【 正月の風物詩 】 | 医療・介護のハッピーライフ

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肉男ですパー

私、こう見えて実は箱根駅伝沿道応援歴・四十年を超えるファンなのですが、そんな私が、最近はまったのがこの本、

【 湘南台 市中見廻り帖 】


『冬の喝采』


実際に箱根ランナーだった作者の自伝的作品で、そのなかで箱根駅伝ファンのみならず誰もが認める陸上界の名伯楽、「中村清」監督についての記述はなかなか興味深い

( ̄-  ̄ ) ンー


スーパースター瀬古利彦との師弟愛や箱根の最終走者がゴール目前で、脱水から夢遊病者の様にふらふらになったのを見るや、サイドカーから飛び降り、都の西北を歌いながら一緒に走りなんとか甦らせて優勝のゴールテープを切らせたという伝説の人。


それらの美談やその人物像を否定するかのようなリアルな描写の数々。


頭をスポーツ刈にしない選手に癇癪を起こし、地団駄を踏み過ぎて足を骨折したり、ある時は、公園で練習する同好会ランナーに命掛けではないと因縁をふっかける。


曰く、自己顕示欲のかたまり。
曰く、子供のように自制心がない。
曰く、陸上偏執狂
曰く、思い込みが激しく粘着質、等々


およそ指導者たるまじき言動のオンパレードである。


本書は、最後まで中村監督に悪意を抱き続けて書き抜いたのかと邪推させる程、辛辣かつ救いの無い筆致に貫かれている。


が、果たして、そんなそれだけの人物が、日本陸上界において数多くの名選手や実績を残しえたのであろうか?


そして、それこそ何よりも著者自身が中村監督の元を去らなかったのは何故なのか?


夢、情熱、母校愛、妥協、計算、打算…
箱根駅伝はディープである(・_・;)

肉男