる地域にもこんなにすごい人、ここまで頑張っている人が沢山いることに勇気をもらいました。
酒も米と水から造られる、言わば6次化商品です。農業とは切り離せないものです。そんなお酒を販売する立場として、もっと農業のことも知りたい、知らなければいけないのでは?と感じました。農家の方が酒米を作り、それを蔵元さんがお酒にして、私達酒屋が販売させていただく。農家の方、蔵元さんどちらがかけても私達はお酒を販売することができないんですよね。
蔵元さんには時々お邪魔させていただくこともありますし、お話をする機会もありますが、今まで酒米を栽培されてる農家の方とお話する機会ってほとんどありませんでした。専門的なことは難しいかもしれませんが、もう少し農業について関心を持つことでお客さんに伝えられることも増えてくるような気がします。
全国的に農家の高齢化も問題となっていますが、この本に出てくるような農家さんがきっと全国各地に沢山いるのだと思います。そのような方々にもっとスポットライトが当たれば、きっと農家を継ぎたい、新しく農業をやってみたい!って若い人も増えてくるんじゃないのかな?なんて希望も感じました。実際本の中で紹介されている地元の東和地区では、「新規就農者の受け入れを積極的に行ってきた結果、東和には約10年で30代前後の若者36人が移住」と書かれていました。
この本に出てくる生産者の方々は皆さん、とても魅力的で、前向きな方々ばかりで、とても面白くあっという間に読み終えてしまいました。興味のある方は柴田書店さんから発行されてますので探してみてください。