JALの国内線用777について(その1) | 青春の1ページ航空機等撮影記録~since2019 New Edition~

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今年もこれから暑い時期になる・・・

今年は7月に入ってようやく梅雨本番という天気になってきました。私の住む近畿を含め、東海より西では記録的に早い梅雨入りだったにもかかわらず、これまではそれほどしっかり雨が降っていた印象がなかったのですが、しばらくはジメジメした天気になりそうな感じです。

 

さて、本日は地元には特に狙い目の機体の飛来はなさそうなので、前から温めていた新たな航空機ネタとして、JALの国内線用777を振り返るシリーズを開始することにします。

JALにB777の初号機が導入されたのは1996年で、その後2009年までの約13年に渡り、延べ46機(JASからの移籍機を含む)が導入されました。当初は国内線用として‐200が導入されましたが、1998年からは‐300の導入が始まり、さらに2002年からは国際線用の777も導入され-200ERが、2004年からは-300ERが登場しました。最終的には‐200が2007年までに15機(うち7機はJASからの移籍機)、‐300が2003年までに7機、-200ERが2005年までに11機、-300ERが2009年までに13機登場し、747の退役後は同社の主力機材として、国内線の幹線路線や中・長距離用国際線で運航されました。国内線用の777については2007年に‐200全機にファーストクラスの設置が行われたほか、2014年から2016年までの間に17機(772:13機、773:4機)が「JAL SKY NEXT」の改修を受け、内装(座席・照明)の交換やWi-Fiの装備が行われました。しかしながら、同社の次世代機材としてA350の導入が決まったことから、2014年から順次退役が進められることになり、国内線用の機材は2022年度中に全機退役することになっていたのですが、この国内線用機材に搭載されているプラットアンドホイットニー(PW)社の「PW4000」系列のエンジンが、2020年12月と2021年2月に相次いで運航中に損傷するというトラブルを起こし(前者はJALの機材、後者はユナイテッド航空(UA)の機材で発生)、このエンジントラブルの原因が究明されるまでは運航を停止するようにという国土交通省からの通達を受け、時期を前倒しして2020年度末で全機が退役することになりました。なお、国際線用の機材については引き続き運航されていますが、-200ERについてはコロナ禍の影響による運用の減少もあり2021年6月末現在で5機が退役済となっており、残る機材も1機を除き国内線用に転用されており、2023年度に全機退役予定となっています。

では、ここからはJALで運航されていた国内線用777全機を順に紹介していくことにします。なお、総機数の関係で1回では紹介できませんので、5回程度に分けて紹介することにしています。

 

①JA8981

機種:777‐200 製造番号(msn/LN):27364/23 運航期間:1996年2月~2014年6月

2012.12.18 伊丹空港

 

1996年2月に導入された、栄えあるJALの777の初号機です。772と773の初期導入機は先代の鶴丸塗装で登場し、「スタージェット(STAR JET)」として星の愛称が付けられており、このJA8981には「シリウス」の愛称を持っていました。後述する2号機の「JA8982」とともに、1996年4月からの営業運航開始に併せて導入された機体で、その後は太陽のアーク塗装となり、2010年にはハワイ州観光局とのコラボキャンペーンによる「わくわくアロハジェット」として運航されました。この機体は777としては退役まで唯一現行の鶴丸塗装への塗り替えは行われず、また「JAL SKY NEXT」への改修も行われず、2014年6月にアメリカにフェリーされ、同社の777では退役第1号となりました。

 

②JA8982

機種:777‐200 製造番号(msn/LN):27365/26 運航期間:1996年3月~2014年11月

(上)2010.9.5 伊丹空港 (下)2012.1.9 伊丹空港

 

777の導入2号機となる「JA8982」は、1996年3月に登場しました。初号機の「JA8981」と同様に先代鶴丸塗装のスタージェットとして登場し、「ベガ」の愛称を持っていました。こちらも同年4月の運航開始に併せて準備された機体で、その後はアーク塗装、現行鶴丸塗装に塗り替えられて運航されました。この機体は2010年から2011年にかけて「嵐ジェット」として運航されており(詳しくはこちらの記事を参照)、航空ファンのみならず、嵐ジェット目当ての女性ファンにも注目を集めた機体でした。この機体も「JAL SKY NEXT」の改修対象からは外れ、2014年11月に退役しました。

 

③JA8983

機種:777‐200 製造番号(msn/LN):27366/39 運航期間:1996年9月~2015年5月

(上)2012.5.4 伊丹空港 (下)2015.1.10 伊丹空港

 

「JA8983」は777の導入3号機として1996年9月に登場しました。この機体も登場当初は先代鶴丸塗装のスタージェットで、「アルタイル」の愛称を持っていました。その後は「JA8982」と同様に、アーク塗装を経て現行の鶴丸塗装になっています。特別塗装の経験は、アーク時代の2011年に施された初代の「JAL×サマンサタバサ」ジェットと、退役間近の2014年10月から2015年4月まで施された、乳がん啓発キャンペーンの「ピンクリボン」塗装の2回となっています。この機体も先の2機と同様に「JAL SKY NEXT」の改修対象からは外れていたことから、2015年5月に退役となりました。

 

④JA8984

機種:777‐200 製造番号(msn/LN):27651/68 運航期間:1997年4月~2020年2月

(上)2012.4.15 伊丹空港 (下)2017.3.11 福岡空港

 

「JA8984」は777の導入4号機として1997年4月に登場しました。先の3機と同様に当初は先代鶴丸塗装のスタージェットで、「ベテルギウス」の愛称を持っていました。その後はアーク塗装を経て、2008年の重整備時に初代「JALエコジェット」塗装に変更され、緑色のアーク塗装となりました。その後COP10ステッカーを追加した「COP10 エコジェット」を経て、2011年の整備時に現行鶴丸塗装ベースの2代目エコジェット「JALエコジェット・ネイチャー」となり、その後2019年までこのデザインで運航されました。なお、エコジェットとなる前の2006年には、相武紗季さんがデザインされた「先得ジェット」として運航されていました。また、2016年には「JAL SKY NEXT」への改修を受けています。エコジェット終了後は通常の鶴丸塗装となり、経年のため2020年2月に退役となりました。

 

⑤JA8985

機種:777‐200 製造番号(msn/LN):27652/72 運航期間:1997年5月~2020年8月

(1枚目)2012.4.14 伊丹空港

(2枚目)2012.1.8 伊丹空港

(3枚目)2013.4.13 伊丹空港

(4枚目)2014.3.8 伊丹空港

 

「JA8985」は777の導入5号機として1997年5月に登場しました。先に登場した機体と同様に、当初は先代鶴丸塗装のスタージェットで、「プロキオン」の愛称を持っていました。この機体は先代鶴丸塗装としては当時国際線用機材だった767の「JA603J」とともに最後まで残った機材でした。その後はアーク塗装を経て現行鶴丸塗装となりました。現行塗装となってからは特別塗装機に3回起用されており、2011年には「怪物くんジェット」(詳しくはこちらの記事を参照)、2013年には「JALハピネスエクスプレス」(詳しくはこちらの記事を参照)、2014年には「SAMURAI BLUE応援ジェット」として運航されています。なお、2016年には「JAL SKY NEXT」への改修が行われました。20年以上国内線の第一線で運航を続け、初期導入機としてはかなりの長寿機となりましたが、寄る年波には勝てず2020年8月に経年のため退役となりました。なお、同機の退役と併せて新型コロナウイルスの影響に伴う退役機が出てくるのですが、この機体についてはコロナ禍とは関係なく当初計画どおりの退役となっています。

 

(その2に続く)