最近増えている「精神腫瘍科」とは?

 

がん患者さんやその家族を支援する科。

腫瘍と診断されたときから、患者さんが日常生活を可能な限り変わらずに送れるように支援したり、納得できる治療を受けられるように支援したりする。

 

具体的には 、病気や治療に関する適切な情報を提供すること 、決して孤立しないように情緒的に支えること 、治療を続ける上で患者さんを悩ます不眠や不安、気分の落ち込みに対して、精神医学的に支援して、最善の治療が受けられるようにすること。

 

 

「精神腫瘍科」という名前は「精神腫瘍学」という研究分野に由来する。

 

「精神腫瘍学」というのは「サイコオンコロジー(Psycho-OncoIogy)」を和訳したもの。

サイコオンコロジー(Psycho-OncoIogy)とは、「こころ」の研究をする心理学(Psychorogy)と「がん」の研究をする腫瘍学(Oncology)を組み合わせた造語。

1970年代に始まった研究分野。

 

創始者は、精神科医のジミー・ホランド(Jimmie Holland)博士。

1970年代からがん患者の心理的苦痛を治療する必要性を認識して、ニューヨークのメモリアル・スローンケタリング・キャンサーセンターに1977年に赴任して、がん患者の心理について研究を始めた。

 

米国では当時、治療で回復するがん患者が増加し、既に患者へのがん告知が始まっていた。

「治療で回復する患者に心理学的に何が起きているのか」という全く新しい調査を始めた。

 

1986年、国際サイコオンコロジー学会、日本サイコオンコロジー学会が創設された。

 

 

「精神腫瘍科」ってわかりにくい名前だけど、背景には深い話があるな。