どうしてあんなにも
往生際が
悪いのでしょうか
 
伊周は
生まれながらに
恵まれすぎていて
逆境にあったことが
なかったから
 
窮地に陥ったとき
どう行動したらいいか
考えたことも
なかったのでしょうね
 
冷静さを欠いていて
先のことは
何も
見通せないようです
 
そして
貴子も貴子です
 
お母さんが一緒に
行ってあげるから
ほら、はやく
車にお乗りなさい
 
いい年をして
こんなことを言われて
素直に同道するとか
 
伊周も伊周ですが
 
甘ったれるのも
いい加減にしろ!
 
↑という言葉は
貴子へも声を大にして
言いたい
 
あなたの子どもは
伊周だけではない
 
そして
中関白家
復興のために
今、何を
しなければならないのか
 
定子と原子を
全力で
守り切ること
 
これしかないのに
何も見えてない
 
貴子は
伊周しか見えてない
 
もうね
哀れ極まりないです
 
貴子が
聡明だったというのは
本当なの?
 
とさえ
思えるほどです
 
子ゆえに惑う
 
まあそれも
世の常
ではありますが
 
こうまで
あからさまに
兄のみを
贔屓にする母親を
目の当たりにした
 
定子の気持ちを
考えたら
ほんとうに
心が痛い
 

 

 

 

 
あの
駄々捏ね伊周
 
まさかって
思うでしょう?
 
私も
脚本家の
演出だったら
どんなにいいかって
思います
 
でも、これ
どうやらホントに
あったことらしい
のですよ
 
いやはやもう
なんと言ったら
良いのやら
 
定子さまが
生きてるのが
厭になるのも
わかります
 
恥ずかしくて
恥ずかしくて
穴があったら
入りたい
 
穴がなくても
掘ってでも
入りたい
 
兄も兄なら
母も母
 
その存在すら
恥ずかしくて
もう
誰にも
顔向けできない
 
自暴自棄になった
定子さまを
誰が責められると
言うのでしょう
 
 
 
 
枕草子に出てくる
貴子は
何か遠くで
霞が漂って
いるようにしか
見えません
 
貴人は
下々の者と
直接会話したりも
しないわけですから
 
日常的に
貴子と清少納言が
軽口を叩くような
関係ではないわけで
 
繋がりが希薄なのも
わからなくは
ないのですが
 
 
枕草子は
キラキラした
楽しい
幸せなことを
 
寄せて集めて
並べているわけ
なので
 
そこに
貴子が
あまり登場しない
ということが
何を意味するのか
 
やっぱり
そうなのか
 
改めて
思ったのでした
 
 
穆子と倫子の
仲睦まじい
母娘を見るにつけ
 
ほんとうに
あれは羨ましい
 
 
 
全てに
恵まれているようで
それが
そうでもないことは
よくある話では
ありますが
 
定子さまが
味わったであろう
悲哀を思うと
 
心が苦しい
清しょうこ納言
なのでした