【ペテロの変容、その8 イエスさまを捨てる慟哭】#062

ゲッセマネでの祈りを終えると
ユダに導かれたローマ兵がやってきました。
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ペテロは、剣を抜いて
ローマ兵に斬りかかり、
一人の耳を削ぎ落としますが、
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イエスさまは
「剣をおさめよ、
 剣をとる者はみな、剣で滅びる」
と言って叱ります。
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けれど結局
弟子たちは全員、イエスさまから離れて
逃げ去ってしまいます。
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裏切り者は
お金でイエスさまを売った
ユダだけではなかったのです。
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なんとびどい……
と思うかもしれませんが
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逆境や苦難の中で
行動を起こすことは
ほんとうに難しいものです。
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しかも、暴力に訴えてはならない。
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いったいどうしたらいいのかも
分からなかったことでしょう。
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ただ、それでもペテロは
イエスさまが捕らえられているところに
戻ってくるのです。
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今日は
『ユダヤに学ぶ変容の法則』
全文が
ルカによる福音書からの引用です。
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胸が引き裂かれそうになる場面です。
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(引用ここから)
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ペテロは遠くからついて行った。
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人々は中庭の真ん中に火を焚いて、
一緒に座っていたので、
ペテロもその中にすわった。
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すると、ある女中が、
彼が火のそばに座っているのを見、
彼をみつめて、
「この人もイエスと一緒にいました」
と言った。
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ペテロはそれを打ち消して、
「私はその人を知らない」と言った。
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しばらくして、
ほかの人がペテロを見て言った、
「あなたもあの仲間のひとりだ」。
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するとペテロは言った、
「いや、それはちがう」。
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約一時間たってから、
またほかの者が言い張った、
「たしかにこの人もイエスと一緒だった。
 この人もガリラヤ人なのだから」。
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ペテロは言った、
「あなたの言っていることは、
 わたしにわからない」。
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すると、彼がまだ言い終わらぬうちに、
たちまち鶏が鳴いた。
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主は振り向いて
ペテロを見つめられた。
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そのときペテロは、
「きょう、鶏が鳴く前に、
 3度わたしを知らないと言うであろう」
と言われた主のお言葉を思い出した。
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そして外へ出て、激しく泣いた。
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(引用ここまで)
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わたしたちの旅では
ペテロが3度
イエスさまを知らないと言った
その場所に建つ「鶏鳴教会」を訪れます。
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そこでペテロは、我が身を
そして、他の弟子たちを守るために
イエスさまを捨てたのでした。
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中学生の頃に
初めて読んだ時と今では
まったく違って見えるこの場面です。
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当時のわたしは
なんという酷いことをするのだと
心の底から思ったものでした。
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けれど、
苦しみながらもがきながら
間違ったことをしたり
嘘をついたりしてしまう
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恥ずかしくて
誰にも言えないような
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どんなに後悔してもしきれないような
どんなに懺悔しても許されないと
思えるようなことが
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人にはどうしたって
ひとつやふたつは
あるものなのではないでしょうか。
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誰も気づいていなくても
警察に捕まらなくても
お天道さまはお見通しなのです。
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ではそのお天道さま、イエスさまは
3度も嘘をついてしまった
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まさに、慟哭の中にあるペテロに
なにをおっしゃったのでしょうか。
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続きはまた明日
お伝えすることにしましょう。
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今日もお読みくださって
心よりありがとうございます。