不眠症の治療

 

まずは原因の除去。対処可能な原因があれば対処する。

 

せん妄のリスクがある人にはベンゾジアゼピン系睡眠薬を処方してはいけない。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリー・アモバン・ルネスタもだめ。

そういう人には、不眠のタイプに応じて、ロゼレムやベルソムラやデエビゴの使用を検討する。

 

必ず生活指導などの非薬物療法を併用し、睡眠薬の使用を最小限にすること。

 

 

 

睡眠薬の有害事象

 

過鎮静、精神運動機能の低下、筋弛緩作用、前向性健忘、退薬症候、臨床用量依存、呼吸抑制、せん妄。

 

※一般的に高齢者では、睡眠改善の効果は統計学的には有意であるものの小さい一方で、健忘・転倒などの出現が統計学的に有意に高い。睡眠薬の使用は最小限にすることが必要。

 

 

 

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たまにあるけど、一般的に意外と知られていないのは、前向性健忘だろう。

「睡眠薬を飲んで寝て、朝起きたら、食べ散らかした痕跡があるけど、食べた記憶がないからびっくり」とか。

 

「午前2時とか3時に目が覚めてしまう」とか「朝6時に起床するまでの間に何回も目が覚める」と訴える人によく話を聞くと、夜8時とか9時に就寝している人がいる。(意外と多い。とくに高齢者に多い。)

そういう人に睡眠薬を処方してもそんなに効かない。だって睡眠時間が十分に足りているから。

不眠を訴える人に、就寝時間と起床時間を聞かないで睡眠薬を処方してはいけない。

 

個人的には、ベンゾジアゼピン系睡眠薬や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は嫌い。

ほとんど処方しない。

ロゼレムやベルソムラやデエビゴを処方している。