詮子が

一条天皇との間に

距離を置かれ

移った先が

 

職御曹司

(しきのみぞうし)

 

 

枕草子ファンとしては

職御曹司という場所は

 

とても

思い出深い場所ながら

 

とても

悲しい場所でもあり

 

ズギュンと

胸を

撃ち抜かれました

 

 

 

職御曹司は

中宮職(しき)

(妃たちに関する事務所)

の置かれているところで

 

生活するには

ちょっと

難がある場所

 

今で言えば

「お役所」

みたいなところで

 

居住スペースとは

違った仕様に

なっている建物です

 

なんで、また

そんなところに・・・・

 

本当に詮子が

そこに移ったのかは

よく知りませんが

 

のちに

中関白家が凋落し

定子が

そこに入ったことは

間違いのない事実です

 

 

 

摂関政治が

円滑に運営される

要素として

 

「幼帝であること」

 

「国母が

健在であること」

 

「外祖父が

摂政または関白」

 

「その三者の関係が

良好であること」

 

が挙げられます

 

兼家が亡くなった今

幼帝と国母はいても

 

摂政→関白が

「外伯父」になったことで

権力基盤に

軋みが見られるように

なったわけです

 

詮子は道隆が

国母である自分を

軽視していると

歯軋りしている

でしょうし

 

道隆は道隆で

 

次なる

「幼帝」と「国母」を

自分の孫と娘に置き換え

 

「外祖父の自分が摂政」

という形を

早く作りたいと

思っているので

 

二人の思惑が

すれ違うのは

当然です

 

詮子は

自分の権力基盤が

揺らいでいる事を

痛感して

いることでしょう

 

 

 

兼家が

亡くなったことで

 

外戚の家族の一員

とはいえ

摂政の息子から

摂政の弟になった

ことで

 

権力から

遠ざかった感の

否めない

道兼や道長も

 

今までとは

勝手が違うと

思っているはずです

 

でも、実際には

道隆は

自分の弟たちも

順当に

出世させてはいるし

 

異母弟の

道綱にだって

それなりの昇進を

させています

 

過去のこと

 

つまり

兼家と

仲が悪かった

兄兼通との確執を

思えば

 

それほど

アコギなことを

しているように

見えませんけどもね

 

ただひとつ

まだ若すぎる

伊周の官位を

どんどん上げて

行っているのは

 

誰しも

感心しないこと

でしょうね

 

そのことは

もしかすると

伊周にとっても

結果的に

良いことではなかった

かもしれません

 

関白の息子だからとて

公任が

花山女御の兄だからとて

斉信が

さして昇進できなかった

ことを思い起こせば

 

伊周が

羨望と嫉妬の

的となり

その周りに

怨嗟の声が渦巻くことは

明白です

 

道隆も

罪なことをする

 

 

 

 

ドラマでは

ことさら

驕慢な若者として

強調して

描かれている

伊周です

 

たしかに

文武両道に

優れては

いたようですが

 

取り巻きが

ワザと負けたり

譲ったりは

日常茶飯事だった

ことでしょう

 

 

ドラマでも描かれた

競射のシーンは

「大鏡」にも

描かれていて

 

実は

「自分が摂関に、云々」

という

二本目も

 

道長は

正鵠を得た

(的の中央に矢が刺さった)

そうな

 

ドラマでは

道隆に

止められて

いましたけどもね

 

 

 

こういうことは

あっという間に

世間様に知れ渡って

いろんなものに

書かれちゃう

 

それは

今のマスコミと

一緒で

 

上つ方は

一挙手一投足

色々

興味本位で

取り沙汰されちゃう

わけです

 

若い伊周も

面白くなく思うことが

多かったでしょうね

 

 

 

 

それはともあれ

 

腐っていた

あの道兼でさえ

二年経ったら

内大臣になったり

 

道長だって

権大納言なら

御の字だって

穆子に言われてて

 

あの歳なら

まあまあ

イケてると

思いますけどもね

 

 

あらまあ

道隆は

一気に66人も

取り巻きを

ひっぱり上げたんだ

 

 

 

 

でも

道長だって

自分が天下取ったら

まひろの父ちゃんに

官職あげたい

でしょうが?

 

同じことを

しないつもりなの?

 

どんな清廉潔白な

治世が

始まるんでしょう?

 

整合性は

どうとるんですかね?

 

楽しみに

しておきます

 

 

 

まあ

弟たちはそれなりに

引き上げられては

いるのですが

 

妹の詮子だけは

憤怒の塊になって

 

「おのれ道隆

今に見ておれ」

 

くらいは

呟いていそうです

 

 

 

一条天皇も

厳しく躾けられた

反動があるんでしょう

 

詮子の

職御曹司行きを

積極的に止めた

様子もありませんね

 

これは禍根を

残すでしょうね

 

 

 

前回

自由闊達な

中関白家の雰囲気の

中で

 

一条幼帝が

生き生きと

楽しそうに

していましたよね

 

それを見た詮子が

見苦しいと

言い放った時の

あの子の

気持ちを思うと

 

私は、胸が

張り裂けそうに

なりました

 

 

 

いつの時代も

厳しい親は

 

「あなたのために

厳しくしている」

 

と言います

 

 

でもね

詮子が天皇に

しっかりして欲しいと

望むのは

 

自分の権力の

大切な元手だから

という側面もあって

 

本当に

息子の幸せだけを

望んでいるのかしら?

 

という疑問が

頭から

離れないのです

 

これは

私が毒親育ちだから

そう思うだけかも

しれません