集団リストラ!? | 意外すぎる聖書のおはなし

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聖書ってそんな話だったの?イメージと違っていた意外なストーリー展開にびっくりしたことを書いてます。


これは聖書にあった集団リストラ事件です。

 

 

 

いつの時代も

 

社会の大きな変動によって

 

雇用の問題が発生しますが、

 

当時も国を揺るがす大きな出来事がありました。

 

 

 

国が2つに分かれてしまったのです。

 

 

 

紀元前900年代に

 

イスラエルが北イスラエルと南ユダにわかれました。

 

 

国が分かれてリストラに遭うって

 

どこか倒産したんですか!?

 

 

 

会社ではなく

 

宗教に関するリストラでした!!

 

 

 

リストラにあってしまったのは

 

北イスラエルに住むレビ人たちでした。

 

 

 

旧約聖書

 

〔列王紀上12章28-31節〕

 

そこで王は相談して、二つの金の子牛を造り、民に言った、

 

「あなたがたはもはやエルサレムに上るには、およばない。

 

イスラエルよ、あなたがたをエジプトの国から

 

導き上ったあなたがたの神を見よ」。

 

そして彼は一つをベテルにすえ、一つをダンに置いた。

 

この事は罪となった。

 

民がベテルへ行って一つを礼拝し、

 

ダンへ行って一つを礼拝したからである。

 

彼はまた高き所に家を造り、

 

レビの子孫でない一般の民を祭司に任命した。

 

 

 

 

 

旧約聖書

 

〔歴代志下11章13-15節〕

 

イスラエルの全地の祭司とレビびとは

 

四方の境から来てレハベアムに身を寄せた。

 

すなわちレビびとは自分の放牧地と領地を離れて

 

ユダとエルサレムに来た。

 

これはヤラベアムとその子らが彼らを排斥して、

 

主の前に祭司の務をさせなかったためである。

 

ヤラベアムは高き所と、みだらな神と、

 

自分で造った子牛のために自分の祭司を立てた。

 

 

 

 

 

何が起きたかというと、

 

北イスラエルの王となったヤラベアムが

 

金の子牛を作ってました。

 

 

 

金の子牛って新しい宗教ですか!?

 

 

 

むかし、モーセが神様から律法をもらうために

 

40日シナイ山にいたときにも

 

民がアロンにお願いして金の子牛を作って拝んでましたが

 

新しい宗教を作ったというよりは

 

目には見えない神様という存在を金の子牛で偶像化した

 

ということだったようです。

 

 

 

目には見えない神様を

 

形で表したら子牛になったってことでしょうか・・・

 

 

 

 

ところで、どうしてレビ人だけリストラだったかと言うと

 

レビの子孫たちであったレビ人は神の幕屋に仕える人々として

 

神様に聖別された存在でした。

 

祭司はもちろんレビ人だし、

 

神の幕屋を管理する様々な事柄はすべて

 

レビ人たちしかしてはならないと律法で定められています。

 

 

 

ところが

 

ヤラベアムが金の子牛を拝みなさいと国民に伝えて

 

そのための祭司たちはレビ人でなく

 

一般の人を祭司に任命したから

 

彼らのお仕事がなくなっちゃったのです。

 

 

 

それで、北イスラエルに住んでいたレビ人たちは

 

南ユダのレハベアム王のところに身を寄せました。

 

 

 

この時、レビ人以外の他の部族の人々の中で

 

金の子牛じゃなくて

 

神様を信仰して生きたいと思う人々も

 

北イスラエルを離れて南ユダに身を寄せました。

 

 

 

国が変わっただけじゃなく

 

宗教にも異変が起きていたんですね。

 

 

実はこれ、神様が一番驚いたんじゃないかと思います。

 

 

 

神様は、ヤラベアムが王になる前

 

預言者を通してヤラベアムに

 

10部族を与えるとおっしゃってましたから。

 

 

 

どうしてこうなっちゃったのかというと

 

これにはヤラベアム自身の恐れが大きく影響したようです。

 

 

 

当時、政治と宗教は密接に関わっていました。

 

 

 

信仰の中心地はエルサレム神殿でしたが

 

エルサレムはヤラベアムが統治する北イスラエルではなく

 

南ユダの領地にありました。

 

そのため、エルサレムに燔祭を捧げに行く北イスラエルの民が

 

南ユダのレハベアム王に味方し

 

自分を殺すかもしれないと恐れたようです。

 

 

 

なるほど・・

 

そういう心配があって

 

自国の領土に祭壇を2つ作ったということなんですね。

 

 

 

このことが集団リストラに繋がったこともびっくりですが

 

神様に信頼されて10部族を任されたヤラベアムが

 

身の危険を感じて国の宗教に手を加えて

 

金の子牛を拝ませたことが何より驚きでした。

 

 

 

 

 

神様に10部族を与えると言われた時は

 

自分が将来、金の子牛を作るとは

 

ヤラベアム本人も夢にも思わなかったかもしれません。

 

 

 

緊急時には本当に何が起こるかわからないし

 

自分がその時どんな選択をするのか、

 

自分にもわからないものです。

 

 

なんともびっくりなお話でした。