「人生で最も大切なものは
逆境と
よき友である」
糸川英夫
太陽系探査機「はやぶさ」が打ち上げられた
鹿児島内之浦宇宙空間観測所に立つ、
我が師の銅像。
遥か大海原を眺め、
大宇宙に想いを馳せる生き方が好きでした。
人生の師のおかげで、
導いていただいたおかげさまで、
今日の私があります。
目をつぶって師を思う時、
面影とともに、
声が聞こえてきます。
天に住まいを移された、
師匠の教えを生きるとき、
師は、地上にも別荘を持って住まい、
今もなお伴ってくださるのを感じるのです。
糸川英夫博士の声が聞こえます。
「あなたは、誰か人の頭の上のハエを追っていればいいの。
みんな自分の頭の上のハエを気にしすぎね。
誰かの頭の上のハエを追っていてごらんなさい。
いつか、
あなたの頭の上のハエを追ってくれている人に気づくから」
自分のことはさておき、
人様のお世話をさせていただく。
人様が幸せになるお手伝いをする。
それが、
「誰かの頭の上のハエを追う」
ということ。
そして、
それこそが、
日本人の在り方でしょう。
自分が幸せになろうとして、
幸せになれないように、
人は創られているのだから。
誰かの幸せを願い、
誰かの幸せのお手伝いをするとき、
感じるあたたかさ。
それを「幸せ」と呼びます。
そこが私たちの旅の通過点。
今日も目の前の人が、
喜んでくださることに自分を捧げてゆきます。
悩み苦しみは、自分について考えていること。
自分勝手に作り上げた、
「私」という錯覚が苦しみを生みます。
「私」が消えた世界には
「平安」がある。
糸川先生との真実の対話は、
先生が天に帰ってゆかれてから始まりました。
真実の対話は、
死に別れてから始まるのだと感じています。
私は、大きな財産をいただいたのだなぁとしみじみ思うのです。
だから、
受け取ったバトンを持って走り、
それを次に繋げるのが、
私の生きる意味。
喜んで生かしていただきます。
人生で「師匠」と呼べる存在との出会いこそ宝。
私は本当にしあわせ者です。