アルコール離脱症候群には、ガバペン(ガバペンチン)がいいらしい。
2年前に発行された「せん妄ハンドブック」で知った。
(八田耕太郎 著 中外医学社)
アルコール離脱せん妄には、ワイパックス(ロラゼパム)やセルシン(ジアゼパム)を処方するのが一般的だ。
でも、いままで処方してきてあまり効いたことがない。けっきょく大不穏になって、リスペリドンやセレネースを追加することが多かった。
それに、処方したワイパックスで、せん妄になったこともあった。
ガバペンはこれまで処方したことがなかったけど、昨年から使っている。
使ってみたらいい感じだった。
1人めは、アルコール依存症の60代男性。専門病院で治療をしているけど、大量飲酒が止められない人。大腿骨骨折で当院の整形外科に入院してきた。
ガバペンを使ってみたら、とてもよく眠れるという。不眠にもよく効く。痛み止めの効果もあるから、この患者さんにはちょうどいい。
けっきょくアルコール離脱せん妄は起きずに、無事退院した。
2人めは、毎日大量飲酒していた70代男性。胆嚢結石で消化器外科に入院してきた。ガバペンを処方したらアルコール離脱せん妄は起きなかった。
BZD系薬のように過鎮静になったり、せん妄になったりしないからいいと思った。
まだ2例にしか使っていないから、ガバペンの評価はできないけど、第一印象はいい。
あと、アルコール離脱症候群にはチアミン(ビタミンB1)が推奨されている。ガバペンと併用する。
そういえば、以前テレビで見たのだが、熊本の寿司屋の張り紙が話題になっていた。
「お客様各位(お知らせ)」
「当店のお鮨は職人がふるえる手(アル中の影響)で握っているので、シャリが振動によりほぐされて、とても口どけがいいです。」
「店主敬白」
その寿司屋はとても繁盛しているそうだ。
Googleで検索すると出てくる。